東京ロイター
弱含み、ハイテク株調整継続か 円高にも警戒感=今週の東京株式市場
[東京 22日 ロイター] – 今週の東京株式市場は弱含みの展開が想定されている。米ハイテク株安が続いていることから、日本株も半導体関連を中心に売りが出そうだ。ただ、日経平均は前週に1000円超値下がりしており、下値では押し目買いも入りやすいという。一方、為替が一段と円高方向に振れた場合は輸出株を中心に売りが出やすく、注意が必要との指摘もあった。
バイデン米大統領が大統領選挙から撤退する意向を示したが、市場ではある程度想定されていたことで、相場が大きく動揺する可能性は低いとの声が出ている。
日経平均の予想レンジは3万9100円―4万0100円。
今週の日本株は、米ハイテク株の調整が続いていることから、半導体関連株を中心に軟調な地合いが続きそうだ。市場では「75日移動平均線が位置する3万9100円程度が下値として意識されるのではないか」(国内運用会社・チーフ・ストラテジスト)との声が聞かれる。ただ、下がったところでは押し目買いも入りやすく、3万9000円を割り込んで水準を切り下げる可能性は低いという。
為替の動向も注目される。GCIアセットマネジメントのポートフォリオマネージャー・池田隆政氏は、足元のドル/円は落ち着きを取り戻しているとして、「156円台より円安水準で推移した場合は、株式市場もしっかりした値動きとなりそうだ」とみている。
ドルが155円台を割り込むなど円高が進んだ場合、自動車関連など輸出株を中心に売りが強まりそうだ。その場合は「食料品など、いわゆる円高メリット銘柄には買いが広がりそうだ」(国内証券・ストラテジスト)という。
バイデン米大統領は21日(米国時間)、米大統領選挙から撤退する意向を表明し、ハリス副大統領を民主党の大統領選候補として支持すると述べたが、「ある程度想定されていたシナリオで、いきなりトランプ・トレードの巻き戻しが起こる可能性は低いのではないか」(前出の国内運用会社・チーフ・ストラテジスト)との見方が聞かれた。13336
R6.7.22 東京株式市場・大引け=4日続落、米大統領選巡る不透明感で幅広い売り
[東京 22日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比464円79銭安の3万9599円00銭と、4日続落して取引を終えた。前週末の米主要3株価指数が軟調だった流れを引き継いだほか、米大統領選を巡る不透明感でリスクオフの動きが広がった。業種別では、ハイテク株や、トランプ前大統領再選のシナリオに賭ける「トランプ・トレード」の流れで上昇していた銘柄に利益確定売りがみられた。一方、ボラティリティーの高まりを受けて、内需やディフェンシブ株の一角はしっかりだった。
日経平均は115円安で寄り付いた後も下げ幅を広げ、後場に544円安の3万9519円39銭で安値を付けた。前週末19日の米国株市場で、世界的なシステム障害に絡む混乱で主要株価3指数が続落した流れを引き継ぎ、ハイテク株が軒並み下落した。市場では「今回の世界的なシステム障害を受けて、各企業の業績への影響も懸念されている」(信託銀行アナリスト)との見方もあった。
トランプ・トレードにより買われていた防衛関連株、金融株、資源株も利益確定売りに押される展開となった。バイデン米大統領は米国時間21日、大統領選挙から撤退する意向を示し、ハリス副大統領を民主党の大統領選候補として支持すると表明。市場では、ボラティリティーの高まりを嫌気する声も聞かれた。大和証券の林健太郎シニアストラテジストは「米大統領選を巡り不透明感が高まっており、トランプ・ラリー一色に染まることに対するリスクが台頭。物色動向が鉄道、食料品といった内需やディフェンシブに向かっている」との見方を示した。
東証株価指数(TOPIX)は3日続落し、1.16%安の2827.53ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比1.16%安の1455.33ポイント。プライム市場の売買代金は3兆3112億6500万円だった。東証33業種では、値上がりは陸運、水産・農林、食料品など4業種、値下がりは精密機器、海運、電気機器、機械など29業種だった。
主力株では、指数寄与度の大きい東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>が2─3%超安、ソシオネクスト<6526.T>、ディスコ<6146.T>も5%超安と、半導体関連株が軒並み下落。富士電機<6504.T>、HOYA<7741.T>も5%超安。三菱重工業<7011.T>、川崎重工業<7012.T>は2─3%超安だった。
半面、鉄道旅客運賃・料金の値上げについて国土交通省に申請したと発表した九州旅客鉄道<9142.T>は6%超高、東日本旅客鉄道<9020.T>、西日本旅客鉄道<9021.T>などの電鉄株も買われた。花王<4452.T>、イオン<8267.T>もしっかりだった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が2.73%安の657.25ポイントと、3日続落した。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが236銘柄(14%)、値下がりは1375銘柄(83%)、変わらずは35銘柄(2%)だった。13069
R6.7.23 東京株式市場・大引け=小幅に5日続落、上昇一服後は利益確定売り優勢
[東京 23日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比4円61銭安の3万9594円39銭と、小幅に5日続落して取引を終えた。前日の米株高の流れを引き継いで朝方は堅調で一時節目の4万円に迫ったが、買い一巡後は次第に伸び悩み、利益確定売りが優勢となった。為替の円高進行が上値を抑えた。
日経平均は前営業日比265円高としっかりでスタートした後、上げ幅を拡大し328円高の3万9927円89銭で高値を付けた。指数寄与度の大きい半導体株などが買われたほか、前日までの下落の反動で自律反発狙いの買いも入った。上昇一服後は次第に伸び悩み、後場にはマイナス転換した。ドル/円相場で円高が進んだことも重しとなった。市場では「足元ではまだハイテク株の調整が続いている印象で、海外勢を中心に売っているのではないか」(国内運用会社・ポートフォリオマネージャー)との指摘が聞かれた。
フィリップ証券のアナリスト・笹木和弘氏は日本株の上値の重さについて「政治家から日銀の利上げに対する発言が出てきて円高進行が懸念される中で、なかなか上値を追いづらい」との見方を示した。前日には、自民党の茂木敏充幹事長が日銀について「段階的な利上げの検討も含めて、金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と発言したと報じられている[nL4N3JE0O0]。これから本格化する企業決算では、円安を背景に業績の改善がみられる可能性もあるものの「先々の円高進行を警戒して、決算内容が良くても素直に買われにくいかもしれない」(笹木氏)という。
TOPIXは0.21%高の2833.39ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.21%高の1458.35ポイントだった。プライム市場の売買代金は3兆4885億2500万円だった。東証33業種では、海運、銀行、ゴム製品など22業種は値上がり。精密機器、電気・ガス、その他製品など11業種は値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.56%高の851.07ポイントと、4日ぶりに反発した。きょうスタンダード市場に新規上場したフィットイージー<212A.T>は公開価格を22.52%上回る1213円で初値を付け、1275円まで上昇。1121円で取引を終えた。
個別では、指数寄与度の大きいソフトバンクグループ<9984.T>、ファーストリテイリング<9983.T>が下落。レーザーテック<6920.T>、オリンパス<7733.T>、安川電機<6506.T>も軟調。一方、東京エレクトロン<8035.T>が1%超高、アドバンテスト<6857.T>が2%超高だったほか、日本郵船<9101.T>、横浜ゴム<5101.T>、川崎汽船<9107.T>が堅調だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり1127銘柄(68%)に対し、値下がりが472銘柄(28%)、変わらずが47銘柄(2%)だった。13090
R6.7.24 東京株式市場・大引け=6日続落、21年10月以来 円高や米株先物の下落が重し
[東京 24日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比439円54銭安の3万9154円85銭と、6日続落して取引を終えた。6日続落は、2021年9月27日─10月6日に8日続落となって以来の長さ。為替のドル安/円高基調や米株先物3指数が軟調に推移したことが嫌気され、幅広い業種で売りが出た。東証プライム市場では約9割超の銘柄が値下がりした。
日経平均は257円安で寄り付いた後、押し目買いの流入でプラス圏に浮上する場面もみられたが、再び売りに押された。後場ではドル/円が154円台に下落したほか、米株先物のEミニナスダック先物は0.9%超安となり、投資家心理がさらに悪化。日経平均は売りを加速させ、497円安の3万9096円50銭で安値をつけた。
野村証券の神谷和男ストラテジストは「6月下旬から7月上旬までの急ピッチな上昇に対する過熱感を解消する動きが今も続いている」との見方を示した。ただ、国内の企業決算で増益基調が維持されたら、日本株は再び上昇基調に回帰できるという。「今週は新規材料が少ない中、心理的節目の3万9000円台を維持した状態で決算シーズンを迎えられるかがポイント」(神谷氏)という。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、1.42%安の2793.12ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比1.42%安の1437.59ポイント。プライム市場の売買代金は3兆8657億0800万円となり、4営業日連続で4兆円を下回った。東証33業種では、全業種が値下がり。海運、電気・ガス、証券、空運、不動産、保険などが値下がり率上位となった。
主力株では、指数寄与度の高いファーストリテイリング<9983.T>、東京エレクトロン<8035.T>のほか、信越化学工業<4063.T>、富士フイルムホールディングス<4901.T>が日経平均の下げをけん引した。半面、中外製薬<4519.T>、SCREENホールディングス<7735.T>、HOYA<7741.T>はしっかりだった。
そのほか個別では、前日に決算を発表したニデック<6594.T>が6%超高、三菱自動車工業<7211.T>が7%超安。古河電池<6937.T>は前日に投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(東京・港区)などが株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表し、21%超高で東証プライム市場の値上がり率トップとなった。
トヨタ自動車<7203.T>は円高基調ながら小幅安にとどまった。市場では「ドル/円は短期的な過熱感から円安へ巻き戻される可能性があり、(トヨタ自は)小幅な下落にとどまっている」(国内証券ストラテジスト)との見方があった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.92%安の648.21ポイントと、反落した。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが122銘柄(7%)、値下がりは1499銘柄(91%)、変わらずは24銘柄(1%)だった。12808
R6.7.25 東京株式市場・大引け=7日続落し1200円超安、今年最大の下げ 米株安・円高進行で
[東京 25日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比1285円34銭安の3万7869円51銭と、7日続落して取引を終えた。7日続落は、2021年9月27日─10月6日に8日続落となって以来の長さ。下げ幅は今年最大となった。前日の米株安の流れを引き継いだほか、為替の円高進行が相場の重しになった。指数寄与度の大きいハイテク株が大幅安となり、指数を押し下げた。
日経平均は前営業日比630円安と大幅安でスタート。寄り付きから節目の3万9000円を下回った。前日の米市場でハイテク株安が下落した流れを受けて、指数寄与度の大きい半導体関連株を中心に売りが強まった。為替相場ではドルが一時152円台前半まで下落するなど円高が進行し、相場の重しとなった。ハイテク株のほか、保険や証券など金融セクターの下げが目立った。一方、個別材料を手掛かりにした売買も活発となった。
市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が後退し、米景気懸念がくすぶっているほか、為替の円高進行で日本株は下げが加速した」(松井証券のシニアマーケットアナリスト・窪田朋一郎氏)との指摘が聞かれた。積み上がった円売りポジションが解消されるまでは円高基調が続くとみられており、日経平均は上値の重さが意識されやすいという。窪田氏は「目先はドルが150円程度で踏みとどまるかどうかが注目される」として、同水準を割り込めば株式市場の調整が長引く可能性があるとの見方を示した。一方、「円高の恩恵を受けやすい小売り関連などの内需株の物色は広がりそうだ」(国内証券・ストラテジスト)との指摘もあった。
TOPIXは2.98%安の2709.86ポイントで取引を終了。プライム市場指数は2.98%安の1394.71ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は5兆1999億1800万円だった。東証33業種では、空運、陸運、水産・農林が値上がり。電気機器、証券、保険など30業種は値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.18%安の640.56ポイントと、続落した。
個別では、決算内容が嫌気されたルネサスエレクトロニクス<6723.T>が13%超安と大幅下落。日産自動車<7201.T>は後場急落し、6%超安となった。2025年3月期通期の連結業績予想を下方修正し、嫌気された。東京エレクトロン<8035.T>が4%超安、アドバンテスト<6857.T>が6%超安、ソフトバンクグループ<9984.T>が9%超安だった。主力のトヨタ自動車<7203.T>は2%超安。一方、サッポロホールディングス<2501.T>、イオン<8267.T>はしっかり。
プライム市場の騰落数は、値上がり277銘柄(16%)に対し、値下がりが1326銘柄(80%)、変わらずが42銘柄(2%)だった。13035
R6.7.26 東京株式市場・大引け=8日続落、半導体株軟調で長引く調整 好決算銘柄には買い
[東京 26日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比202円10銭安の3万7667円41銭と8日続落して取引を終えた。8日連続で下落するのは2年10カ月ぶり。このところの米ハイテク株調整の影響を受け、半導体関連銘柄が相場を押し下げた。自律反発を狙った買いでプラス圏に浮上する場面もあったが、勢いは続かなかった。一方、好業績銘柄を物色する動きもみられた。
日経平均は前営業日比76円安と小幅安で寄り付くと下げ幅を拡大。一時200円安となったが、売りが一巡するといったんプラス転換した。前日までの7営業日で2700円超下げたことから自律反発狙いの買いが入った上、為替の円高進行が一服したことが相場を支えた。後場は前日の終値を挟んで一進一退が続いたが、大引けにかけて下げが強まった。大引け間際に258円安の3万7611円19銭で安値を付け、4月26日以来、3カ月ぶりの水準まで下落した。8日続落は2021年9月27日─10月6日以来。
市場では「米ハイテク株の調整が続いているほか、米大統領選の行方など、外部環境の不透明感がやや高まっており、日本株の重しになっている」(岩井コスモ証券の投資調査部部長・有沢正一氏)との声が聞かれた。全体の下げ幅が大きい割に買われている銘柄もあり、本格化し始めた企業決算の内容次第では相場の流れが変わる可能性もある。
それでも日米の金融政策イベントが控える来週は様子見ムードが強まりやすく、「明確な方向感が出るのは8月以降になるのではないか」(国内証券・ストラテジスト)との見方もあった。
TOPIXは0.38%安の2699.54ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.38%安の1389.38ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は4兆4350億2300万円だった。東証33業種では、石油・石炭製品、金属製品、機械など10業種が値上がり。輸送用機器、保険、電気・ガスなど23業種は値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.37%高の642.91ポイントと、反発した。
個別では、前日発表の決算が好感された日野自動車<7205.T>、キヤノン<7751.T>、富士通<6702.T>が大幅上昇した。一方、ルネサスエレクトロニクス<6723.T>、東京エレクトロン<8035.T>、レーザーテック<6920.T>が4―5%超安と軟調。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>はしっかり、ソフトバンクグループ<9984.T>は2%超安だった。きょうグロース市場に新規上場したタイミー<215A.T>は公開価格を27.58%上回る1850円で初値を付け、1855円まで上昇。1650円で取引を終えた。
プライム市場の騰落数は、値上がり705銘柄(42%)に対し、値下がりが871銘柄(52%)、変わらずが69銘柄(4%)だった。12997
波乱含み、円高との連鎖に警戒感 日銀会合で=来週の東京株式市場
[東京 26日 ロイター] – 来週の東京株式市場は、波乱含みの展開が想定される。ドル/円が不安定な動きをみせる中、日米の中銀イベントが開催されるため、市場では警戒感が高まりやすい。こうした中、企業決算を手掛かりとした個別物色が活発化するとみられており、このところ軟調に推移していたハイテク株に巻き戻しの動きが出るか注目されている。
日経平均の予想レンジは3万7000─3万9000円
日経平均は26日に8日続落、この間で約3600円下落した。25日・75日移動平均線(4万0050円、3万9060円=26日)を下抜けている一方、200日線(3万6680円=同)からは上方にあり、市場では「テクニカル的には今後一段と下値を模索することも考えられる」(国内証券ストラテジスト)との声も聞かれる。
来週は国内で日銀の金融政策決定会合、米国で連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるほか、日米の主力企業の決算発表が目白押しとなる。国内ではトヨタ自動車<7203.T>、アドバンテスト<6857.T>、ファナック<6954.T>、村田製作所<6981.T>、日本製鉄<5401.T>、米国ではマイクロソフト、メタ、アマゾンなどが決算を発表する。決算で半導体需要などの底堅い見通しが示された場合、低迷するハイテク株は買い直されるきっかけとなりそうだ。
外為市場では日銀による追加利上げを織り込む形で不安定な動きをみせており、ドル/円は一時151円後半まで円高に振れる場面があった。来週30―31日に開催される日銀会合では、今後1─2年の国債買い入れの減額方針が公表される。追加利上げについては市場の見方は割れている。
ソニーフィナンシャルグループの宮嶋貴之シニアエコノミストは「7月会合での追加利上げを示唆する報道が増えており、蓋を開けてみないとわからない。日銀内でも反対票と賛成票で割れる可能性がある」と話す。
FOMCでは9月の利下げ観測が濃厚で無風通過が予想されているが、日銀会合の結果発表の前後で相場は波乱含みとなることが想定される。「日銀が国債買い入れの大幅減額、利上げを同時に決め、市場でタカ派と捉えられると、円高・株安が再び進行しやすいだろう」(宮嶋氏)という。
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