東京ロイター

FRB議長講演は株高反応、エヌビディア決算に目線移る=今週の東京株式市場
[東京 25日 ロイター] – 今週の東京株式市場は、買いが先行しそうだ。前週末に米国で開催された年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて米国株は上昇しており、日本株への波及が見込まれる。イベント消化が一巡した後は、半導体大手の米エヌビディア<NVDA.O>の決算(27日)に市場の関心は移る。日米ともに株価は高値圏にあり、利益確定売りが出やすい環境だが、9月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げへの期待が継続していれば下値も支えられると見込まれる。
日経平均の予想レンジは4万1500円─4万3500円。
米国の9月利下げの織り込みは8割台に再び高まり、米株市場では主要3指数が急伸した。日経平均先物も前週末の現物株終値に対し300円強高い水準に連れ高しており、さや寄せする動きが先行するとみられる。
エヌビディア決算では、利益成長の継続が確認されるかが焦点となる。岩井コスモ証券の斉藤和嘉シニアアナリストは「台湾積体電路製造(TSMC)の月次売上高は力強い水準が継続しており、トレンドは右肩上がり」との見方を示す。TSMCはエヌビディアの半導体を製造することで知られる。
市場では、決算数字が市場の期待を上回るかどうかや、次世代半導体「ルービン」の開発進捗、中国向けAI(人工知能)半導体の生産・販売状況などにも関心が寄せられている。
エヌビディアの関連株と目されるアドバンテスト<6857.T>やソフトバンクグループ<9984.T>の株価動向にも目配りが必要になる。日経平均への寄与度が高い銘柄群の一角でもあり、指数にインパクトを及ぼす可能性がある。
エヌビディア決算で株高になる場合、日経平均は再び最高値に向けた流れが意識されそうだが、高値警戒がくすぶる中では「上昇の勢いが直近の高値まで続かなければ、いったん出尽くしとなり、売りに転じるリスクもある」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャー)との声が聞かれる。
株安反応になる場合や出尽くしとなる場合、下値では企業による自社株買いや買い遅れた投資家の買いが支えになるとの見方がある。米国での9月利下げへの思惑が継続すれば、仮に下押ししても短期的な調整にとどまる可能性がある。
R7.8.25 東京株式市場・大引け=続伸、一時500円超高 米利下げ期待維持で
[東京 25日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は続伸し、前営業日比174円53銭高の4万2807円82銭で取引を終えました。前週末に米国で開催された年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受けて米国の利下げ期待が維持され、米株高となった流れを引き継ぎました。東京市場では朝方買い圧力が強まり、一時500円超高となる場面がありました。買い一巡後は小動きが続きました。
日経平均は前営業日比343円高でスタートした後、上げ幅を広げ、568円高の4万3201円42銭まで値上がりしました。指数寄与度の高い半導体株やハイテク株が買われ、相場を押し上げました。ただ、買いの勢いは続かず、上昇一服後は一進一退が継続。後場は膠着感が強く、値幅は153円程度にとどまりました。業種別では、非鉄金属が堅調だった半面、倉庫・運輸関連、電気・ガスなど内需株が下落しました。
市場では「9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ期待が高まった一方、足元のマーケットは利下げの幅がどうなるかを読み取る段階」(三菱UFJ eスマート証券のチーフストラテジスト・河合達憲氏)との声が聞かれました。目先はFRB高官らによる発言機会を控え、「利下げに対してどのような姿勢が示されるか確認したい」(国内証券・ストラテジスト)との指摘もありました。
日銀の植田和男総裁は米国時間23日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれたカンザスシティー連銀主催のシンポジウムに登壇し、「大きな負の需要ショックが生じない限り、労働市場は引き締まった状況が続き、賃金には上昇圧力がかかり続けると見込まれる」と語りました[nL4N3UF03I]。三菱UFJ eスマート証券の河合氏は「マーケットは冷静に受け止めており、現時点では株式相場に大きな影響はみられない」と話しました。
TOPIXは0.15%高の3105.49ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.15%高の1598.52ポイントでした。東証プライム市場の売買代金は4兆1406億2600万円でした。東証33業種では、非鉄金属、卸売、機械など15業種が値上がり。倉庫・運輸関連、電気・ガス、空運など18業種は値下がりしました。新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.62%高の786.98ポイントと、小幅に反発しました。
個別では、指数寄与度の高いファーストリテイリング<9983.T>が小幅高、ソフトバンクグループ<9984.T>が3%超高。アドバンテスト<6857.T>が1%高、東京エレクトロン<8035.T>が小幅高でした。米利下げ期待が維持され、米国の住宅需要が高まるとの思惑で、住友林業<1911.T>が大幅上昇しました。TOTO<5332.T>は8%高。半面、テルモ<4543.T>やバンダイナムコホールディングス<7832.T>は軟調でした。
プライム市場の騰落数は、値上がり780銘柄(48%)に対し、値下がりが775銘柄(47%)、変わらずが65銘柄(4%)でした。

終値詳細
R7.8.26 東京株式市場・大引け=反落、円高で一時600円超安 売り一巡後はもみ合い
[東京 26日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は3営業日ぶりに反落し、前営業日比413円42銭安の4万2394円40銭で取引を終えました。前日の米株安の流れを引き継いだほか、トランプ前米大統領の米連邦準備理事会(FRB)人事を巡る発言を受けて円高が進行したことが重しとなり、日経平均は一時600円超安となる場面がありました。ただ、売りが一服した後は様子見ムード広がり、もみ合いとなりました。
日経平均は前営業日比188円安でスタートした後、下げ幅を広げ、前場序盤に670円安の4万2137円62銭まで値下がりしました。朝方にトランプ氏によるクックFRB理事解任発表[nL6N3UI00X]が伝わり、ドル/円相場では急速に円高が進行。ドルは一時146円台後半まで下落しました。円高が嫌気され、株式市場では幅広い銘柄で売りが先行しました。後場には、ドルが147円台後半まで水準を戻し、日経平均も下げ幅を縮小しましたが、買い戻しの動きは限定的でした。米半導体大手エヌビディア<NVDA.O>の決算を27日に控えて様子見姿勢が強まり、後場は一進一退となりました。
市場では「トランプ氏の発言を受けて、今後のマクロ政策に対する不透明感が強まり、株式市場では嫌気されたようだ」(GCIアセットマネジメントのポートフォリオマネージャー・池田隆政氏)との見方が聞かれました。足元ではエヌビディアの決算発表を見極めたいとするムードも強く、動きづらいという。目先の日本株については、「短期的にはいったん過熱感を冷ます段階に入ったとみられるが、調整が一服した後は再び高値を取りに行く可能性もあるとみている」(池田氏)との指摘がありました。
TOPIXは1.08%安の3071.99ポイントで取引を終了。プライム市場指数は1.08%安の1581.27ポイントでした。東証プライム市場の売買代金は5兆6237億2900万円でした。東証33業種では、倉庫・運輸関連以外の32業種が値下がり。医薬品、電気・ガス、サービスなどの下落が目立ちました。新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.14%安の785.89ポイントと、小幅に反落しました。
個別では、指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>が1%超安、ソフトバンクグループ<9984.T>が小幅安でした。主力株も弱く、リクルートホールディングス<6098.T>が3%超安、ダイキン工業<6367.T>が2%超安、トヨタ自動車<7203.T>が1%超安でした。アドバンテスト<6857.T>、東京エレクトロン<8035.T>は小幅高。TOPPANホールディングス<7911.T>は1%超高。新規株式公開(IPO)を計画する同社傘下の半導体部材メーカー、テクセンドフォトマスクが上場時の時価総額3000億円を目指していることが分かったとロイターが報じ、手掛かりとなりました。
プライム市場の騰落数は、値上がり386銘柄(23%)に対し、値下がりが1180銘柄(72%)、変わらずが54銘柄(3%)でした。
終値詳細
R7.8.27 東京株式市場・大引け=反発、エヌビディア決算控え様子見 個別材料株などしっかり
[東京 27日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反発し、前営業日比125円87銭高の4万2520円27銭で取引を終えました。米半導体大手エヌビディア<NVDA.O>の決算を日本時間のあす朝に控える中、様子見ムードが広がり、指数に明確な方向感はみられませんでした。半導体関連株の一角のほか、中小型や個別材料株がしっかりでした。
日経平均は81円高で寄り付いた後、マイナス圏に転落する場面もみられましたが、再びプラス圏に浮上し、233円高の4万2628円04銭まで上昇しました。その後はプラス圏での小動きが続きました。半導体関連株の一角に買いが入り、日経平均を下支えしました。
エヌビディアの決算では、中国事業の行方のほか、全体の粗利率や高性能チップの歩留まり率が投資家の関心テーマという。市場では「年後半にかけて改善していくという、前回示されたシナリオに変わりがないかが注目されている」(りそなホールディングスの武居大暉ストラテジスト)との見方がありました。
主力株では、アドバンテスト<6857.T>が4%超高で1銘柄で日経平均を130円程度押し上げたほか、中外製薬<4519.T>が6%超高、ソフトバンクグループ<9984.T>もしっかりでした。半面、ファーストリテイリング<9983.T>、リクルートホールディングス<6098.T>は1─2%超安でさえなかった。そのほか、欧州の大手眼鏡メーカーから出資比率引き上げの提案を受けていると報じられたニコン<7731.T>がストップ高比例配分となりました。取引時間中に業績予想の下方修正を発表した三菱自動車工業<7211.T>は1.95%安でした。
TOPIXは続落し、0.07%安の3069.74ポイントで取引を終えました。東証プライム市場指数は前営業日比0.07%安の1580.15ポイントでした。プライム市場の売買代金は4兆1890億3400万円でした。東証33業種では、値下がりは保険、その他製品、サービスなど14業種、値上がりは電気・ガス、空運、非鉄金属など19業種でした。新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.92%安の778.68ポイントと、続落しました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが741銘柄(45%)、値下がりは793銘柄(48%)、変わらずは86銘柄(5%)でした。
終値詳細
R7.8.28 東京株式市場・大引け=
R7.8.29 東京株式市場・大引け=
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