東京ロイター

もみ合い、「TACO」のタカ派化に目配り必要も=今週の東京株式市場
[東京 14日 ロイター] – 今週の東京株式市場は、もみ合いが想定されている。日米関税協議や参院選の行方に関する不透明感が継続する中、売り買いともに手掛けにくさが意識されそうだ。足元では、トランプ氏は極端な高関税の脅しを取り下げ続けるいわゆる「TACO」トレードが意識されるが、これが強硬な「タカ派」路線に回帰するリスクに注意が必要との声もある。
日経平均の予想レンジは3万9000円─4万円。
米関税政策も参院選も先行きは不透明で、足元では織り込みが難しい地合いにあると、りそなアセットマネジメントの戸田浩司ファンドマネージャーは指摘する。明確な売り材料があるわけでなく、かといって上値を買う材料もない状態が継続する可能性がある。
日経平均は4月急落後、TACOを織り込みながら6月に年初来高値を付けた。その後も4万円付近での停滞が続いている。米株は連日高値を更新してもいる。市場では、TACOを過度に織り込んでいるとの警戒感もくすぶっており、りそなAMの戸田氏は「TACOがタカになるリスクには注意したい」と指摘する。
米国が相互関税を打ち出した後も、米国の経済やインフレには目立った悪影響はみられておらず、株価も高水準にある。こうした良好な環境が、トランプ氏が強硬路線のいわゆる「タカ派」姿勢を強めることに自信を与えかねないとの見立てだ。相互関税の発動期限となる8月1日にはまだ間があり、関連発言や報道に振らされる状況は続きそうだ。トランプ米大統領は12日、メキシコと欧州連合(EU)に8月1日から30%の関税を適用すると発表した。
参院選の情勢にも関心が寄せられる。与党の苦戦が伝わる中、敗北すれば野党の主張する減税など財政拡張的な政策が現実味を増して国内金利が上昇するようなら株価にネガティブとの警戒感はくすぶっている。
米国では6月消費者物価指数(CPI、15日)、6月小売売上高(17日)の発表があるが、関税の悪影響が本格的に表れるのはこれからとみられており、市場予想から大きく乖離しない限り材料視されにくいとの見方がある。18日に国内で6月消費者物価指数の発表があるが、トランプ関税や国内政治が落ち着くまで日銀による追加利上げの思惑にはつながりにくいとみられている。
R7.7.14 東京株式市場・大引け=3日続落、不透明感で方向出づらく
[東京 14日 ロイター] – **東京株式市場で日経平均は、前営業日比110円06銭安の3万9459円62銭と3日続落して取引を終えました。**米国の関税を巡る不透明感に加え、日本銀行の物価見通しや金融政策に関する報道が交錯し、株価はプラス圏とマイナス圏を行き来する展開となりました。週末に参議院選挙を控えていることもあり、市場ではポジションを取りにくいとの見方も聞かれました。
日経平均は前営業日比153円安でスタートした後、一時280円安の3万9288円90銭まで下落しました。しかし、後場にはプラス圏に浮上し、一時38円高の3万9608円02銭で本日の高値をつけました。これは、日本銀行が今月の金融政策決定会合で2025年度の物価見通し引き上げを検討する一方、政策金利は据え置くと報じられたことに市場が反応した形です。今週は参議院選挙や主要国の対米関税交渉が注目される中、市場参加者は一方的なポジションを傾けにくい状況でした。
松井証券の窪田朋一郎投資メディア部長は、米国の関税問題や参議院選挙を巡る不透明感が存在するにもかかわらず、株価が下げ渋っている点を指摘しました。市場は「TACCO(Trump Always Chickens Out、トランプ氏はいつも尻込みする)トレードや、日銀の利上げ見送りなど、ポジティブな可能性だけに賭けている」との見方を示しています。しかし、貿易交渉の期限である8月1日が迫るにつれて、今月下旬からは緊張感が高まりやすいとみています。
**TOPIXは反落し、0.02%安の2822円81銭で取引を終えました。**東証プライム市場指数も前営業日比0.02%安の1452円77銭でした。プライム市場の売買代金は3兆6610億6500万円でした。東証33業種のうち、電気・ガス、機械、不動産、輸送用機器など19業種が値上がりし、その他製品、情報・通信業、空運など14業種が値下がりしました。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.13%安の747円50銭と、続落しました。
個別銘柄では、**三菱重工業<7011.T>、IHI<7013.T>、川崎重工業<7012.T>**といった防衛関連株が3%超高と堅調でした。これは、英紙フィナンシャル・タイムズが14日、コルビー米国防次官が台湾有事の際の役割を明確化するようオーストラリアと日本の防衛当局者に働きかけていると報じたことなどが材料視されたためです。
そのほかの主力株では、ソフトバンクグループ<9984.T>、**東京エレクトロン<8035.T>**が軟調だった一方、ファーストリテイリング<9983.T>、**アドバンテスト<6857.T>**は堅調でした。**メルカリ<4385.T>**は5%超安となりました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが907銘柄(55%)に対し、値下がりは649銘柄(39%)、変わらずは70銘柄(4%)でした。
終値詳細

R7.7.15 東京株式市場・大引け=4日ぶり反発、AI関連堅調 金利上昇は上値抑制
[東京 15日 ロイター] – **東京株式市場で日経平均は、前営業日比218円40銭高の3万9678円02銭と4日ぶりに反発して取引を終えました。**前日の米国市場での株高などを背景に、AI(人工知能)関連株を中心に底堅く推移しました。一方、参院選を前に財政悪化への懸念から金利が上昇傾向にあることは、株価の上値を抑えました。
米株高を好感した買いが先行したものの、参院選での与党の苦戦が伝わる中、減税など財政拡張的な政策を掲げる野党の声が強まるとの思惑から、超長期金利を中心に金利が上昇し、相対的な魅力が低下する株価の上値は抑制されました。
市場からは「参院選を通過し、米関税が決着するまでは手掛けにくい地合いが続きそうだ」(ちばぎんアセットマネジメントの森田潤調査部長)との声が聞かれました。一時マイナスに転じる場面もありましたが、4月の株価急落からの戻り相場では「25日線が支持線になり続けている」(ちばぎんAMの森田氏)とみられており、下値では押し目買いが支えになりました。
金利上昇の中で金融株は堅調でした。トランプ米大統領がAI・エネルギー関連の新規民間投資を発表する見通しと一部で報じられ、半導体関連株や電線株が買われました。米半導体大手エヌビディア
**TOPIXは0.09%高の2825円31銭で取引を終えました。**東証プライム市場指数は前営業日比0.09%高の1454円06銭でした。プライム市場の売買代金は4兆1219億6900万円でした。東証33業種では、値上がりは非鉄金属や保険、電気機器など14業種、値下がりは卸売や不動産、パルプ・紙など19業種でした。
**アドバンテスト<6857.T>**が上場来高値を更新しました。**フジクラ<5803.T>や第一三共<4568.T>**は堅調でした。一方、**伊藤忠商事<8001.T>やリクルートホールディングス<6098.T>**は軟調でした。**三菱重工業<7011.T>**はさえませんでした。新興株式市場は、東証グロース市場250指数が2.16%安の731円38銭と3日続落しました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが626銘柄(38%)、値下がりは932銘柄(57%)、変わらずは68銘柄(4%)でした。
終値詳細
R7.7.16 東京株式市場・大引け=小反落、様子見継続で方向感出ず
[東京 16日 ロイター] – **東京株式市場で日経平均は、前営業日比14円62銭安の3万9663円40銭と、小幅に反落して取引を終えました。**ハイテク企業の堅調な業績を背景に、半導体関連銘柄の買いが強まる場面もありましたが、勢いは続かず、指数は方向感のないまま一進一退の動きとなりました。週末に参議院選挙の投開票を控える中、市場では様子見ムードが続きました。
日経平均は前営業日比56円高と堅調にスタートした後、すぐにマイナス圏に転落し、一時157円安の3万9520円96銭まで下落する場面がありました。売り買いが交錯する中、一進一退の動きが続きましたが、後場には一時245円高まで上昇しました。これは、世界最大の半導体製造装置サプライヤーである**ASML
市場関係者からは、参院選への関心が複数聞かれました。与党の過半数割れを見通す国内メディアの報道が相次ぐ中で、「政権の枠組みがどうなるか不透明感が強い上、拡張的な財政政策に対する思惑で超長期金利が上昇し、日本株の上値を抑えている」(外資証券アナリスト)との声が聞かれました。
いちよし証券の投資情報部・銘柄情報課課長、及川敬司氏は、今月下旬から本格化する決算発表を手掛かりに相場の方向感が出やすいと指摘しました。「関税の影響を企業がどのように織り込んでくるかが焦点で、業績見通しの下方修正が多ければ下押し圧力がかかりそうだ」(及川氏)と述べました。
**TOPIXは0.21%安の2819円40銭で取引を終了。**プライム市場指数は0.21%安の1451ポイントでした。東証プライム市場の売買代金は4兆3945億2400万円でした。東証33業種では、その他製品、情報・通信、食料品など8業種が値上がり。不動産、パルプ・紙、証券、商品先物取引など25業種は値下がりしました。
新興株式市場では、東証グロース市場250指数が0.46%高の734円74銭と、小幅に反発しました。
個別では、前日に業績見通しの上方修正を発表した東宝<9602.T>が10%超高と大幅上昇しました。**アサヒグループホールディングス<2502.T>やイオン<8267.T>**も堅調でした。一方、**東京建物<8804.T>や東急不動産ホールディングス<3289.T>**は値下がりしました。
指数寄与度の大きい東京エレクトロン<8035.T>は1%超高。**アドバンテスト<6857.T>**は小幅高、**ソフトバンクグループ<9984.T>**は小幅安でした。
プライム市場の騰落数は、値上がり568銘柄(34%)に対し、値下がりが994銘柄(61%)、変わらずが64銘柄(3%)でした。
終値詳細
R7.7.17 東京株式市場・大引け=反発、主力株しっかり TSMC決算で半導体株が下げ渋る
[東京 17日 ロイター] – **東京株式市場で日経平均は、前営業日比237円79銭高の3万9901円19銭と、反発して取引を終えました。**主力株の一部が堅調に推移し相場を押し上げたほか、半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の堅調な決算内容を受けて半導体関連銘柄に買い戻しが入り、指数を下支えしました。日経平均は一時250円近く値上がりしました。
日経平均は前営業日比171円安と軟調にスタートした後、下げ幅を縮小し、後場にはプラスに転換しました。指数寄与度の大きい銘柄の一部が堅調に推移し相場を支えたほか、TSMCの決算が伝わると半導体株が買い戻されて下げ幅を縮小し、指数を下支えしました。日経平均は後場終盤に一時、247円高の3万9910円96銭まで上昇しました。
TSMCが17日発表した第2・四半期決算は、純利益が60.7%急増し過去最高を記録しました。市場予想を大幅に上回る結果となりましたが、米国の関税措置と台湾ドル高が今後の見通しに影を落とす可能性があります。
市場では「参議院選挙、金利動向、関税交渉など、この先どうなるか分からない材料が多く、相場の膠着感は強い状況」(山和証券の調査部部長・志田憲太郎氏)との声が聞かれました。目先については企業の決算発表が注目されるとし、関税交渉の進展が見えない中で業績の下方修正が相次げば「日経平均は下方向を試す動きになるだろう」(志田氏)との指摘がありました。一方、海外勢の買いが続いているほか、企業の自社株買いが活発で需給環境は良好であり、下値の堅さも意識されやすいとのことです。
**TOPIXは0.72%高の2839円81銭で取引を終了。**プライム市場指数は0.72%高の1461円50銭でした。東証プライム市場の売買代金は4兆0981億5200万円でした。東証33業種では、その他製品、サービス、医薬品など26業種が値上がり。鉱業、鉄鋼、石油・石炭製品など7業種は値下がりしました。
新興株式市場では、グロース250指数が1.77%高の747円74銭と続伸しました。
個別では、指数寄与度の大きい**東京エレクトロン<8035.T>**が小幅安、**ソフトバンクグループ<9984.T>**が2%超高でした。**アドバンテスト<6857.T>**は小幅安、**レーザーテック<6920.T>**は4%超安でした。
**セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>**は9%超安と大幅下落しました。カナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタール
ソニーグループ<6758.T>、任天堂<7974.T>、**バンダイナムコホールディングス<7832.T>**は買われました。
プライム市場の騰落数は、値上がり1172銘柄(72%)に対し、値下がりが374銘柄(23%)、変わらずが78銘柄(4%)でした。
終値詳細
R7.7.18 東京株式市場・大引け=小反落、朝高後は参院選を前に持ち高調整
[東京 18日 ロイター] – **東京株式市場で日経平均は、前営業日比82円08銭安の3万9819円11銭と小幅に反落して取引を終えました。**朝方は前日の米株高を好感した買いが先行し一時4万円を回復しましたが、その後は、参院選や3連休を控えて持ち高調整の売りが優勢となりました。
日経平均は寄り付きで心理的節目の4万円を回復し、一時186円高の4万0087円59銭に上値を伸ばしました。しかし、次第に売りが優勢になり、上昇の勢いは長続きしませんでした。情報・通信や食料品などディフェンシブ色の強い銘柄群が物色され、リスク回避的な動きも意識されました。日経平均は一時155円安に下落しました。
このところ半導体関連株が日経平均の押し上げに寄与していましたが、前日に決算を発表した**ディスコ<6146.T>**が、7─9月期の利益見通しが市場の期待に届かず大幅安となり、**アドバンテスト<6857.T>**などほかの関連株にも利益確定売りが波及しました。
国内メディア各社による参院選の情勢調査で与党の苦戦が伝わっていますが、「仮に(与党が)負けたとしても、必ずしも株価にネガティブなわけではない」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員)との声が出ていました。景気刺激策への期待があるほか、「変化」に対する期待が生じる可能性があるとの見方が市場では聞かれました。
一方、春先の急落後の日経平均の上昇を牽引してきた海外勢は夏休み前でポジションを調整するタイミングでもあり、「(株価の)発射台が高い水準まで来ていることもあって、結果にかかわらず利益確定売りの材料になる可能性も否定できない」(大西氏)との見方もあります。
**TOPIXは0.19%安の2834円48銭で取引を終えました。**東証プライム市場指数は前営業日比0.19%安の1458円78銭でした。プライム市場の売買代金は4兆0045億5900万円でした。東証33業種では、値上がりは情報・通信や証券、非鉄金属など11業種、値下がりは不動産や空運、パルプ・紙など22業種でした。
**ソフトバンクグループ<9984.T>**が年初来高値を更新、**北海道電力<9509.T>は堅調でした。アクティビストによる大量保有が判明したノリタケ<5331.T>は年初来高値を更新しました。一方、取引時間中に決算を発表した東京製鉄<5423.T>**は軟調。**セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>**はさえませんでした。
スタンダード市場に新規上場した**みのや<386A.T>**の初値は、公開価格を64.3%上回る2531円でした。その後、初値を下回る2523円で取引を終えました。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.29%安の738円11銭と反落しました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが543銘柄(33%)、値下がりは1037銘柄(63%)、変わらずは44銘柄(2%)でした。
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