東京ロイター

横ばい圏、決算一巡で手掛かり難 企業業績は支え=今週の東京株式市場
[東京 17日 ロイター] – 今週の東京株式市場で日経平均は、3万9000円を挟んで横ばい圏で推移する見通し。企業の決算発表が一巡し材料が少なくなる中で、積極的に上値を追う動きは限定的となりそうだが、底堅い業績が相場を支えるとみられている。目先はアナリスト予想の修正に市場参加者の関心が向かいやすいという。一方、米国の関税政策を巡る警戒感はくすぶっており、相場の重しとなりそうだ。
日経平均の予想レンジは3万8600円―3万9600円。
国内企業の決算について市場では、「比較的良好で日経平均のEPS(1株当たり純利益)は切り上がってきている」(国内証券・ストラテジスト)との声が聞かれる。底堅い業績を背景に日本株は下値を支えられそうだ。野村証券のストラテジスト・澤田麻希氏は「これからはアナリスト予想の修正に市場の関心が向かい、上方修正が多ければ投資家心理が改善されやすい」とみている。また、テクニカル面では日経平均が75日移動平均線や25日線を回復してきており、節目の移動平均線が下値支持線となるかが焦点になりそうだ。
物色動向としては、「出遅れ感のある銘柄に見直し買いが入りやすく、大型株よりは中小型や新興株に資金が向かいやすいのではないか」(別の国内証券・ストラテジスト)との声が聞かれた。
ただ、トランプ米大統領の関税政策に関する発言に一喜一憂するムードは続くとみられる。トランプ氏は14日、米国が輸入する自動車に対して4月2日ごろ関税を課す考えを明らかにし[nL6N3P6001]、自動車株は神経質な動きとなりそうだ。こうした関税強化の動きが続けば「(日経平均は)3万9000円を割り込む場面もあるだろう」(野村証券・澤田氏)という。
為替相場の動きも注目される。今週は19日に日銀の高田創審議委員が宮城県金融経済懇談であいさつを行う予定で、タカ派的なコメントが出てドル/円相場が円高に振れた場合は、輸出株などを中心に売りが出るとみられている。
R7.2.17 東京株式市場・大引け=日経平均は反発、材料難から方向性を欠き小動き
[東京 17日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比24円82銭高の3万9714円25銭と反発して取引を終えた。米国の関税政策への警戒感や為替の円高方向の動きから輸出株を中心に売られ、序盤に一時128円20銭安の3万9021円23銭まで下落。その後は好業績銘柄への物色下支えとなり堅調に推移したが、材料難から方向性を欠き大引けまで小動きに終始した。
朝方発表の2024年10─12月期の国内総生産(GDP)速報値が市場予想を上振れ、国内金利が上昇しドル/円が円高方向の動きとなったため、自動車など輸出関連株が売られ軟調な取引で始まった。その後は模様眺めとなり、一進一退の展開。米国株式市場がプレジデント・デーで休場であることも見送り要因となった。
市場では「前週で決算発表シーズンが一巡したことで、目に見えるわかりやすい手がかり材料がなくなり、動きにくくなった」(SBI証券・投資調査部長の鈴木英之氏)との指摘もあった。
日経平均は25日移動平均線を若干上回る水準にあることを踏まえ「テクニカル面でも、長く続く3万8000円─4万円のレンジの真ん中で推移しているため、投資家も動きが取りにくい」(国内証券ストラテジスト)という。
TOPIXは0.28%高の2766.90ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.28%高の1424.19ポイントだった。プライム市場の売買代金は3兆8258億4600万円だった。
個別では、指数寄与度の大きいソフトバンクグループ<9984.T>、ファーストリテイリング<9983.T>がしっかり。東京エレクトロン<8035.T>、トヨタ自動車<7203.T>はさえない。
東証33業種では、値上がりはゴム製品、石油・石炭製品、その他製品など17業種、値下がりは鉱業、精密機器、輸送用機器など16業種だった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.65%高の681.46ポイントと、上昇した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが589銘柄(35%)、値下がりは1000銘柄(60%)、変わらずは51銘柄(3%)だった。

R7.2.18 東京株式市場・大引け=小幅続伸、円安が支援 一巡後は伸び悩み
[東京 18日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比96円15銭高の3万9270円40銭と、小幅に続伸して取引を終えた。外為市場でドル/円が円安方向に振れたことが投資家心理を支え、日経平均は一時300円超高となる場面があった。輸出株が上昇したほか、前日の欧州市場の流れを受けて防衛関連もしっかり。国内金利の上昇に伴い金融株も物色された。終盤にかけては伸び悩み、指数は小動きが続いた。
日経平均は前営業日比13円高と小高くスタートした後、一時小幅安に転じたがすぐにプラス圏に浮上した。前日の欧州市場で防衛関連株が堅調だった流れで、関連株が大幅上昇した。後場に入ると円安進行が好感され日経平均は上げ幅を拡大、334円高の3万9508円55銭で高値を付けた。ただ、取引終盤にかけては上げ幅を縮小し、3万9300円台を軸に小動きとなった。
円債市場では、新発10年国債利回り(長期金利)は同4.5ベーシスポイント(bp)上昇の1.430%と、2009年11月以来の高水準を更新。これを受けて銀行株が買われたほか、保険株が一時強含んだ。
市場では「為替の円高が一服したことが株価の支えとなったが、上値を追う動きは限定的」(GCIアセットマネジメント・ポートフォリオマネージャー、池田隆政)との指摘が聞かれた。日銀の追加利上げ観測がくすぶる中で円高が進むリスクもあり、積極的に買いづらい状況だという。一方、「好決算を発表した企業の中には継続して資金が流入している銘柄もあり、個別物色が指数を下支えしそうだ」(池田氏)とみられている。
TOPIXは0.31%高の2775.51ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.31%高の1428.65ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は4兆3533億9300万円だった。東証33業種では、銀行、電気・ガス、空運など18業種が値上がり。ゴム製品、水産・農林、小売など15業種は値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.82%高の687.04ポイントと、続伸した。
個別では、IHI<7013.T>が6%超高、川崎重工業<7012.T>が4%超高、三菱重工業<7011.T>が2%超高だった。主力のトヨタ自動車<7203.T>は1%超高、三菱自動車工業<7211.T>は6%超高。日産自動車<7201.T>は3%超高。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が17日、関係者の話として、ホンダ<7267.T>は日産自の内田誠社長が退任すれば両社の経営統合交渉を再開する意向だと報じ、手掛かりになった。
金融株ではりそなホールディングス<8308.T>が3%超高、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>が1%超高。SOMPOホールディングス<8630.T>は3%高だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり930銘柄(56%)に対し、値下がりが664銘柄(40%)、変わらずが46銘柄(2%)だった。
R7.2.19 東京株式市場・大引け=3日ぶり反落、トランプ関税や日銀警戒が継続
[東京 19日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比105円79銭安の3万9164円61銭と3日ぶりに反落して取引を終えた。トランプ米大統領が自動車関税の税率が25%程度になると述べたことが警戒され、関連株を中心に売られた。取引時間中に日銀の高田創審議委員の発言が伝わり、為替が円高に振れた場面では節目の3万9000円をわずかながら割り込んだ。一方、売り買いともに決め手を欠き、午後には小安い水準での小動きとなった。
日経平均は前営業日比39円安でスタートと、売りが先行した。トランプ米大統領が18日、米国に輸入される自動車に25%程度、半導体と医薬品に対しても同程度の関税を課す考えを示したことが伝わり、自動車や医薬品など名指しされたセクターが弱かった。市場では「米高関税や日銀の追加利上げへの警戒感は根強い。4万円に上昇して定着する手掛かりをつかめない状況が続いている」(三木証券の北沢淳商品部投資情報グループ次長)との声が聞かれた。
前場の中盤に日銀の高田審議委員の講演での発言が伝わると、ドル/円が151円後半へ水準を切り下げ、日経平均は一時275円安の3万8994円70銭に下げ幅を拡大した。高田委員は、前向きな企業行動の持続性が引き続き確認されて見通しが実現していけば「一段のギアシフトを進める局面だ」とし、利上げを継続していく姿勢を示した。
もっとも、日経平均は売り一巡後に下げ幅を縮めた。午後にあった高田審議委員の記者会見は「総じて想定内といえる。日銀警戒はくすぶるが、過度な警戒感はひとまず緩和した」(三木証券の北沢氏)との見方があった。
TOPIXは0.3%安の2767.25ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.3%安の1424.36ポイントだった。プライム市場の売買代金は4兆5866億0700万円だった。東証33業種では、値上がりはパルプ・紙や金属製品、その他製品など16業種、値下がりは精密機器や医薬品、卸売など17業種だった。
トヨタ自動車<7203.T>や第一三共<4568.T>は軟調。富士フイルムホールディングス<4901.T>はさえなかった。朝方に昨年来安値を更新した資生堂<4911.T>は、後場に英国の投資会社による大量保有が伝わると急伸し13%高となった。任天堂<7974.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>は昨年来高値を更新した。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.28%安の685.12ポイントと3日ぶりに反落した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが596銘柄(36%)、値下がりは994銘柄(60%)、変わらずは50銘柄(3%)だった。
R7.2.20 東京株式市場・大引け=大幅続落、一時700円近く下落 円高を嫌気
[東京 20日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比486円57銭安の3万8678円04銭と続落して取引を終えた。為替市場で円高が進んだこ
とが嫌気され、幅広い銘柄で売りが優勢となった。後場には一時700円近く下げる場面もあった。
日経平均は、前営業日比221円安と軟調にスタートした。取引時間中にドルが150円前半まで下落するなど円買い圧力が強まり、日経平均も次第に下げ幅を拡大。後場序
盤に一時695円安の3万8468円72銭まで下落した。市場では「米国の関税政策は不透明感が高く、リスク回避のムードが相場の重しとなっている」(外資証券・アナリスト)との指摘が聞かれた。
売りが一服した後は下げ幅を縮小し、大引けにかけては3万8600円台を軸にもみ合った。日経平均の中心的なレンジである3万8000円―4万円の下限にやや近付き、
押し目買いも入りやすいとの見方があった。
市場では「先物主導で売りが強まり、値がさ株が下落したことが指数を押し下げた」(東海東京インテリジェンス・ラボのシニアアナリスト、澤田遼太郎氏)との声が聞かれ
た。関税政策を巡る不透明感から外需株を手掛けにくい流れは継続し、日経平均は横ばい圏での推移が続きやすいという。
日銀の植田和男総裁は20日昼過ぎ、石破茂首相と官邸で会談し金融・経済動向について意見交換した。上昇傾向にある長期金利に関しては「話はしていない」という。澤田氏は「足元の金利上昇を容認しているとも受け取れ、先々の金利高に対する警戒感がやや強まった」とみている。
TOPIXは1.18%安の2734.60ポイントで取引を終了。プライム市場指数は1.18%安の1407.56ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は4兆
4888億4800万円だった。東証33業種では、鉱業、石油・石炭製品、空運など5業種が値上がり。建設、その他製品、非鉄金属など28業種は値下がりした。
きょうグロース市場に新規上場したフライヤー<323A.T>は公開価格を73.23%上回る1178円で初値を付け、一時1185円まで上昇。932円で取引を終えた。
個別では、指数寄与度の大きい銘柄の一角が軟調でファーストリテイリング<9983.T>が1%超安、ソフトバンクグループ<9984.T>が2%安、東京エレクトロン<8035.T>が3%超安だった。主力のトヨタ自動車<7203.T>が1%超安、日野自動車<7205.T>が5%超安、SUBARU<7270.T>が4%超安、日産自動車<7201.T>が2%超安と自動車株も値下がり。
一方、一部のハイテク銘柄は堅調で、ルネサスエレクトロニクス<6723.T>が4%超高、ソシオネクスト<6526.T>が3%超高となった。前場に中期経営計画を発表したスズキ<7269.T>は1%超高だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり249銘柄(15%)に対し、値下がりが1344銘柄(81%)、変わらずが47銘柄(2%)だった。
R7.2.21 東京株式市場・大引け=小反発、為替動向に左右 連休控え次第にもみ合い
[東京 21日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比98円90銭高の3万8776円94銭と、小幅に反発して取引を終えた。ドル/円の円高基調を嫌気し日経平均は一時200円超値下がりしたが、円高が一服すると買い優勢の展開となるなど、為替動向に左右された。国内の3連休を控えて手掛けにくさも意識され、後場後半にかけてはもみ合う展開が続いた。
日経平均は前営業日比154円安でスタートした後、下げ幅を拡大し前場中盤に221円安の3万8456円53銭で安値を付けた。円高を嫌気して売りが優勢となったが、日銀の植田和男総裁が衆院予算委員会で、長期金利が急激に上昇すれば「機動的に国債買い入れ増額等を実施する」と発言すると、ドル/円相場が円安方向に振れ、日本株にも買い戻しが入った。
市場では「為替が神経質な動きとなっており、日本株はドル/円に左右されやすい状況が続きそうだ」(国内証券・ストラテジスト)との声が聞かれた。植田総裁の発言については、日銀のタカ派化懸念が強まっていただけに警戒感がやや和らいだという。
後場に入ると連休を控えて積極的な取引は手控えられ、大引けにかけては3万8700円台を軸に一進一退となった。一方、個別材料を手掛かりにした物色は活発だった。
いちよし証券の投資情報部・銘柄情報課課長、及川敬司氏は「日銀の利上げ観測による為替の円高リスクで上値は重く、日経平均の方向感は出にくくなっている」と指摘する。米国の関税政策の不透明感も重しとなり外需株は手掛けにくいが、「企業業績は底堅い
ので日経平均がレンジを下抜ける可能性は低く、横ばい圏が続きそうだ」(及川氏)とみている。
TOPIXは0.07%高の2736.53ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.07%高の1408.53ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は4兆3160億0500万円だった。東証33業種では、医薬品、ゴム製品、保険など19業
種が値上がり。非鉄金属、海運、精密機器など14業種は値下がり。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.46%安の680.22ポイントと、3日続落した。
きょうグロース市場に新規上場したブッキングリゾート<324A.T>は公開価格を25%上回る1550円で初値を付け、ストップ高の1950円で取引を終えた。
個別では、日産自動車<7201.T>が後場急騰し9%超高。日本の元首相を含むグループが米テスラ<TSLA.O>による同社への出資計画を策定したと、英紙フィナンシャル・タイムズが報じ、手掛かりとなった。前日に旧上ファンド系の投資会社による大量保有が明らかになった京浜急行電鉄<9006.T>は朝高後マイナス転換し6%安だった。
良品計画<7453.T>が5%超高で堅調、中外製薬<4519.T>は4%超高だった。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>は1%超安、ソフトバンクグループ<9984.T>は小幅安だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり556銘柄(33%)に対し、値下がりが1031銘柄(62%)、変わらずが53銘柄(3%)だった。
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