東京ロイター

日経平均は戻りを試す、米関税巡る協議の進展が焦点=今週の東京株式市場
[東京 12日 ロイター] – 今週の東京株式市場で日経平均は、戻りを試すと想定されている。米英による貿易合意の流れが、米国と他国との協議に波及するかが焦点とみられている。リスクオフが後退するようなら、ドル/円の上昇を経由した株価押し上げも見込まれる。とりわけ週末に開催された米中高官協議への関心が高く、進展が確認されれば株価も上値を試す機運が高まりやすいとみられている。
日経平均の予想レンジは3万7000円─3万8500円。
市場では「英国以外の国との合意が伝わるようなら、米株が上値を試す可能性がある。日経平均もつれ高になり得る」(みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリスト)との見方が聞かれる。足元の日本株は、米株次第の側面が強い状況が続いている。
目先で焦点となるのは米中高官協議の結果だ。これまでのところ、経済・貿易を協議する枠組みを設けることで一致したことが伝わっているが、詳細の発表は12日とされている。週初は「協議進展への期待で3万8000円をつっかける場面があるかもしれないが、その水準では戻り売りによって上値は抑えられやすい」(みずほの三浦氏)という。協議に先立ってトランプ米大統領は「極めて友好的なものになる」との見方を示していた。
一方、日米交渉には打開の糸口がみられていない。そのことが日本株の重しになり、米株に対してパフォーマンスが見劣りする可能性がある。テクニカル面からは、日経平均は3万8000円に近付くと短期的な過熱感が強まりやすいともみられている。
米国では4月の消費者物価指数(CPI、13日)や小売売上高(15日)などの重要指標の発表が予定され、高関税の悪影響が生じていないかに関心が寄せられている。「悪い数字なら株価の上値が抑えられやすい」(国内証券のアナリスト)とみられており、目配りが必要になる。
R7.5.12 東京株式市場・大引け=日経平均は3日続伸、米中貿易協議の進展を期待 円安なども好感
[東京 12日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比140円93銭高の3万7644円26銭と3日続伸して取引を終えた。
米中貿易協議の進展への期待感が支援材料となったほか、円安や時間外取引で米株先物が堅調に推移したことが好感された。
高値警戒感が広がり一時は伸び悩んだが、好地合いを継続した。
週明けの東京市場は、主力銘柄を中心に幅広く物色された。
前週末の米株市場で、米英間の貿易協定合意を受けて米中貿易協議を巡る楽観的な見方が広がった流れを引き継いだ。
協議の詳細発表は12日とされ内容を見極めたいムードもあるが、国内でも企業の株主還元の強化など相場を支えやすい材料もあり、堅調な地合いが継続した。
時間外取引で米株先物がしっかりで推移したほか、円安に振れ気味の為替相場も好感された。
ドル/円は146円前半まで上昇し、約1カ月ぶり高値を更新。輸出関連株への追い風となった。
一方、テクニカル面では警戒感があり、心理的節目の3万8000円が意識されている。
市場では「各種テクニカル指標は買われ過ぎのサインが点灯。前週末までの日経平均で3200円幅となっていることに対して警戒感が強まりそうだ」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)との声が聞かれた。
TOPIXは0.31%高の2742.08ポイントで取引を終えた。
東証プライム市場指数は前営業日比0.32%高の1411.15ポイントだった。
プライム市場の売買代金は4兆8542億6400万円だった。
東証33業種では、値上がりは倉庫・運輸関連業、証券・商品先物取引業、海運業など25業種、値下がりは医薬品、サービス業など8業種だった。
医薬品<.IPHAM.T>は6.48%急落。トランプ米大統領は11日、処方薬の価格を他の高所得国並みに引き下げる大統領令に署名する方針を示した。
個別では、トヨタ自動車<7203.T>、ソニーグループ<6758.T>など主力株に上昇する銘柄が目立った。
ファーストリテイリング<9983.T>は軟調、ディー・エヌ・エー<2432.T>は大幅安。日本製鉄<5401.T>もさえない。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.67%高の688.86ポイントと、上昇した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1116銘柄(68%)、値下がりは476銘柄(29%)、変わらずは42銘柄(2%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 37644.26 +140.93 37697.28 37,417.39─37,726.44
TOPIX 2742.08 +8.59 2745.23 2,724.94─2,747.93
プライム指数 1411.15 +4.44 1412.78 1,402.46─1,414.16
スタンダード指数 1299.26 +6.55 1294.44 1,293.89─1,300.38
グロース指数 878.30 +5.67 875.95 871.48─880.10
グロース250指数 688.86 +4.60 687.07 682.93─690.61
東証出来高(万株) 215238 東証売買代金(億円) 48542.64

R7.5.13 東京株式市場・大引け=3万8000円回復、米中摩擦懸念後退 買い一巡後は伸び悩む
[東京 13日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は4日続伸し、3月26日以来となる3万8000円台を回復して取引を終えた。
米中の関税引き下げ合意を受け、前日の米国株が大幅上昇した流れを引き継ぎ、しっかりした展開となった。
半導体や中国関連株に買い戻しが入る一方、高値では戻り待ちの売りも出て、買い一巡後は伸び悩んだ。
日経平均は前営業日比505円高でスタートした後、朝方に一時849円高の3万8494円06銭の高値を付けた。
指数寄与度の大きい半導体関連株が堅調だったほか、為替の円安進行を受けて輸出株が堅調に推移した。
一方、上昇一服後は伸び悩む展開となり、後場後半は3万8200円台を中心に一進一退の動きとなった。
朝方に148円前半で推移していたドルが147円台後半へと小幅に下落したことも重しとなり、前営業日比539円高の3万8138円26銭で引けた。
セクター別では、海運や銀行、医薬品など足元で売りが先行していた業種を中心に買い戻された。
決算発表や株主還元策を手掛かりにした物色も活発となった。
市場では「関税の影響で業績予想を開示しない企業が増えるのではないかと危惧していたが、実際は予想を示す企業が多く安心感はある」(国内証券・アナリスト)との声が聞かれた。
企業の自社株買いも株価を支えやすい環境だという。
日経平均は米中の貿易協議の進展を支えに大幅上昇し、関税発動前に長らくもみ合った3万8000円―4万円のレンジまで戻している。
ただ、目先については「戻り待ちの売りが出やすいほか、今後は米金利動向にも注意が必要」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー・浪岡宏氏)との声が聞かれた。
浪岡氏は、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを急がなくなるとみられるとして、「米金利の高止まりが続けば米株の上値が抑えられやすく、日本株もグロース株は厳しくなるかもしれない」と話した。
TOPIXは1.1%高の2772.14ポイントで取引を終了。
プライム市場指数は1.1%高の1426.64ポイントだった。
東証プライム市場の売買代金は6兆0169億4900万円だった。
東証33業種では、海運、医薬品、倉庫・運輸関連など19業種が値上がり。水産・農林、建設、石油・石炭製品など14業種は値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.14%高の696.68ポイントだった。
個別では、古河電気工業<5801.T>が13%超高と大幅上昇。
自社株買いを発表した三菱ケミカルグループ<4188.T>、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242.T>、スズケン<9987.T>が買われた。
一方、米中の関税引き下げ合意が好感され中国関連銘柄が買われ、ファナック<6954.T>、コマツ<6301.T>が堅調だった。
半導体関連株も上昇し、東京エレクトロン<8035.T>、ソシオネクスト<6526.T>が4%超高だった。
三菱自動車工業<7211.T>は8%超高、トヨタ自動車<7203.T>は3%超高だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり734銘柄(44%)に対し、値下がりが849銘柄(51%)、変わらずが50銘柄(3%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 38183.26 +539.00 38149.53 38,124.20─38,494.06
TOPIX 2772.14 +30.06 2774.53 2,772.13─2,794.96
プライム市場指数 1426.64 +15.49 1427.85 1,426.64─1,438.03
スタンダード市場指数 1300.26 +1.00 1306.70 1,299.51─1,306.89
グロース市場指数 887.66 +9.36 885.88 880.53─889.06
グロース250指数 696.68 +7.82 695.07 690.37─697.85
東証出来高(万株) 249172 東証売買代金(億円) 60169.49
R7.5.14 東京株式市場・大引け=5日ぶり反落、利益確定売り TOPIX14日ぶり下落
[東京 14日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比55円13銭安の3万8128円13銭と5日ぶりに反落して取引を終えた。
朝方は高く始まったが、前日までの4連騰を経て過熱感も意識され、徐々に利益確定売りが優勢となった。
為替の円安が一服し、輸出株を中心に投資家心理の重しになった。TOPIXは14日ぶりの反落となった。
日経平均は小高く始まり、一時142円高に上値を伸ばした。
前日の米国市場でハイテク株高となる中、国内の関連株に買いが先行した。
一方、ドル/円が147円付近に水準を切り下げたことが嫌気され、自動車などの輸出関連株を中心に軟調だった。
買い一巡後、日経平均はマイナスに転じて一時331円安の3万7851円80銭に下げ幅を拡大した。
前日までの4連騰で1400円上昇しており、利益確定売りが強まった。
ただ、市場では「売る理由があって売っているのではないだろう。テクニカル的にやや過熱気味なことから、利益の乗った銘柄をいったん外す動きが出た程度ではないか」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャー)との声が聞かれた。
25日移動平均線からの乖離率や、プライム市場の騰落レシオが過熱感を示唆している。
後場には、時間外取引の米株先物の底堅い動きが下支えになって、日経平均は下げ渋った。
企業決算は終盤になってきており、この先は材料不足が見込まれ「いったん日柄調整の局面に入ってくいくのではないか」(しんきんAMの藤原氏)との見方があった。
TOPIXは0.32%安の2763.29ポイントで取引を終えた。
東証プライム市場指数は前営業日比0.32%安の1422.12ポイントだった。
プライム市場の売買代金は5兆4483億8100万円と膨らんだ。
東証33業種では、値上がりは銀行や証券、鉱業など14業種、値下がりは輸送用機器や医薬品、精密機器など19業種だった。
アドバンテスト<6857.T>など半導体関連株は総じて堅調。
決算や自社株買いを発表したソニーグループ<6758.T>は大幅高となった。
ソフトバンクグループ<9984.T>は前日に発表した決算が好感された。
一方、トヨタ自動車<7203.T>や第一三共<4568.T>は大幅安。ファーストリテイリング<9983.T>は軟調だった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.53%高の700.39ポイントと4日続伸した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが570銘柄(34%)、値下がりは1033銘柄(63%)、変わらずが30銘柄(1%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 38128.13 -55.13 38199.03 37,851.80─38,325.88
TOPIX 2763.29 -8.85 2769.56 2,736.30─2,772.53
プライム指数 1422.12 -4.52 1426.52 1,408.21─1,426.88
スタンダード指数 1301.55 +1.29 1300.29 1,294.45─1,303.15
グロース指数 892.55 +4.89 886.87 882.62─892.62
グロース250指数 700.39 +3.71 695.90 692.05─700.50
東証出来高(万株) 226098 東証売買代金(億円) 54483.81
R7.5.15 東京株式市場・大引け=続落、利益確定売り継続 円高も重し
[東京 15日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比372円62銭安の3万7755円51銭と、続落して取引を終えた。
短期間で急上昇した反動で利益確定売りが続き、軟調な展開となった。一時、500円近く値下がりする場面もあった。
前日の取引時間中に比べて為替が円高に振れたことも相場の重しとなった。
日経平均は前営業日比295円安と軟調にスタートした後、下げ幅を拡大し、後場前半に一時494円安の3万7633円36銭で安値を付けた。
前日の15時時点に147円近辺で推移していたドルは、足元146円近辺で取引されており、自動車株が軟調に推移した。
プライム市場では6割超の銘柄が下落し、弱い地合いだった一方、個別材料を手掛かりにした物色もみられた。
後場後半にかけてはもみ合う展開となり、3万7800円を挟んだ値動きとなった。
市場では「日経平均は3万1000円割れから約1カ月で3万8000円台まで水準を戻したので、利益確定売りが出てしまうのは仕方がない」(三菱UFJeスマート証券のチーフストラテジスト・河合達憲氏)との声が聞かれた。
河合氏は「4月初旬に急落した際の投資家心理を踏まえると、足元の水準から新規の買いを入れる投資家は多くないとみられ、目先は上値の重さが意識されそうだ」と話している。
TOPIXは0.88%安の2738.96ポイントで取引を終了。
プライム市場指数は0.88%安の1409.57ポイントだった。
東証プライム市場の売買代金は4兆7778億6500万円だった。
東証33業種では、海運、陸運、繊維製品など9業種が値上がり。輸送用機器、その他製品、証券、商品先物取引など24業種が値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.18%高の708.64ポイントと、5日続伸した。
個別では、主力のトヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>が3%超安、SUBARU<7270.T>が4%超安だった。
前日に発表した決算が嫌気され、楽天グループ<4755.T>は8%超安と大幅下落。
一方、太陽誘電<6976.T>、京成電鉄<9009.T>は大幅高となった。
指数寄与度の大きい東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>は小幅安。
ファーストリテイリング<9983.T>は1%超安だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり489銘柄(29%)に対し、値下がりが1098銘柄(67%)、変わらずが46銘柄(2%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 37755.51 -372.62 37832.36 37,633.36─37,876.84
TOPIX 2738.96 -24.33 2747.71 2,731.54─2,750.97
プライム市場指数 1409.57 -12.55 1413.73 1,405.82─1,415.63
スタンダード市場指数 1291.44 -10.11 1297.03 1,288.91─1,297.13
グロース市場指数 900.99 +8.44 888.94 888.94─901.94
グロース250指数 708.64 +8.25 697.43 697.43─709.09
東証出来高(万株) 202594 東証売買代金(億円) 47778.65
R7.5.16 東京株式市場・大引け=小幅に3日続落、過熱感を警戒 押し目買い支えに底堅さも
[東京 16日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比1円79銭安の3万7753円72銭と小幅に3日続落して取引を終えた。
短期的な過熱感が警戒される中、朝方は為替が円高に振れたことを嫌気して利益確定売りが優勢となった。
一方、下値では押し目買いが支えになった。後場にはプラスに転じる場面もあり、前日終値を挟んだ一進一退に移行した。
日経平均は小安く始まった後も、一時276円安に下げ幅を拡大した。
ドル/円が朝方から水準を切り下げ、一時145円を割り込む動きとなる中で売りが強まった。
米国市場でのハイテク株安を受けて半導体関連株が軟調だったことが指数の重しになったほか、朝方に発表された1─3月期の国内総生産(GDP)速報値が4四半期ぶりのマイナスとなったことも嫌気された。
テクニカル面から示唆される相場の過熱感が意識されたこともあり、利益確定売りが優勢になりやすかった。
市場では「外部環境が不透明な中でPER(株価収益率)は16倍と高く、積極的に買える環境ではない」(三木証券の北沢淳商品部投資情報課次長)との声が聞かれた。
一方、後場にかけて円高が一服すると、日経平均は下げ幅を縮小しプラスに転じる場面もあった。
4月の急落からの戻り相場に乗り遅れた投資家による押し目買いが入ったとの見方が聞かれた。
TOPIXは0.05%高の2740.45ポイントで取引を終えた。
東証プライム市場指数は前営業日比0.05%高の1410.29ポイントだった。
プライム市場の売買代金は4兆4706億8900万円だった。
東証33業種では、値上がりは繊維製品や海運、金属製品など21業種、値下がりはサービスや鉱業、電気機器など12業種だった。
東京エレクトロン<8035.T>やリクルートホールディングス<6098.T>、みずほFG<8411.T>が軟調だった一方、三菱電機<6503.T>や三菱重工業<7011.T>、第一三共<4568.T>はしっかりだった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.73%高の713.84ポイントと、6日続伸し1年1か月ぶり高値を付けた。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが858銘柄(52%)、値下がりは705銘柄(43%)、変わらずは69銘柄(4%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 37753.72 -1.79 37748.58 37,479.21─37,786.43
TOPIX 2740.45 +1.49 2745.51 2,724.61─2,746.07
プライム指数 1410.29 +0.72 1412.34 1,402.18─1,413.18
スタンダード指数 1300.15 +8.71 1293.43 1,290.31─1,301.20
グロース指数 908.57 +7.58 902.40 901.00─911.75
グロース250指数 713.84 +5.20 709.82 708.61─717.19
東証出来高(万株) 195178 東証売買代金(億円) 44706.89
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