東京ロイター

売り先行、米雇用統計の下振れが重し 主要企業の決算に関心=今週の東京株式市場
[東京 4日 ロイター] – 今週の東京株式市場は、売りが先行すると想定されている。米雇用統計の弱い結果を手掛かりに米国株が下落したことが、嫌気されそうだ。一方、国内ではトヨタ自動車<7203.T>など主力株の決算が相次ぐ。内容次第では指数の値動きに影響する可能性も意識されている。引き続き、トランプ関税の実体経済への影響や、国内政治にも関心は寄せられそうだ。8日には自民党の両院議員総会が開かれる。
日経平均の予想レンジは3万9000円─4万0800円。
米国市場では雇用統計が予想を下回ったことなどを受けて株価の主要3指数が下落し、日経平均先物も下押しが強まった。7月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は予想以上に伸びが鈍化し、過去2カ月分の雇用者数も大幅に下方修正され、労働市場の急激な悪化が示された。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、ひとまず米景気の減速を警戒したリスク回避が意識されるだろうと指摘する。週の前半は、高値圏にある米国株の調整リスクがくすぶり、日本株も不安定になりそうだ。
トランプ関税の世界経済への影響が警戒される中、米6月貿易収支(5日)、中国7月貿易収支(7日)、米ニューヨーク連銀7月消費者調査(7日)などへの目配りが必要になる。
日米で決算シーズンが継続し、個別物色は引き続き活発と見込まれる。国内企業では、トヨタのほかソニーグループ<6758.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>(いずれも7日)といった主力株の発表を控えている。内容次第では個別の材料としてだけでなく、全体の地合いに影響を及ぼす可能性も意識されている。
ここまで発表のあった決算では、業績見通しが振るわず株価が下落するケースが散見されており「この先の決算発表でも下振れリスクへの警戒感はくすぶりそうだ」(井出氏)との声が市場では聞かれる。
自民党の両院議員総会に向けては、石破茂首相の退陣を求める声が強まるかが焦点となる。首相退陣の場合、「後任が誰になるとしても石破首相より財政拡張的になると見込まれ、退陣の思惑が高まるようなら株高が促され得る」(国内証券のアナリスト)との見方が出ている。
8日には、7月30日─31日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」の公表がある。オプションSQ(特別清算指数)の算出も控えており、需給要因による相場への影響も意識されている。
R7.8.4 東京株式市場・大引け=続落、米景気懸念で 業績期待は下支え
[東京 4日 ロイター] – **東京株式市場で日経平均は続落し、前営業日比508円90銭安の4万0290円70銭で取引を終えました。**米国の景気減速懸念を受けて、米株安や為替のドル安/円高進行を嫌気した売りが広がりました。日経平均は一時、心理的節目の4万円を下回りましたが、その後は下げ渋り、売りが売りを呼ぶような展開にはなりませんでした。市場では、今週本格化する企業決算への期待が株価の下支えになっているとの見方がありました。
日経平均は680円安と続落スタートした後、2週間ぶりの4万円割れとなり、一時949円安の3万9850円52銭まで下落する場面がありました。その後は下げ幅を縮小し、後場では4万0200円付近での一進一退が継続しました。
7月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は予想以上に伸びが鈍化、過去2カ月分の雇用者数も大幅に下方修正され、労働市場の急速な悪化が示唆されました。
野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジストは「朝方は雇用統計の結果を受けて、条件反射的に売られたが、徐々に冷静さを取り戻したようだ」と話しました。背景には、国内の企業決算がヤマ場を迎える中、業績への期待があります。前四半期時の想定より米国の関税政策による影響が軽微になるとし、上方修正を発表する企業が増える可能性があるといいます。
**TOPIXは1.1%安の2916円20銭で取引を終えました。**東証プライム市場指数は前営業日比1.1%安の1500円89銭でした。プライム市場の売買代金は4兆8035億9300万円でした。東証33業種では、値下がりは銀行、鉱業、サービス、保険など28業種、値上がりはその他製品、不動産など5業種でした。
主力株では、**ファーストリテイリング<9983.T>、リクルートホールディングス<6098.T>、TDK<6762.T>**が軟調、**任天堂<7974.T>、HOYA<7741.T>、ソシオネクスト<6526.T>**が堅調でした。**東京エレクトロン<8035.T>**は小幅高でした。
決算などを手掛かりにした物色は活発で、**山崎製パン<2212.T>、任天堂<7974.T>、イビデン<4062.T>**は4─7%超高と大幅高、**ヤマハ<7951.T>、TDK<6762.T>**は5─8%超安でした。
**新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.02%高の762円45銭と、4日続伸しました。**市場では「海外投資家が大幅に売っている一方、個人投資家は買い入れているようだ」(国内証券)との声が聞かれました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが473銘柄(29%)、値下がりは1096銘柄(67%)、変わらずは54銘柄(3%)でした。
終値詳細

R7.8.5 東京株式市場・大引け=3日ぶり反発、米株高を好感 円高警戒くすぶる
[東京 5日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比258円84銭高の4万0549円54銭と3日ぶりに反発して取引を終えました。米国市場で早期利下げ期待が高まり株価が反発したことを好感し、前日安からの買い戻しが優勢になりました。一方、ドル/円の円高基調への警戒感はくすぶり、午後にかけて伸び悩みました。
日経平均は230円高で寄り付いた後も堅調に推移し、一時358円高の4万0649円に上値を伸ばしました。前週末に発表された弱い米雇用統計への失望が、週明けには早期利下げ期待に転じて米株が反発し、東京市場でもひとまず安心感が広がりました。
米市場でハイテク株高となる中、電子部品は総じて堅調。時間外取引の米株先物はプラスで推移し、投資家心理を支えました。
一方、市場では「前日に売られた銘柄を中心に買い戻されたが、上値を買っていく雰囲気はない」(内藤証券の田部井美彦投資調査部長)との見方が聞かれました。米国で早期利下げの織り込みが進むことは、円高のリスクが高まる側面もあるとして「日本株にとって、プラス面ばかりではない」(田部井氏)との声がありました。
TOPIXは0.7%高の2936円54銭で取引を終えました。東証プライム市場指数は前営業日比0.7%高の1511円38銭でした。プライム市場の売買代金は4兆8776億8100万円でした。東証33業種では、値上がりは非鉄金属や水産・農林、電気・ガスなど30業種、値下がりは海運や倉庫・運輸関連、小売など3業種でした。
決算発表などを手掛かりにした物色は活発でした。三菱重工業<7011.T>は上場来高値を更新し、ローム<6963.T>は年初来高値を更新しました。マツダ<7261.T>は大幅高。フジクラ<5803.T>は上場来高値を更新しました。一方、LINEヤフー<4689.T>は大幅安、ヤマハ発動機<7272.T>は軟調でした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.3%高の772円36銭と、5日続伸しました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1154銘柄(71%)、値下がりは412銘柄(25%)、変わらずは56銘柄(3%)でした。
終値詳細
R7.8.6 東京株式市場・大引け=続伸、円高一服や決算など好感 TOPIX優位
[東京 6日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比245円32銭高の4万0794円86銭と続伸して取引を終えました。ドル安/円高一服のほか、好決算を手掛かりにした物色が支えとなりました。TOPIXは日経平均に対して優位な展開となりました。市場では、関税措置の発動をあすに控える中、さらなる交渉に向けた期待があるとの見方もありました。
日経平均は米株市場での軟調な流れを引き継ぎ、反落で寄り付いたが、その後プラス転換、後場に301円高の4万0850円89銭できょうの高値をつけました。指数寄与度の高いソフトバンクグループ<9984.T>が4.25%高となり、日経平均を押し上げました。
TOPIXは1.02%高の2966.57ポイントで取引を終えました。東証プライム市場指数は前営業日比1.02%高の1526.83ポイントでした。プライム市場の売買代金は5兆4274億7800万円でした。東証33業種では、サービスを除く32業種が値上がりとなり、不動産、建設、鉱業、石油・石炭製品が上位に浮上しました。
日経平均は0.60%付近で小じっかりと推移したのに対して、TOPIXは1%超高で底堅かったです。円高一服や好決算を受けて、バリュー株中心に買いが入り、TOPIXを押し上げました。三菱重工業<7011.T>は4%超高、トヨタ自動車<7203.T>は1.50%超高でした。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャーは「自動車関税の交渉を巡り、ポジティブなニュースが出てくるのではないかという楽観的な期待が市場にある」と話しました。赤沢亮正経済再生相はワシントンに9日まで滞在する予定で、日米間の合意内容を確認し、日本への自動車関税を15%に引き下げる米大統領令の早期発出を求める考え[nL4N3TY054]。市場での赤沢再生相の評価は高いといい、「詰めの部分でしっかりやってくれるのではないかという期待がある」(浪岡氏)といいます。
このほか主力株では、ダイキン工業<6367.T>、コナミグループ<9766.T>、ソニーグループ<6758.T>が1─3%超高としっかり。半導体関連株の東京エレクトロン<8035.T>、ディスコ<6146.T>は2─3%超安で軟調。前日に決算を発表したリクルートホールディングス <6098.T>は4%超安でした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.06%安の771.88ポイントと、6営業日ぶりに反落しました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1278銘柄(78%)、値下がりは293銘柄(18%)、変わらずは51銘柄(3%)でした。
終値詳細
R7.8.7 東京株式市場・大引け=3日続伸、米国の相互関税発動も過度な悲観後退
[東京 7日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は3日続伸し、前営業日比264円29銭高の4万1059円15銭で取引を終えました。午後に米相互関税が発動しましたが、決算発表を通じて企業業績への影響が明らかになるにつれ、過度な悲観は後退しています。朝方は弱い場面もありましたが、前日の米株高を好感する動きが徐々に優勢になりました。TOPIXは取引時間中と終値がともに史上最高値を更新しました。
トランプ米大統領が半導体に約100%の輸入関税を課す考えを明らかにしたことが伝わる中、日経平均は126円安で寄り付きましたが、前日の米国市場で株高だったこともあり、短時間でプラスに転じました。一時369円高の4万1164円に上値を伸ばしました。
市場では、企業の決算発表が進む中で「実際の関税の影響が思っていたほどではないとの安心感が全般的にはあるようだ」(東海東京インテリジェンス・ラボの長田清英チーフストラテジスト)との見方が聞かれました。午後には相互関税が発動されましたが、株価はトヨタ自動車<7203.T>の決算を控えて目立った動きはありませんでした。
トヨタ株は、午後に業績予想の下方修正を発表した後に軟化しました。自動車株が連れ安となり、日経平均も上げ幅を縮小する場面がありました。ただ、指数の下げは長続きせず、過度な悲観には傾きませんでした。
海外勢の買いが日本株高を後押ししているとの思惑がある一方、足元の株価には強すぎとの警戒感もあります。「海外勢の買いが止まると大きめの調整になる傾向があり、(足元の株高には)危うさもありそうだ」(長田氏)との声も聞かれます。
TOPIXは0.72%高の2987.92ポイントで取引を終えました。東証プライム市場指数は前営業日比0.72%高の1537.81ポイントでした。プライム市場の売買代金は5兆6928億5700万円でした。東証33業種では、値上がりは電気・ガスや倉庫・運輸関連、銀行など27業種、値下がりは輸送用機器やゴム製品、精密機器など5業種でした。
業績予想の上方修正を発表したフジクラ<5803.T>が上場来高値を更新しました。ソニーグループ<6758.T>も決算が好感されしっかりでした。一部の証券会社が目標株価引き上げたエムスリー<2413.T>は一時ストップ高をつけました。一方、上方修正した見通しが市場予想に届かなかったホンダ<7267.T>は軟調。台湾の子会社元社員による機密情報不正取得が伝わった東京エレクトロン<8035.T>は大幅安でした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.24%高の781.45ポイントと反発しました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1021銘柄(62%)、値下がりは544銘柄(33%)、変わらずは58銘柄(3%)でした。
終値詳細
R7.8.8 東京株式市場・大引け=4日続伸、米関税警戒が緩和 TOPIX3000乗せ
[東京 8日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は4日続伸し、前営業日比761円33銭高の4万1820円48銭で取引を終えました。相互関税を巡って日米間の誤解が解消したとの受け止めから、過度な警戒感が緩和して株高に弾みがつき、一時4万2000円を回復しました。TOPIXは最高値を更新し3000ポイントの大台に乗せました。好決算を手掛かりにした物色も活発で、指数の押し上げに寄与。米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測を背景に米国株の先高観が根強いことも相場を支援しました。
米相互関税を巡っては、日米の認識の違いが警戒されていましたが、大統領令を修正し、さかのぼって払い戻すとの赤沢亮正再生相による説明が朝方に伝わったことで、過度な警戒感が緩和しました。先物に断続的な買いが入る中、大型株を中心に上昇に弾みがついて一時974円高の4万2033円に上昇しました。
業種別では、自動車など輸送用機器が値上がり率の上位に入りました。決算が好感されたソフトバンクグループ<9984.T>が10%超高と急騰したことも、日経平均の上昇に寄与しました。アドバンテスト<6857.T>とファーストリテイリング<9983.T>を加えた3銘柄で指数を500円弱、押し上げました。
市場では、関税懸念の緩和のほか「グローバル株式市場が安定していることが、安心材料になっている」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員)との声が聞かれました。米雇用統計が弱く米景気への懸念はくすぶるが、一方では早期の米利下げへの思惑も高まっています。
米連邦準備理事会(FRB>のパウエル議長の後任にウォラーFRB理事が最有力と報じられたことも、株高につながりました。同氏は7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを主張しており、市場の早期利下げ観測を後押ししました。
一方、日経平均のPER(株価収益率)は、前日時点で16.8倍と高まっており高値警戒感もくすぶります。「どんどん株価を切り上げていく環境ではない」(大西氏)ともみられています。連休を控えた週末でもあり、後場には利益確定売りに上値を抑えられました。
TOPIXは1.21%高の3024.21ポイントで取引を終えました。東証プライム市場指数は前営業日比1.22%高の1556.5ポイントでした。プライム市場の売買代金は6兆7792億5000万円でした。東証33業種では、値上がりはゴム製品や精密機器、その他製品など29業種、値下がりは繊維製品や医薬品、非鉄金属など4業種でした。
トヨタ自動車<7203.T>が大幅高だったほか、ソニーグループ<6758.T>や任天堂<7974.T>は上場来高値を更新しました。一方、中外製薬<4519.T>や東レ<3402.T>は大幅安。第一生命ホールディングス<8750.T>は一時上場来高値を更新したが、その後、軟化しました。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.12%安の780.53ポイントと反落しました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1067銘柄(65%)、値下がりは496銘柄(30%)、変わらずは60銘柄(3%)でした。
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