東京ロイター

一進一退、上値の重さと下値の堅さが共存=今週の東京株式市場
[東京 2日 ロイター] – 今週の東京株式市場はレンジ内での一進一退の値動きが想定される。トランプ次期米大統領の発言に対する警戒感に株価の上値を抑えられやすい一方で、経済指標や要人発言で日米の金融政策の手掛かりが示される可能性があり、内容次第で下値は堅くなるとみられている。
日経平均の予想レンジは3万7500円─3万9000円。
今週は国内で10月の毎月勤労統計調査、米国で11月の米供給管理協会(ISM)製造業・非製造業景気指数と雇用統計が公表されるほか、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、パウエル米FRB議長らの発言機会が予定されている。
FRBが26日公表した議事要旨によると、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では多数の参加者が時間をかけて利下げを行うことが適切との認識を示していた[nL6N3MX0O5]。今週はブラックアウト(対外発言禁止)期間入り前にウォラーFRB理事の発言が注目されており、市場では「来年の利下げ見通しについて、議事要旨に沿ったハト派な発言となれば、マーケットは再び円安・株高で反応するだろう」(信託銀行エコノミスト)との見方があった。
大和証券の末広徹チーフエコノミストは、11月のISM製造業・非製造業景気指数に注目している。「11月のISMは米大統領選後の数字となるため予想がしづらく、上にも下にも触れるリスクがある」といい、米国の景気動向が注目される中、サプライズとなった場合は一時的にボラティリティ(価格の変動率)が高まる展開も想定される。
このほか、今週は世界半導体市場統計(WSTS)が2024年秋季半導体市場予測を発表する。半導体関連株の低迷が続く中、需要増加が示された場合は株価に好材料となりそうだ。
R6.12.2 東京株式市場・大引け=反発、為替円安など支え 金融株が堅調
[東京 2日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比304円99銭高の3万8513円02銭と、反発して取引を終えた。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>の下落で朝方は軟調に推移したが、次第に地合いは改善した。
対ドルでの円安進行や年金運用目標の引き上げ方針が伝わったことなどが相場を支えた。
日銀の追加利上げの思惑で金融株が堅調だった。
日経平均は前営業日比8円高と小幅高でスタートした後、156円高まで上げ幅を広げた。ただ、ファーストリテの下げにつられる形ですぐにマイナス圏に沈み、249円安の3万7958円55銭で安値を付けた。一方、後場に入ると底堅い動きが続いた。為替相場が円安方向に振れたほか、厚生労働省が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する公的年金資産の利回り目標を現在よりも0.2ポイント引き上げて1.9%にする案を明らかにしたと伝わり、安心感から買いが強まった。日経平均は後場後半に344円高の3万8552円41銭まで上昇した。
日本経済新聞電子版が30日報じた植田和男日銀総裁のインタビューによると、総裁は追加利上げの時期について「データがオントラックに推移しているという意味では近づいている」との認識を示し、追加利上げの思惑で保険株や銀行株が堅調だった。
市場では「依然として指数は方向感に欠ける動きだが、日経平均は3万8000円を割り込むと押し目買いも入り、下値は堅い」(国内証券・投資調査部部長)との声が聞かれた。
目先については「12月の日銀会合での追加利上げ観測がくすぶる中、為替が株式相場を後押しする動きにはなりづらい。しばらくは3万8000円―4万円のレンジ相場が続くのではないか」(楽天証券経済研究所のシニアマーケットアナリスト・土信田雅之氏)との声が聞かれた。
TOPIXは1.27%高の2714.72ポイントで取引を終了。プライム市場指数は1.27%高の1397.12ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は3兆9896億3600万円だった。東証33業種では、小売り以外の32業種が値上がり。
保険、銀行、非鉄金属が値上がり率上位に入った。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.35%安の641.72ポイントと、反落した。
個別では、ファーストリテイリング<9983.T>が1%超安。前週末に中期経営戦略を公表した資生堂<4911.T>は6%超安で、年初来安値を更新。一方、第一生命ホールディングス<8750.T>が6%超高、SOMPOホールディングス<8630.T>が3%超高、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>が3%超高だった。主力のトヨタ自動車<7203.T>は2%超高、東京エレクトロン<8035.T>は1%超高だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり1066銘柄(64%)に対し、値下がりが512銘柄(31%)、変わらずが66銘柄(4%)だった。

R6.12.3 東京株式市場・大引け=続伸、米半導体規制懸念が緩和 GPIF期待に慎重意見も
[東京 3日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比735円84銭高の3万9248円86銭と続伸して取引を終えた。半導体関連株が総じて上昇し指数を押し上げた。米国市場でのハイテク株高に加え、米国による追加の対中半導体規制で日本が免除されたことを好感した。日経平均は約1週間ぶりに節目の3万9000円を回復。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による株運用比率引き上げへの思惑もくすぶったが、市場では慎重な見方も聞かれた。
日経平均は235円高で寄り付いた後も徐々に水準を切り上げ、きょうの高値914円高の3万9427円37銭円は後場に付けた。東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>といった半導体関連株がしっかりだったほか、輸出関連株も堅調。取引時間中にドル/円が150円前半へと徐々に上昇したことが支援材料となった。
市場では「対中半導体規制への過度な警戒感の緩和や、米利下げ期待の高まり、堅調な米景気といった複合的な要因が相場を押し上げた」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャー)との見方が聞かれた。一方、ショートカバーが中心で、さらに上値を追うには追加の材料が必要という。日経平均は、大引けにかけては上げ幅を縮小した。
厚生労働省が前日、GPIFが運用する公的年金資産の利回り目標を現在よりも0.2ポイント引き上げ1.9%にする案を示したことで、ポートフォリオの株式比率の引き上げにつながるとの思惑がくすぶった。ただ、これに関しては現時点では過剰な期待との意見もある。厚労省案では注釈で「現行の基本ポートフォリオよりリスクを高める想定をした場合の運用利回りではない」と念押しした。市場では「現時点で日本株の配分増となるかは不明確だが、地合いが整っていることもあって株高の一翼を担った」(フィリップ証券の増沢丈彦・株式部トレーディング・ヘッド)との声があった。
TOPIXは1.43%高の2753.58ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比1.43%高の1417.15ポイントだった。プライム市場の売買代金は5兆0748億4800万円だった。東証33業種では、値上がりは海運や非鉄金属、卸売など29業種、値下がりは電気・ガスや空運、鉱業など4業種だった。
半導体関連株ではディスコ<6146.T>や信越化学工業<4063.T>なども上昇。TDK<6762.T>などハイテク株も堅調だった。一方、トレンドマイクロ<4704.T>やニチレイ<2871.T>は軟調だった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.78%高の646.75ポイントと反発した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1338銘柄(81%)、値下がりは268銘柄(16%)、変わらずは38銘柄(2%)だった。
R6.12.4 東京株式市場・大引け=小幅に3日続伸、小売関連が堅調 円安も支え
[東京 4日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比27円53銭高の3万9276円39銭と、小幅に3日続伸して取引を終えた。指数寄与度の大きい銘柄の一角や小売関連が堅調だった。ドル/円が円安方向に振れたことも支援材料となった。ただ、新規の材料が少ない上、前日までの上昇の反動もあり、積極的に上値を追う動きはみられなかった。
日経平均は前営業日比105円高と底堅く始まり、一時168円高の3万9417円08銭まで上昇。その後は前日までの上昇の反動で戻り待ちの売りが出て、マイナス圏に沈んだ。売りが一巡した後は小動きとなったが、後場に再びプラス圏に浮上。ドルが150円台を回復するなど為替が円安方向に振れ、株式相場を支えた。大引けにかけては小幅高でもみ合った。
物色動向としては、小売関連が堅調だった。小売企業の月次売上統計はしっかりした内容が相次ぎ、「セクター全体に買いが広がっている」(国内証券・ストラテジスト)との声が聞かれた。一部で日銀が12月会合での追加利上げを見送る可能性があると報じられ、銀行株は軟調だった。
市場では「日経平均は底堅いものの、トランプ次期米政権での政策動向の不透明感が重しとなり、積極的に上値を追っていける環境ではなさそうだ」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー・浪岡宏氏)との指摘があった。相場を押し上げるようなけん引役が少なく、次のテーマを模索している状態だという。
韓国情勢を巡っては「現時点では為替も落ち着いており、韓国国内の問題と捉えられているようだ」(浪岡氏)として、日本株への影響は限定的だった。
TOPIXは0.47%安の2740.60ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.47%安の1410.45ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は4兆2927億2400万円だった。東証33業種では、小売、その他製品、石油・石炭製品など9業種が値上がり。銀行、電気・ガス、金属製品など24業種は値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.34%安の638.08ポイントと反落した。
きょうグロース市場に新規上場したTMH<280A.T>は公開価格を41.86%上回る2128円で初値を付け、2208円まで上昇。2002円で取引を終えた。
個別では、ファーストリテイリング<9983.T>が2%超高。前日に11月の売上高を公表した良品計画<7453.T>は7%高。三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>、J.フロント リテイリング<3086.T>など百貨店株も堅調だった。
りそなホールディングス<8308.T>、T&Dホールディングス<8795.T>はそれぞれ4%超安で軟調。主力のトヨタ自動車<7203.T>は小幅安だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり326銘柄(19%)に対し、値下がりが1280銘柄(77%)、変わらずが38銘柄(2%)だった。
R6.12.5 東京株式市場・大引け=4日続伸、米利下げ思惑が支援 利益確定売りが上値抑制
[東京 5日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は4日続伸し、前営業日比119円21銭高の3万9395円60銭で取引を終えた。米国市場で12月利下げの織り込みが進んで株価の主要3指数が最高値を更新したことや、日銀の追加利上げ観測の後退を好感する動きが先行した。買い一巡後は、前日までの連騰の反動売りが上値を抑えた。
日経平均は334円高で寄り付き、一時355円高の3万9632円30銭まで上昇した。米国市場での半導体株高を受けて、国内の関連株にも買いが先行した。日銀の12月会合での追加利上げを疑問視する一部報道を受けた利上げ観測の後退も支えになった。
前日までの3日続伸で1000円超上昇しており、買いが一巡した後はいったん上値が重くなったが、前場の中盤に日銀の中村豊明審議委員の午前の講演での「賃上げの持続性にまだ自信を持てていない」などの発言が伝わる中でドル/円が150円後半へ上昇すると、日経平均も買いが再開した。
ただ、後場にかけて勢いは続かなかった。中村審議委員はもともとハト派と目されておりサプライズに乏しかったとの受け止めがあったほか「(株価は)ボックス圏の上限に来ており、利益確定売りが出やすいゾーン」(三木証券の北沢淳商品部投資情報グループ次長)との見方が聞かれた。
中村審議委員が午後の記者会見で、利上げに反対しているわけではないとの考えを示したことが伝わるとドル/円が円高方向に振れ、日経平均は徐々に上げ幅を縮小した。「企業業績は悪くはないが、株価は割高水準に接近してきている。レンジを上抜けて4万円より上方で定着するのは、まだ想定しにくい」(三木証券の北沢氏)との声があった。
TOPIXは0.06%高の2742.24ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.06%高の1411.3ポイントだった。プライム市場の売買代金は4兆2150億6600万円だった。東証33業種では、値上がりはサービスや証券、非鉄金属など17業種、値下がりは海運や電気・ガス、卸売など16業種だった。
ビットコインが初めて10万ドルを上回ったことが刺激となって、関連株の一角のマネックスグループ<8698.T>は大幅高となり年初来高値を更新。手掛かりに乏しい中、人気の電線株や防衛関連株に物色が向かい、フジクラ<5803.T>も年初来高値を更新した。ただ、三菱重工業<7011.T>は朝高後、利益確定売りに押されてマイナスに転じた。新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.1%高の638.72ポイントと小幅に反発し
た。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが967銘柄(58%)、値下がりは611銘柄(37%)、変わらずは66銘柄(4%)だった。
R6.12.6 東京株式市場・大引け=5日ぶり反落、半導体が軟調 イベント控えた調整売りも
[東京 6日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比304円43銭安の3万9091円17銭と5日営業日ぶりに反落して取引を終えた。前日の米国株式市場でハイテク株が下落した流れを引き継ぎ、主力の半導体関連株が指数を押し下げた。前日まで4営業日連続で上昇した反動や、11月の米雇用統計を控えたポジション調整の売りも出やすかった。
日経平均は24円安で寄り付いた直後にプラス圏に浮上したが、再びマイナス転換し後場には455円安の3万8940円44銭できょうの安値を付けた。週末要因に加え、11月米雇用統計の発表を前に徐々に手じまい売りが優勢になった。
みずほ証券の中村克彦マーケットストラテジストは足元の株価動向について、米国株の高値警戒感に加え、年末の需給要因が絡んでいると分析する。「年末の損益通算や年明けの信用期日到来が迫る中、雇用統計や中銀ウィーク前の今のうちに利益を確定しておく流れになりやすい」という。来週はメジャーSQ(特別清算指数算出)を控えているため、波乱が予想されるという。
指数寄与度の高い銘柄ではアドバンテスト<6857.T>、東京エレクトロン<8035.T>が2─3%超安で2銘柄で日経平均を約138円押し下げたほか、ファーストリテイリング<9983.T>、TDK<6762.T>もさえなかった。KDDI<9433.T>、NTT<9432.T>、SMC<6273.T>は買われた。
半導体関連株はディスコ<6146.T>が4%超安、SCREENホールディングス<7735.T>が3%超安、レーザーテック<6920.T>、SUMCO<3436.T>が2%超安と軒並み軟調だった。
東証株価指数(TOPIX)は0.55%安の2727.22ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.55%安の1403.56ポイント。プライム市場の売買代金は3兆5595億1100万円と薄商いだった。
東証33業種では、値下がりは非鉄金属、その他製品、保険、電気機器など24業種、値上がりが空運、電気・ガスなど8業種、水産・農林業が変わらずだった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.73%安の634.03ポイントと、反落した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが677銘柄(41%)、値下がりは905銘柄(55%)、変わらずは62銘柄(3%)だった。
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