東京ロイター

値動き荒い、重要イベント相次ぎ悪材料には強く反応も=今週の東京株式市場
[東京 27日 ロイター] – 今週の東京株式市場は、値動きの荒い展開が想定される。「高市トレード」の一巡が見込まれる中、日米・米中首脳会談や日米の中銀イベント、米ハイテク企業の決算など重要イベントを多数控えている。上昇相場の中でネガティブ材料が出ると、市場は過剰に反応する可能性がある。
日経平均の予想レンジは4万8400円─5万0400円
今週は28日に日米、30日に米中首脳会談が予定されているほか、日銀の金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)、さらにマイクロソフト<MSFT.O>、アルファベット<MSFT.O>、メタ<META.O>、アップル<AAPL.O>、アマゾン<AMZN.O>など米国の超大型ハイテク企業の決算が相次ぐ。
日本株が「高市トレード」で急上昇し、日経平均とTOPIXが共に史上最高値圏で推移する中、市場では息切れ感を指摘する声が少なくない。日経平均は9月以降6500円(15%)程度上昇している。市場では「これからはアップサイドよりもダウンサイドリスクに警戒したほうがいいだろう」(国内証券ストラテジスト)との声が聞かれる。
りそなホールディングスの武居大暉ストラテジストは、日本株はこのところの急上昇を受けて、足元では米国株に対して割高感があると指摘する。「仮に悪材料が出て米国株が調整すると、グローバルにみて日本株がいっそう割高にみえてしまう」と話す。日本株は高市政権への期待先行で上昇し続けてきただけに、足元では調整への注意が必要だという。
週末に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)は前年比3.0%上昇で、市場予想を小幅に下回った。市場ではFOMCでの追加利下げ決定が織り込まれており、想定通りなら無風通過との見方が優勢となっている。
日銀の決定会合では利上げ再開の条件が整ったかどうかを議論するとみられるが、米国の関税政策の米国経済などへの影響を見極めたいとの見方から、現時点で利上げは見送られる公算が大きい。
R7.10.27 東京株式市場・大引け=大幅続伸し初の5万円台、最高値更新 米中摩擦緩和や政策期待で
[東京 27日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は大幅続伸し、前営業日比1212円67銭高の5万0512円32銭で取引を終えた。米中貿易摩擦の緩和や新政権の政策に対する期待、為替の円安基調など好材料が重なり、日経平均は初の5万円台に乗せた。終値ベースでも史上最高値を更新した。幅広い銘柄に買いが広がり、ほぼ全面高の展開となった。
日経平均は前営業日比606円高と堅調にスタートした後、上げ幅を拡大し、大台の5万円台に乗せた。指数寄与度の大きいハイテク株の上げが目立ったほか、テーマ性のある防衛関連などが堅調で、指数を押し上げた。為替相場で円安基調が続いていることも相場を支えた。
後場前半は、5万円に乗せた達成感で伸び悩む場面もあったが、次第にハイテク銘柄の一角が上げ幅を拡大し、日中高値を更新。取引終盤に一時1249円高の5万0549円60銭まで値上がりした。プライム市場では9割近くの銘柄が上昇し、全体的に買いが広がったほか、TOPIXも史上最高値を更新した。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャーは「米国の物価も市場予想並みに落ち着いてきており、利下げ期待が維持される中で、ゴルディロックス相場が続くとの期待が高い」と指摘する。日本株の上昇基調が維持されるには海外勢の買いが継続するかが重要だとして、「海外からの資金流入が続けば次の節目の5万1000円台に乗せるのではないか」(浪岡氏)という。
ただ、日経平均の上昇スピードは速く、「短期的な調整がいつ入ってもおかしくはない」(国内運用会社・ポートフォリオマネージャー)との声も聞かれた。
TOPIXは1.7%高の3325.05ポイントで取引を終了。プライム市場指数は1.7%高の1711.84ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は6兆1130億5600万円だった。東証33業種では全業種が値上がり。非鉄金属、精密機器、証券、商品先物取引などの上昇が目立った。
新興株式市場では、東証グロース市場250指数が0.85%高の734.94ポイントと小幅に反発した。
個別では、指数寄与度の大きいアドバンテスト<6857.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>、ファーストリテイリング<9983.T>が大幅高となり、3銘柄で日経平均を743円ほど押し上げた。フジクラ<5803.T>も大幅上昇。東京エレクトロン<8035.T>はしっかりだった。一方、前週末に決算を発表した信越化学工業<4063.T>は3%超安と軟調。主力のトヨタ自動車<7203.T>は堅調だった。
プライム市場の騰落数は、**値上がり1418銘柄(87%)**に対し、値下がりが166銘柄(10%)、変わらずが30銘柄(1%)だった。
| 終値 | 前日比 | 寄り付き | 安値/高値 | |
| 日経平均 | 50512.32 | +1,212.67 | 49905.80 | 49,838.98─50,549.60 | 
| TOPIX | 3325.05 | +55.60 | 3304.40 | 3,299.67─3,328.93 | 
| プライム市場指数 | 1711.84 | +28.66 | 1700.60 | 1,699.26─1,713.70 | 
| スタンダード市場指数 | 1513.76 | +15.37 | 1506.52 | 1,506.17─1,514.26 | 
| グロース市場指数 | 955.70 | +7.33 | 954.49 | 952.12─963.91 | 
| グロース250指数 | 734.94 | +6.20 | 733.75 | 731.89─741.47 | 
| 東証出来高(万株) | 192747 | 東証売買代金(億円) | 61130.56 | 
日経平均は史上初めて5万円台を突破し、終値でも最高値を更新しました。米国の利下げ期待や円安基調など複数の好材料が重なり、全面高の展開となりました。次の焦点は5万1000円台への挑戦となりそうです。

R7.10.28 東京株式市場・大引け=3日ぶり反落、前日高後の利益確定売りが優勢
[東京 28日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は3日ぶりに反落し、前営業日比293円14銭安の5万0219円18銭で取引を終えました。前日に1200円超上昇して初めて5万円の大台に乗せており、達成感から利益確定売りが優勢となりました。一方、先高観は根強く、下値では買い遅れた投資家の押し目買いが支えになりました。
日経平均は155円安で始まった後もマイナス圏での推移が続きました。前日の米国市場では米中摩擦への過度な警戒感が緩和し株高となりましたが、日経平均は先取りする形で前日に大幅高だったこともあり、利益確定売りが優勢となりました。ドル/円が徐々に水準を切り下げたことも、投資家心理の重しになりました。
一時404円安に下げを拡大しましたが、大台の5万円台は維持しました。下値では押し目買いが支えになりました。市場では「反動売りが優勢となったが、押しらしい押しになっていない。(日米や米中首脳会談への)期待は継続しているようだ」(内藤証券の田部井美彦投資調査部長)との見方が聞かれました。
日本でも決算シーズンが本格化してきており、個別物色は活発でした。市場では、関税影響への過度な警戒感の後退や為替の円安寄りの推移を受けて業績見通しを上方修正する銘柄が多いのではないかとの期待がある一方、このところの株価の急ピッチな上昇を踏まえると「業績上振れに対する期待のハードルが高まっているかもしれない」(田部井氏)との声もあります。
TOPIXは1.18%安の3285円87銭で取引を終えました。東証プライム市場指数は前営業日比1.18%安の1691.67ポイントでした。プライム市場の売買代金は5兆8852億0900万円でした。東証33業種では、値上がりは情報・通信や銀行、海運など1業種、値下がりは金属製品や繊維製品、建設など32業種でした。
特別注意銘柄指定を受け日経平均から除外されたニデック<6594.T>が一時ストップ安となった一方、代わりに日経平均に採用されるイビデン<4062.T>は大幅高となり、上場来高値を更新しました。ソフトバンクグループ<9984.T>は続伸して上場来高値を更新。旧村上ファンド系の投資会社による株式保有が伝わったディー・エヌ・エー<2432.T>は大幅高でした。一方、前日に決算を発表したキヤノン<7751.T>は軟調でした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.71%安の722.38ポイントと反落しました。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが89銘柄(5%)、値下がりは1508銘柄(93%)、変わらずは17銘柄(1%)でした。
| 終値 | 前日比 | 寄り付き | 安値/高値 | |
| 日経平均 | 50219.18 | -293.14 | 50357.15 | 50,107.77─50,485.80 | 
| TOPIX | 3285.87 | -39.18 | 3317.54 | 3,283.35─3,317.55 | 
| プライム市場指数 | 1691.67 | -20.17 | 1705.34 | 1,690.45─1,705.34 | 
| スタンダード市場指数 | 1495.35 | -18.41 | 1512.54 | 1,495.35─1,512.54 | 
| グロース市場指数 | 940.21 | -15.49 | 954.53 | 940.21─954.53 | 
| グロース250指数 | 722.38 | -12.56 | 733.93 | 722.38─733.93 | 
| 東証出来高(万株) | 229292 | 東証売買代金(億円) | 58852.09 | 
日経平均は史上初の5万円台乗せの反動で利益確定売りに押されましたが、大台は維持し、先高観は根強いようです。今後は決算発表が本格化する中で、市場の関心は個別の企業業績へと移りそうですね。
R7.10.29 東京株式市場・大引け=大幅反発、初の5万1000円台 アドバンテストが急騰
[東京 29日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は大幅反発し、前営業日比1088円47銭高の5万1307円65銭となり、取引時間中・終値ベースともに史上最高値を更新しました。指数寄与度の高いアドバンテスト<6857.T>が好決算を受けて急騰し、日経平均を1074円ほど押し上げました。一方、プライム市場では8割超の銘柄が値下がりするなど、全体では利益確定売りが広がったという、いびつな展開となりました。
日経平均は前営業日比234円高でスタートした後、上げ幅を拡大し、前場に節目の5万1000円台に乗せました。アドバンテストが相場を押し上げる格好となり、後場には一時1193円高の5万1412円97銭まで上昇しました。グロース銘柄の寄与が大きい日経平均と、バリュー株の影響が出やすいTOPIXの比率を示すNT倍率<.NTIDX>は一時15.66倍まで上昇し、2021年3月以来の高水準となりました。日経平均は後場後半にかけてはもみ合いとなりましたが、5万1000円台を維持しながら堅調な地合いが続きました。
TOPIXは小幅安で引けました。終値は0.23%安の3278.24ポイントでした。
市場では「(日経平均が)大台に乗せたことで、短期的な調整が入ってもおかしくはない。一方、企業業績への期待もあり先高観は強そうだ」(国内運用会社・アナリスト)との声が聞かれました。フィリップ証券の笹木和弘アナリストは、足元のAI(人工知能)・半導体関連株の上昇について「基本的には業績モメンタムの強さから買いが入りやすい」と話す一方で、「米中摩擦や大手企業のAIインフラ投資動向など、外部環境によって左右されやすい銘柄群でもあり、悪材料が出た場合の調整リスクには注意が必要」(笹木氏)とみています。
東証プライム市場指数は0.23%安の1687.78ポイントでした。東証プライム市場の売買代金は7兆0921億4300万円と、商いが膨らみました。東証33業種では、非鉄金属、電気機器、建設など4業種が値上がり。パルプ・紙、不動産、空運など29業種が値下がりしました。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が2.62%安の703.43ポイントと続落しました。
個別では、アドバンテスト<6857.T>がストップ高で取引を終了し、プライム市場の値上がり率トップとなりました。ソフトバンクグループ<9984.T>、東京エレクトロン<8035.T>、フジクラ<5803.T>、ディスコ<6146.T>も堅調でした。前日に決算を発表したトーエネック<1946.T>やきんでん<1944.T>が大幅上昇しました。
一方、ハイテク株以外の主力銘柄は軟調で、ファーストリテイリング<9983.T>、ソニーグループ<6758.T>、ダイキン工業<6367.T>などは値下がりしました。
プライム市場の騰落数は、値上がり200銘柄(12%)に対し、値下がりが1394銘柄(86%)、変わらずが21銘柄(1%)でした。
| 終値 | 前日比 | 寄り付き | 安値/高値 | |
| 日経平均 | 51307.65 | +1,088.47 | 50453.64 | 50,365.62─51,412.97 | 
| TOPIX | 3278.24 | -7.63 | 3291.26 | 3,275.11─3,294.03 | 
| プライム市場指数 | 1687.78 | -3.89 | 1694.46 | 1,686.24─1,695.84 | 
| スタンダード市場指数 | 1476.70 | -18.65 | 1498.02 | 1,476.43─1,498.02 | 
| グロース市場指数 | 915.55 | -24.66 | 941.42 | 914.61─941.42 | 
| グロース250指数 | 703.43 | -18.95 | 723.37 | 702.23─723.37 | 
| 東証出来高(万株) | 235745 | 東証売買代金(億円) | 70921.43 | 
日経平均は史上最高値を更新し、5万1000円台に乗せましたが、これはアドバンテストの急騰による影響が非常に大きく、市場全体の約86%の銘柄が値下がりするという二極化が顕著な一日となりました。今後は、企業決算や外部環境の変化による調整リスクに注意が必要との見方が出ています。
R7.10.30 東京株式市場・大引け=小幅に続伸、最高値更新 日銀会合は無難通過
[東京 30日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は小幅に続伸し、前営業日比17円96銭高の5万1325円61銭で取引を終えた。終値ベースの史上最高値を更新した。米国市場でのハイテク株高が波及し、寄与度の高いAI(人工知能)関連株の一角がしっかりとなって指数を支援した。日銀の金融政策決定会合や米中首脳会談といったイベントは無難に通過した一方、月末の需給影響も観測され、値動きの振れ幅はやや大きくなった。
日経平均は、前日に1000円超高と大幅上昇した反動もあって、利益確定売りが先行した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が12月の追加利下げに慎重なスタンスを示したことが上値を抑制した。このところの株高が急ピッチだったこともあり、月末を控えてリバランスの売りも観測された。
一方、下値では押し目買いが支えになり、前日終値を挟んだ一進一退となった。引き続き、買い遅れた投資家による買いが待機しているとみられている。買い戻しが強まった場面ではプラスに転じ、一時349円高の5万1657円28銭に上値を伸ばした。
日銀の金融政策決定会合では、利上げ提案者数が注目されたが前回と変わらず2人にとどまったことで、ひとまず株式市場の安心感につながった。米中首脳会談も無難に通過した。
一方、取引終了後に控える日銀の植田和男総裁の記者会見に関心が寄せられた。市場では「どれだけ(利上げ継続の)ファイティングポーズを取るかが注目。政府とぎくしゃくしてる様子は感じられず、12月か1月の追加利上げという市場の見方は変わらないだろう」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャー)との見方が聞かれた。
TOPIXは0.69%高の3300.79ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.69%高の1699.46ポイントだった。プライム市場の売買代金は、TOPIXに関連したリバランスもあって引けにかけて膨らみ、過去最大となった。9月19日の8.7兆円を上回り、10兆0300億3300万円となった。
東証33業種では、値上がりは非鉄金属や鉱業、電気・ガスなど27業種、値下がりは陸運や空運、情報・通信など6業種だった。
個別では、決算や米企業の買収が好感されたNEC<6701.T>が大幅高となり、年初来高値を更新した。レーザーテック<6920.T>も年初来高値を更新。一方、決算後の出尽くしが意識されたノジマ<7419.T>が大幅安。JR東海<9022.T>もさえなかった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.57%高の707.46ポイントと3日ぶり反発した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1127銘柄(69%)、値下がりは432銘柄(26%)、変わらずは56銘柄(3%)だった。
| 終値 | 前日比 | 寄り付き | 安値/高値 | |
| 日経平均 | 51325.61 | +17.96 | 51146.27 | 50,972.56─51,657.28 | 
| TOPIX | 3300.79 | +22.55 | 3278.29 | 3,273.37─3,306.52 | 
| プライム市場指数 | 1699.46 | +11.68 | 1687.19 | 1,685.60─1,702.36 | 
| スタンダード市場指数 | 1483.41 | +6.71 | 1475.43 | 1,474.99─1485.34 | 
| グロース市場指数 | 921.42 | +5.87 | 914.64 | 912.20─923.26 | 
| グロース250指数 | 707.46 | +4.03 | 702.73 | 700.72─708.88 | 
| 東証出来高(万株) | 374142 | 東証売買代金(億円) | 100300.33 | 
日経平均はわずかながら終値での史上最高値を更新し、イベント通過で安心感が広がる一方で、月末の需給調整による売買代金が過去最大となりました。
この後の日銀総裁の記者会見によって、市場の見通しに変化があったかどうか、確認をご希望でしたらお調べいたします。
R7.10.31 東京株式市場・大引け=
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