東京ロイター
弱含み、AI株調整に警戒 ソフトバンクG決算に注目=今週の東京株式市場
[東京 10日 ロイター] – 今週の東京株式市場で日経平均は、弱含みの展開が予想されている。AI(人工知能)・半導体関連株の調整が続くとみられており、日経平均は4万9000円程度まで下落するリスクがある。引き続き、米国発のハイテク株安には警戒が必要だという。一方、11日にはソフトバンクグループ<9984.T>の決算発表を控えており、決算内容と株価反応に関心が集まる。
日経平均の予想レンジは4万9000円―5万1000円。
日経平均は10月に7400円超値上がりしており、上げを主導してきたAI関連株の調整が続くかが注目される。市場では「以前のように米中摩擦や国内政治を材料に下げるリスクは低減しているものの、過熱感を意識した売りは出やすい」(国内証券・アナリスト)との指摘が聞かれる。
AI関連は指数寄与度の大きい銘柄が多いだけに、売り圧力が強まれば日経平均の下げ幅も広がりそうだ。下値メドとしては、25日移動平均線の水準に近い4万9000円程度が意識されやすいという。
一方、米国では政府機関閉鎖が続き、「実体経済や米連邦準備理事会(FRB)の政策動向が視界不良になっていることも重しとなりやすい」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー・浪岡宏氏)との声が聞かれる。米国では民間データから雇用の減速が示されたが、「悪い指標=利下げ織り込みが進む、という状況にはなっていない」(浪岡氏)という。前週末には、議会で与野党の意見対立解消に進展が見られたとの報道があったが、実際に政府封鎖が解除されるまでは不透明感が重しとなりやすいとの指摘が出ている。
国内発の悪材料は少ないが、米国発でネガティブなニュースが出ると売りが強まるとみられている。
今週はソフトバンクGのほか、三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>、マツキヨココカラ&カンパニー<3088.T>、電通グループ<4324.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>などが決算発表を行う。市場関係者の関心はソフトバンクGに集まっており、「決算後の株価反応次第で日経平均は上下ともに振れる可能性がある」(別の国内証券・ストラテジスト)との指摘があった。
R7.11.10 東京株式市場・大引け=反発、米政府閉鎖解除への期待で AI関連など上昇
[東京 10日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反発し、前営業日比635円39銭高の5万0911円76銭で取引を終えました。米政府閉鎖解除への期待で投資家心理が改善。主力株では人工知能(AI)や半導体関連株が軒並み上昇し、指数を押し上げました。好決算銘柄への物色も活発でした。
米連邦政府機関の閉鎖が40日目に突入する中、上院が再開に向けた法案を前進させる構えを示したことで株価の支えとなりました。日経平均は368円高で寄り付き、その後は伸び悩む場面もみられましたが、後場終盤で693円高の5万0969円50銭の高値をつけました。日本株のほか、時間外取引での米株先物やアジア株も底堅く推移しました。
主力株では、アドバンテスト<6857.T>、東京エレクトロン<8035.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>が2~4%超高となり、3銘柄で日経平均を450円程度押し上げました。ファーストリテイリング<9983.T>も1%超高でしっかり。一方、リクルートホールディングス<6098.T>や任天堂<7974.T>は3~4%超安となりました。
SBI証券の鈴木英之投資調査部長は「通期見通しを上方修正やコンセンサス予想を上回る決算を発表する企業が相次いでおり、強気相場が維持されている」と述べました。鈴木氏は、決算が今週ヤマ場を迎える中、11月下旬からは材料出尽くしが見込まれるため、日経平均が再び上値を追うのは12月に入ってからとの見方を示しました。
決算銘柄では、I─ne<4933.T>、TOWA<6315.T>がストップ高比例配分となったほか、メルカリ<4385.T>が18%超高、オリンパス<7733.T>が11%超高となりました。オムロン<6645.T>は9%安でした。
TOPIXは0.56%高の3317.42ポイントで取引を終了。東証プライム市場指数は0.57%高の1708.41ポイントでした。プライム市場の売買代金は6兆0801億0600万円。
東証33業種では、値上がりが石油・石炭製品、鉱業、金属製品、ガラス・土石製品など25業種、値下がりはその他製品、サービスなど8業種でした。
新興株式市場では、東証グロース市場250指数が1.7%高の712.72ポイントと、5営業日ぶりに反発しました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1227銘柄(76%)、値下がりは348銘柄(21%)、変わらずは39銘柄(2%)でした。
| 指数 | 終値 | 前日比 | 寄り付き | 安値/高値 |
|---|---|---|---|---|
| 日経平均 | 50,911.76 | +635.39 | 50,645.27 | 50,392.44─50,969.50 |
| TOPIX | 3,317.42 | +18.57 | 3,317.79 | 3,303.17─3,320.56 |
| プライム市場指数 | 1,708.41 | +9.62 | 1,708.61 | 1,701.11─1,709.96 |
| スタンダード市場指数 | 1,485.87 | +13.41 | 1,478.51 | 1,477.27─1,486.06 |
| グロース市場指数 | 927.69 | +14.50 | 918.41 | 917.35─927.77 |
| グロース250指数 | 712.72 | +11.88 | 705.02 | 704.07─712.90 |
| 東証出来高(万株) | 241,605 | |||
| 東証売買代金(億円) | 60,801.06 |
R7.11.11 東京株式市場・大引け=反落、買い一巡後に調整 ハイテク株安い
[東京 11日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は小幅に反落し、前営業日比68円83銭安の5万0842円93銭で取引を終えました。前日の米ハイテク株高の流れを引き継いで、朝方は堅調な地合いでしたが、次第に持ち高調整の売りが出て後場後半にかけては軟調な地合いとなりました。ソフトバンクグループ<9984.T>の決算発表を控え、手掛けにくさも意識されました。
日経平均は前営業日比402円高と堅調にスタートした後上げ幅を拡大し、前場前半に一時601円高の5万1513円16銭まで上昇しました。ただ、その後は上げ幅を縮小し、もみ合いが続きました。後場に入ると、一部のハイテク株が下げ幅を拡大し、300円超値下がりする場面もありました。大引けにかけては小幅安の水準で一進一退となりました。一方、企業決算を手掛かりにした物色は引き続き活発でした。
市場では「ソフトバンクGの決算で、生成AI(人工知能)需要に対する強気な発言が出てくれば、明日以降しっかりした動きになるかもしれない」(岡三証券の大下莉奈シニアストラテジスト)との声が聞かれました。大下氏はこれまで出てきた企業決算について「外需が比較的底堅いほか、内需のIT企業も業績を拡大するための投資に着手している印象で、全体的に悪くない」と指摘。目先の日本株は、EPS(1株当たり純利益)が切り上がる形でしっかりした展開が続くのではないか、という見方を示しました。
TOPIXは0.13%高の3321.58ポイントで取引を終了し、小幅ながら続伸しました。プライム市場指数は1710.74ポイントでした。東証プライム市場の売買代金は6兆7321億2700万円でした。東証33業種では、空運、電気・ガス、水産・農林など16業種が値上がり。非鉄金属、海運、陸運など17業種は値下がりしました。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.42%安の709.74ポイントと、小幅に反落しました。
個別では、この日決算を発表したソニーグループ<6758.T>や鹿島<1812.T>が大幅高となりました。一方、前日に公表した決算が嫌気され、コーセー<4922.T>は16%超安と大幅下落し、プライム市場の値下がり率第2位。資生堂<4911.T>は小幅安でした。
指数寄与度の高いソフトバンクGは1%超高。アドバンテスト<6857.T>やフジクラ<5803.T>、ディスコ<6146.T>は軟調でした。
プライム市場の騰落数は、値上がり719銘柄(44%)に対し、値下がりが830銘柄(51%)、変わらずが65銘柄(4%)でした。
| 終値 | 前日比 | 寄り付き | 安値/高値 | |
| 日経平均 | 50842.93 | -68.83 | 51314.04 | 50,581.17─51,513.16 |
| TOPIX | 3321.58 | +4.16 | 3336.44 | 3,309.70─3,343.69 |
| プライム市場指数 | 1710.74 | +2.33 | 1717.55 | 1,704.66─1,721.98 |
| スタンダード市場指数 | 1481.03 | -4.84 | 1486.55 | 1,476.39─1,486.55 |
| グロース市場指数 | 924.25 | -3.44 | 928.05 | 920.19─929.38 |
| グロース250指数 | 709.74 | -2.98 | 712.85 | 706.28─714.14 |
| 東証出来高(万株) | 242797 | 東証売買代金(億円) | 67321.27 |
日経平均は米株高を好感して一時上昇したものの、ソフトバンクGの決算を控えた持ち高調整の売りで反落しました。しかし、TOPIXは続伸しており、市場では企業の好決算を背景にEPSが切り上がり、日本株の堅調な展開が続くと期待されています。
R7.11.12 東京株式市場・大引け=反発、景気敏感株がしっかり TOPIX最高値
[東京 12日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反発し、前営業日比220円38銭高の5万1063円31銭で取引を終えました。米政府がまもなく再開するとの見方から、好影響が期待される景気敏感株を中心に買いが広がりました。取引時間中にドル高/円安が進行したことも株価の支えとなりました。決算を材料とした物色はきょうも活発でした。TOPIXは史上最高値を更新しました。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャーは「ハイテク企業の決算が一巡し、株価に過熱感がみられる中、米政府の再開で経済が活発化するとの期待が広がっており、物色がハイテク株から景気敏感株に移っている」と分析しています。
日経平均は145円高で寄り付いた後、マイナス圏に転落し300円超まで下落しましたが、再びプラス圏に浮上し、後場終盤に229円高の5万1072円26銭で日中高値を付けました。取引時間中にドル/円が一時154.70円台に乗せたことに加え、朝方軟調だったソフトバンクグループ<9984.T>の下げ幅縮小も株価の下支えに寄与しました。
決算銘柄では、三井金属<5706.T>が23%超高で上場来高値を更新したほか、日揮ホールディングス<1963.T>も11%超高で年初来高値となりました。住友不動産<8830.T>も6%超高でしっかりでした。
半面、SUMCO<3436.T>は20%超安で一時ストップ安水準まで売られました。鹿島建設<1812.T>は4%超安でした。朝方10%超下落したソフトバンクGは3%超安で引けました。
TOPIXは3日続伸し、1.14%高の3359.33ポイントで取引を終えました。史上最高値更新となりました。東証プライム市場指数は前営業日比1.14%高の1730.31ポイントでした。プライム市場の売買代金は7兆0005億9600万円でした。
東証33業種では、値上がりは非鉄金属、ゴム製品、医薬品、銀行など27業種、値下がりは金属製品、情報・通信など6業種となりました。
そのほか主力株では、TDK<6762.T>、中外製薬<4519.T>がともに4%超高、ソニーグループ<6758.T>も3%超高でしっかりでした。ファーストリテイリング<9983.T>、東京エレクトロン<8035.T>はさえませんでした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が2.48%高の727.33ポイントと、反発しました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1259銘柄(78%)、値下がりは316銘柄(19%)、変わらずは37銘柄(2%)でした。
| 終値 | 前日比 | 寄り付き | 安値/高値 | |
| 日経平均 | 51063.31 | +220.38 | 50988.53 | 50,537.50─51,072.26 |
| TOPIX | 3359.33 | +37.75 | 3336.78 | 3,333.11─3,362.43 |
| プライム市場指数 | 1730.31 | +19.57 | 1719.09 | 1,717.20─1,731.81 |
| スタンダード市場指数 | 1494.98 | +13.95 | 1480.02 | 1,479.97─1,494.98 |
| グロース市場指数 | 945.19 | +20.94 | 924.45 | 923.27─945.19 |
| グロース250指数 | 727.33 | +17.59 | 709.89 | 708.71─727.33 |
| 東証出来高(万株) | 278471 | 東証売買代金(億円) | 70005.96 |
日経平均は反発し、TOPIXは史上最高値を更新しました。市場の関心は、過熱感のあるハイテク株から、米政府の再開期待を背景とした景気敏感株へとシフトしているようです。
R7.11.13 東京株式市場・大引け=続伸、景気敏感株上昇 TOPIXは最高値
[東京 13日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は続伸し、前営業日比218円52銭高の5万1281円83銭で取引を終えました。前日の米株式市場(ダウ工業株30種)の上昇や為替の円安進行を受けて、特に景気敏感株が買われ、相場を支えました。TOPIX(東証株価指数)は史上最高値を更新しました。
日経平均は前営業日比50円安と小幅安でスタートした後、プラス転換し、前場前半に一時275円高の5万1338円89銭まで上昇しました。ただ、その後は方向感の乏しい展開が継続。個別材料が出た銘柄を物色する動きもみられましたが、指数寄与度の高いハイテク株の一角が軟調で相場の重しとなりました。企業の決算発表が一巡し新規材料が乏しくなる中、後場後半は5万1200円近辺を軸にもみ合いました。
市場では「円安や米政府封鎖解除の動きなどプラス材料はあるものの、材料が一巡して小幅な動きにとどまっている」(三菱UFJアセットマネジメントの石金淳エグゼクティブ・ファンド・マネージャー)との声が聞かれました。一方、目先の日本株については「まだ大局的な上昇トレンドにあると思うが、割高感を意識した短期的な調整が出るリスクはあるだろう」(石金氏)という。
TOPIXは0.67%高の3381.72ポイントで取引を終了し、史上最高値を更新しました。プライム市場指数は0.66%高の1741.75ポイントでした。東証プライム市場の売買代金は6兆2524億9600万円でした。東証33業種では、非鉄金属、電気・ガス、証券、商品先物取引など25業種が値上がり。精密機器、情報・通信、金属製品など8業種が値下がりしました。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.80%高の721.49ポイントと、小幅に反落しました。
個別では、前日に決算を発表したエムスリー<2413.T>がストップ高で終了しました。いすゞ自動車<7202.T>、古河電気工業<5801.T>も大幅高となりました。指数寄与度の高いソフトバンクグループ<9984.T>、ファーストリテイリング<9983.T>は軟調。東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、ルネサスエレクトロニクス<6723.T>は上昇しました。主力のトヨタ自動車<7203.T>は小幅高、任天堂<7974.T>は下落しました。
プライム市場の騰落数は、**値上がり952銘柄(59%)**に対し、値下がりが604銘柄(37%)、変わらずが56銘柄(3%)でした。
| 終値 | 前日比 | 寄り付き | 安値/高値 | |
| 日経平均 | 51281.83 | +218.52 | 51013.15 | 50,954.27─51,338.89 |
| TOPIX | 3381.72 | +22.39 | 3368.09 | 3,367.39─3,389.12 |
| プライム市場指数 | 1741.75 | +11.44 | 1735.74 | 1,734.75─1,745.46 |
| スタンダード市場指数 | 1499.07 | +4.09 | 1496.60 | 1,496.29─1,501.32 |
| グロース市場指数 | 938.29 | -6.90 | 943.23 | 936.18─944.05 |
| グロース250指数 | 721.49 | -5.84 | 725.48 | 719.58─726.19 |
| 東証出来高(万株) | 246649 | 東証売買代金(億円) | 62524.96 |
日経平均は続伸し、TOPIXは連日で史上最高値を更新しました。景気敏感株が相場を牽引しましたが、決算一巡で新規材料が乏しく、方向感の定まらない展開でした。市場では大局的な上昇トレンドは継続しているものの、短期的な調整リスクには注意が必要との声が出ています。
R7.11.14 東京株式市場・大引け=
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