東京ロイター
与党過半割れで売り先行、日米決算などイベント控え神経質=今週の東京株式市場
[東京 28日 ロイター] – 今週の東京株式市場は、衆議院選挙での与党の過半数割れを受けて売りが先行しそうだ。その後も週を通して日米での重要イベントを複数控えて市場の焦点が定まりにくく、ボラティリティーが高まりかねない。週半ば以降には米国で重要な経済指標の発表が相次ぐ。日米では企業決算シーズンが進行中で、とりわけ米国ではアップル<AAPL.O>など大手ハイテクの決算が複数控えている。31日には、日銀の金融政策決定会合の結果発表も予定されている。
日経平均の予想レンジは3万7000円─3万9000円。
市場では、イベントが複数控えていることから「ポジションが一方向に偏ることはなく商いは細りがちで、投機的な売買を背景にボラティリティーが高まりかねない」(三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフ・マーケット・ストラテジスト)と警戒されている。
週初は衆院選の結果の消化が進む。先週末にかけて衆院選での与党苦戦を先取りするかたちで、日経平均は解散前から2.6%下落していたが、与党の議席数減少は市場の想定以上とみられている。「場合によっては少数与党もあり得る。政権が不安定となり政策実行力が低下し、日本株は低空飛行が続く可能性がある」(三井住友DSAMの市川氏)との見方が聞かれる。
一方、米国では7─9月実質国内総生産(GDP)速報値(30日)、9月個人消費支出PCEデフレーター(31日)、10月雇用統計(11月1日)と、重要指標の発表が相次ぐ。加えて、大手ハイテク企業群では29日にアルファベット<GOOGL.O>、30日にマイクロソフト<MSFT.O>、メタ・プラットフォームズ<META.O>、31日にアップル、アマゾン<AMZN.O>と、いずれも相場に影響を与えそうな銘柄群が決算を発表する。
波乱含みの相場の中にあっても、これらへの目配りも欠かせない。三井住友DSAMの市川氏は「中長期的な見方が重要。米大統領選後は、米ファンダメンタルズと企業業績に焦点は戻ってくる」との見方を示す。
31日には日銀会合の結果発表と総裁会見が控えている。「政策の現状維持はほぼ確実視されている」(国内証券のストラテジスト)というが、足元の円安基調を踏まえると、展望リポートや総裁会見でタカ派寄りの見解が飛び出さないか注意が必要との見方も根強い。
R6.10.28 東京株式市場・大引け=反発、衆院選通過で買い戻し 円安も支え
[東京 28日 ロイター] – 28日の東京株式市場で、日経平均は前営業日比691円61銭高の3万8605円53銭と反発して取引を終えた。27日投開票の衆議院選挙では与党が過半数割れとなったが、事前に想定されていたため、織り込み済みとして買い戻しが入った。為替円安基調も支えとなり、日経平均は一時800円超高となった。
日経平均は155円安と売り優勢でスタートしたが、まもなくプラス圏に転換し、後場に826円高の3万8740円17銭で高値を付けた。日経平均は衆議院選への警戒感から前週に週間で1067円下落したため、反動を狙った買いが入りやすかった。円安基調に加え、時間外取引で米株先物がしっかりと推移したことも支えとなった。
市場では、衆院選通過後の株高について、自民党が野党との「部分連合」で財政出動を拡大するとの見方や、財政刺激・金融緩和を主張する高市早苗氏が次期首相候補との思惑が働いているとの指摘もあった。
SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長は、今後の自民党の政権運営を巡っては不透明感が依然として強いため、この日の株高は「期待先行から短期的に上がっているにすぎない」とみている。今週は日銀の金融政策決定会合、11月上旬は米連邦公開市場委員会(FOMC)と米大統領選と、イベント目白押しとなるため、一段の上値追いには向かいにくいという。
東証株価指数(TOPIX)は1.51%高の2657.78ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比1.51%高の1367.72ポイント。プライム市場の売買代金は3兆8858億4200万円だった。
東証33業種では、値上がりは輸送用機器、医薬品、海運、証券・商品先物取引など29業種、値下がりは鉱業、化学など4業種だった。
個別では、前週末に好決算を発表した中外製薬<4519.T>が14%超高で東証プライム市場の値上がり率トップ。取引時間中に決算を発表した塩野義製薬<4507.T>も1%超高としっかりだった。半面、同じく前週末に決算を発表した信越化学工業<4063.T>は2.90%安。オリンパス<7733.T>は最高経営責任者(CEO)が28日付で辞任したと発表し、株価は5.64%安となった。
そのほか主力株では、アドバンテスト<6857.T>、東京エレクトロン<8035.T>が2─4%超高、ファーストリテイリング<9983.T>もしっかり。ニトリホールディングス<9843.T>、テルモ<4543.T>は売られた。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1504銘柄(91%)、値下がりは123銘柄(7%)、変わらずは20銘柄(1%)だった。
R6.10.29 東京株式市場・大引け=続伸、金融株高く「トランプトレード」先取りとも
[東京 29日 ロイター] – 東京株式市場で大引けの日経平均は、前営業日比298円15銭高の3万8903円68銭と続伸し、高値引けで取引を終えた。複数の重要イベントを控える中で模様眺め中心となったが、銀行や保険など金融株の上昇が目立った。インフレ的な政策が見込まれるトランプ前大統領の勝利を見越した「トランプトレード」の先取りとの見方も聞かれた。
衆院選で与党の議席が過半数割れとなり、政治の先行き不透明感が投資家心理の重しになった一方、企業の想定を上回る水準でドル/円が推移していることや米経済の底堅さは、中間決算での企業業績への期待感につながっている。
日経平均は安く寄り付いた後にプラスに切り返した。「衆院選前に売られた反動の買いが前日から続いた」(ちばぎんアセットマネジメントの森田潤調査部長)との声があった。選挙期間中は株高になるとのアノマリー(経験則)に反し、日経平均は与党苦戦の観測を受けて解散前に比べ2.6%下落していた。
一方、買い一巡後の日経平均は、きょうの高値圏での小動きが続いた。市場では「出来高をみても盛り上がりを欠いている。今週は重要イベントを複数控えているだけに、基本的には模様眺めということだろう」(ちばぎんAMの森田氏)との見方が聞かれた。
今週は29日のアルファベット<GOOGL.O>をはじめ、大手ハイテク企業群の決算発表が相次ぐほか、30日の米7─9月実質国内総生産(GDP)速報値、11月1日の米雇用統計と、重要指標の発表がある。来週には大統領選の投開票も控えている。
TOPIXは0.91%高の2682.02ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.91%高の1380.23ポイントだった。プライム市場の売買代金は3兆5920億2100万円だった。
東証33業種では、値上がりは銀行や証券、その他金融など30業種、値下がりはガラス・土石製品や金属製品、輸送用機器の3業種だった。
決算などを手掛かりにした個別物色が目立った。米社の買収を発表した日本ペイントホールディングス<4612.T>が年初来高値を更新したほか、上期業績が堅調だった日東電工<6988.T>も買われた。好決算のさくらインターネット<3778.T>はストップ高だった。一方、中国事業の市況低迷影響を見込むTOTO<5332.T>は大幅安だった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が2.08%高の622.54ポイントと、続伸した。新規上場のSapeet<269A.T>の初値は公開価格を52.3%上回る2285円だった。その後も上値を伸ばし、初値を上回る2510円で取引を終えた。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1275銘柄(77%)、値下がりは323銘柄(19%)、変わらずは48銘柄(2%)だった。
R6.10.30 東京株式市場・大引け=3日続伸、米株高や好決算受け 選挙前の反動も
[東京 30日 ロイター] – 30日の東京株式市場で、日経平均は前営業日比373円71銭高の3万9277円39銭と3日続伸して取引を終えた。前日の米ハイテク株高や好決算の流れを引き継ぎ、半導体関連株や電力株の一角が底堅く推移した。日経平均が心理的節目の3万9000円を終値で上回るのは16日以来、約2週間ぶり。市場では、衆議院選挙前の株安の反動が続いているとの見方もあった。
日経平均は199円高でスタート、寄り付きで3万9000円を回復し、その後も上げ幅を拡大した。後場には514円高の3万9417円88銭まで上昇した。買い一巡後はドル高/円安の一服や時間外取引での米株先物の軟化を受けて、上げ幅を縮小させた。
東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、0.81%高の2703.72ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.81%高の1391.44ポイント。プライム市場の売買代金は7兆9645億9600万円。TOPIXの浮動株比率の定期見直しに伴うリバランスで、今年2番目の大商いとなった。東証33業種では、電気・ガス、非鉄金属、機械、精密機器など26業種が値上がり、ゴム製品、証券・商品先物取引など7業種が値下がりした。
日本株は衆院選以降、底堅い動きが続いている。与党の議席が過半数割れとなった一方で、市場では自民党が野党との「部分連合」で財政出動を拡大するとの見方が支えになっているという。アイザワ証券の坂瀬勝義市場情報部長は「これから人工知能(AI)や半導体への投資や減税など、株式市場にとって有利な経済対策が打ち出されるのではないかという思惑が引き続き支えとなっている」と話す。
個別では、山崎製パン<2212.T>、四国電力<9507.T>が12─15%超高となった半面、日野自動車<7205.T>が13%超安、コマツ<6301.T>1%超安。いずれも前日発表した決算を材料視した株価反応となった。
主力株では、ディスコ<6146.T>が11%超高となったほか、レーザーテック<6920.T>、アドバンテスト<6857.T>が3─4%超高となるなど、半導体関連株がしっかり。ソフトバンクグループ<9984.T>、ファナック<6954.T>も買われた。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.52%高の625.76ポイントと、3日続伸した。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが907銘柄(55%)、値下がりは677銘柄(41%)、変わらずは61銘柄(3%)だった。
R6.10.31 東京株式市場・大引け=4日ぶり反落、一時400円超安 日銀会合後の円高進行で
[東京 31日 ロイター] -大引けの日経平均は、前営業日比196円14銭安の3万9081円25銭と、4営業日ぶりに反落した。前日の米株安の流れを引き継いだほか、日銀の金融政策決定会合の結果発表後に為替の円高が進み、日本株の重しとなった。日経平均は一時400円超安となる場面もあったが、大引けにかけてはもみ合いとなった。
日経平均は前営業日比97円安と小幅安でスタートした後、売りが強まり、290円安まで下落した。売りが一服した後は、日銀の金融政策決定会合の内容を見極めたいとするムードが広がり、もみ合いが継続。30―31日に開かれた日銀の金融政策決定会合では、事前の予想通り政策金利の据え置きが決まったが、直後の反応は限定的となった。次第にドル/円の円高が進むと日経平均も歩調を合わせるように下げ幅を拡大。後場の中盤に445円安の3万8832円21銭で安値を付けた。
物色動向としては自動車株などが軟調だったが、決算を手掛かりにした個別物色もみられ、指数を支えた。
市場では「日銀会合の結果は事前の予想通りで、日本株は無難通過となった。この後の植田和男総裁の記者会見を見極めようとする思惑もあるようだ」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー、浪岡宏氏)との声が聞かれた。
米経済の底堅さや円安などを背景に日本株は上方向を試しやすいとみられているが、「米大統領選などイベントを控えて、基本的には横ばい圏での推移が続きそうだ」(浪岡氏)という。
TOPIXは0.30%安の2695.51ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.30%安の1387.22ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は4兆9740億5900万円だった。東証33業種では、金属製品、海運、陸運など21業種が値上がり。電気機器、パルプ・紙、卸売など12業種は値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.72%高の630.28ポイントと、4日続伸した。個別では、商船三井<9104.T>が3%超高と堅調、アドバンテスト<6857.T>は6%超高と大幅上昇した。一方、エムスリー<2413.T>は13%超安と大幅下落し、いずれも決算内容を受けた売買がみられた。
主力のトヨタ自動車<7203.T>は1%超安。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>は2%超安、ソフトバンクグループ<9984.T>は小幅安だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり1136銘柄(69%)に対し、値下がりが458銘柄(27%)、変わらずが52銘柄(3%)だった。
R6.11.1 東京株式市場・大引け=大幅続落、連休前に手じまい 日銀利上げの警戒くすぶる
[東京 1日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比1027円58銭安の3万8053円67銭と続落して取引を終えた。来週にかけて複数の大型イベントが予定される中、国内の3連休を控えた週末とあって手じまいが優勢だった。日銀の植田和男総裁が前日の会見で12月の追加利上げに含みを持たせたとの警戒感もくすぶり、一時1100円超安に下落し心理的節目の3万8000円を下回る場面もあった。
今晩には米雇用統計、来週には米大統領選挙や米連邦公開市場委員会(FOMC)と重要イベントが控える中、国内ではあすから3連休となることもあり「積極的にポジションとりにいくようなタイミングではない」(三木証券の北沢淳商品部投資情報グループ次長)との声があった。
買い手に乏しい中、前日の米ハイテク株安や為替の円高基調が嫌気され、幅広く売りが広がった。日経平均は576円安で寄り付いた後も終日、下値を切り下げ続けた。大引け前には前営業日比で一時1134円安の3万7946円66銭に下落した。
日銀による早期の追加利上げへの警戒感もくすぶった。植田総裁が前日の会見で、利上げペースを巡ってこれまで用いてきた「時間的な余裕がある」との文言を封印する意向を示したことで、市場では12月の利上げに含みを持たせたとの受け止めが聞かれた。
一方、決算などを手掛かりにした個別物色は活発だった。三菱電機<6503.T>やパナソニックホールディングス<6752.T>、旭化成<3407.T>が買われた一方、レーザーテック<6920.T>やSUBARU<7270.T>は急落。傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングス株の下落が嫌気されたソフトバンクグループ<9984.T>も売られた。
TOPIXは1.9%安の2644.26ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比1.9%安の1360.83ポイントだった。プライム市場の売買代金は4兆4905億8700万円だった。
東証33業種では、値上がりはガラス・土石製品の1業種のみだった。値下がりは非鉄金属や輸送用機器、電気機器など32業種だった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.64%安の619.96ポイントと5日ぶりに反落した。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが219銘柄(13%)、値下がりは1404銘柄(85%)、変わらずは23銘柄(1%)だった。
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