東京ロイター
日経平均4万円台トライ、円安や米株高が支え=今週の東京株式市場
[東京 15日 ロイター] – 今週の東京株式市場で日経平均は、為替の円安基調が支えとなり4万円台をトライする展開が見込まれている。足元のドルは149円台後半で推移しており、日経平均は4万1000円近辺まで上値を試す可能性があるという。一方、国内では衆院選がスタートし政治動向を見極めたいとする思惑が出やすいほか、企業の決算発表を控えて数字を確認したいとのムードも広がるとみられている。
日経平均の予想レンジは3万9000円―4万1000円。
足元の為替相場ではドルが149円台後半で推移するなど、前週末の取引時間中に比べて円安が進んでいる。東洋証券のストラテジスト・大塚竜太氏は「米国株が非常に堅調な点も好感され、追随する形で日本株は意外高となりそうだ」と話す。
4万円台では利益確定売りが出るとみられているが、「機械取引の買いが強まる可能性もあり、4万1000円程度まで上昇するのではないか」(大塚氏)という。
一方、「衆院選の動向や、これから本格化する企業決算などを確認したいとの思惑も強まりそうだ」(国内運用会社・チーフマーケットストラテジスト)との指摘も聞かれ、次第に様子見ムードが広がりそうだという。
主なスケジュールでは、国内は9月全国消費者物価指数(CPI)、9月貿易統計などが公表される予定。海外では、米国で9月小売売上高、10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数などが発表予定となっている。
R6.10.14 東京株式市場・大引け=祝日のため休場
R6.10.15 東京株式市場・大引け=4日続伸、米株高や円安好感 終値では4万円割れ
[東京 15日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比304円75銭高の3万9910円55銭と4日続伸して取引を終えた。国内連休中の米国株高と円安基調が支援し、幅広い業種で買いが優勢となった。日経平均は寄り付きで4万円を回復したが、買い一巡後は利益確定売りに押され、終値では下回った。
日経平均は441円高の4万0047円15銭でスタート、4万円の大台を7月19日以来、約3カ月ぶりに回復した。一時は651円高の4万0257円34銭まで上昇した。自民総裁選時の「高市トレード」の高値3万9829円を上抜けた。
買い一巡後は、円安一服のほか、アジア株や時間外取引での米株先物の軟化を受けて、利益確定売りが徐々に広がった。短期的な過熱感が意識されているとの見方もあった。
SBI証券の鈴木英之投資調査部長は「日経平均が4万円台で定着するには、ドル/円の安定や、7─9月期決算で企業業績の上向きを確認する必要があるだろう」との見方を示した。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、0.64%高の2723.57ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.64%高の1401.59ポイント。プライム市場の売買代金は4兆4380億6000万円だった。
東証33業種では、値上がりは銀行、保険、電気機器、情報・通信など21業種、値下がりは石油・石炭製品、鉱業、電気・ガスなど12業種だった。
個別では、レーザーテック<6920.T>、SCREENホールディングス<7735.T>が6%超高と半導体関連株が軒並み上昇。ソフトバンクグループ<9984.T>は傘下のアーム・ホールディングス株が堅調だったことを受けて5%超高となった。
このほか、三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>などの百貨店株、りそなホールディングス<8308.T>などの金融株もしっかり。半面、原油安を受けてENEOSホールディングス<5020.T>、INPEX<1605.T>などのエネルギー関連株はさえなかった。
主力株では、東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>が3─4%超高、ファーストリテイリング<9983.T>が利益確定売りに押され1%超安となった。新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.39%高の640.69ポイントと、3営業日ぶりに反発した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1203銘柄(73%)、値下がりは386銘柄(23%)、変わらずは56銘柄(3%)だった。
R6.10.16 東京株式市場・大引け=5日ぶり反落、半導体株が押し下げ 薄商い
[東京 16日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比730円25銭安の3万9180円30銭と5営業日ぶりに反落して取引を終えた。オランダの半導体製造装置メーカーASML<ASML.AS>の決算を受けて米半導体株が下落した[nL6N3LR0KJ]流れを引き継ぎ、半導体関連などの主力株が大幅安となり、日経平均を押し下げた。売り一巡後は薄商いの中、方向感を欠く展開が続いた。
日経平均は前営業日比547円安で寄り付き、847円安の3万9062円85銭で安値を付けた。後場は下げ渋ったものの方向感を欠き、市場では参加者の少なさを指摘する声が多く出ていた。
東証株価指数(TOPIX)は1.21%安の2690.66ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比1.21%安の1384.64ポイント。プライム市場の売買代金は3兆9155億7700万円だった。東証33業種では、精密機器、電気機器、化学、機械など29業種が値下がり、保険や建設など4業種が値上がりとなった。
みずほ証券の中村克彦マーケットストラテジストは「ASMLの決算をきっかけに主力株が売られたが、商いも細っており売り圧力はそれほど強くない」と話す。海外勢が米大統領選を前に手控えムードに入る中、国内勢も衆院選や企業決算などを控え様子見となりやすいという。中村氏は、10月下旬まではボックス相場が続きやすいとみている。
主力株では、レーザーテック<6920.T>が13%超安でプライム市場の値下がり率トップとなったほか、東京エレクトロン<8035.T>、SCREENホールディングス<7735.T>は9%超安、ディスコ<6146.T>は5%超安と半導体関連株が大幅安だった。
前日に業績予想の上方修正を発表したパルグループホールディングス<2726.T>は16%超高。MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>などの保険株、大林組<1802.T>などの建設株はしっかり。その他主力株では、ソフトバンクグループ<9984.T>、中外製薬<4519.T>が3%超安、フジクラ<5803.T>、ZOZO<3092.T>が1─2%超高だった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.25%安の632.67ポイントと反落した。きょうスタンダード市場に新規上場した日水コン<261A.T>は公開価格を6%下回る1341円で初値を付け、1470円まで上昇し、1366円で引けた。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが354銘柄(21%)、値下がりは1246銘柄(75%)、変わらずは44銘柄(2%)だった。
R6.10.17 東京株式市場・大引け=続落、半導体株に売り TSMC決算で一時下げ渋り
[東京 17日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比269円11銭安の3万8911円19銭と続落して取引を終えた。前日に続き、半導体関連株の売りが日経平均の上値を抑えた。半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC<2330.TW>)の決算発表を受け、下げ渋る場面もあったが、引けにかけてまた軟化した。
日経平均は前営業日比83円高と小反発で寄り付いた後、119円高の3万9299円74銭の高値を付けた。日経平均は前日に730円超安となったため自律反発を期待した買いが入りやすかった。買い一巡後は徐々に上げ幅を縮小し、マイナス転換。TSMCが後場終盤に決算を発表した後は下げ幅を縮小したが、再びプラス圏に浮上することはなく、日経平均は安値引けとなった。
TSMCが発表した第3・四半期決算は、純利益が54%増の3253億台湾ドル(101億1000万米ドル)と、市場予想を上回った。人工知能(AI)向け半導体の需要が引き続き拡大した[nL6N3LT09I]。同社は日本時間午後3時から決算説明会で今後の見通しを発表する予定。大和証券の柴田光浩シニアストラテジストは「市場が最も関心がある通期ガイダンスは説明会で発表されるため、株式市場での織り込みは明日以降になる」と話す。
アムステルダム市場でオランダの半導体製造装置メーカー、ASML<ASML.AS>の株価は連日下落しており、「きょうはまだASMLの決算が尾を引いており、あえて半導体株を買おうという動きにはなりづらい」(柴田氏)という。
東証株価指数(TOPIX)も続落し、0.11%安の2687.83ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.1%安の1383.2ポイント。プライム市場の売買代金は3兆7538億2700万円だった。東証33業種では、値下がりは精密機器、非鉄金属、化学など20業種、値上がりは電気・ガス、海運、銀行など13業種だった。
個別では、東京エレクトロン<8035.T>、レーザーテック<6920.T>が2─3%安、ディスコ<6146.T>が1%超安、アドバンテスト<6857.T>が小幅安になるなど、半導体関連株が総じて弱かった。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>、TDK<6762.T>もさえなかった。半面、ソフトバンクグループ<9984.T>や、トヨタ自動車<7203.T>などの自動車株が買われた。
国内投資ファンドのストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)が16日、同社株の大量保有報告書を関東財務局に提出したことが手掛かりとなったガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765.T>は7%高。九州電力<9508.T>、東北電力<9506.T>などの電力株は大和証券がレーティングを引き上げたことが材料視され軒並み高となった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.79%安の627.7ポイントと、続落した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが559銘柄(34%)、値下がりは1026銘柄(62%)、変わらずは59銘柄(3%)だった
R6.10.18 東京株式市場・大引け=小反発、為替の円安基調が支え 後場に一時マイナス圏
[東京 18日 ロイター] -東京株式市場で日経平均は、前営業日比70円56銭高の3万8981円75銭と、小幅に反発して取引を終えた。前日の米ダウ工業株30種の上昇や為替の円安基調で朝方はしっかりと推移し、一時は270円超上昇。その後は週末を控えて次第にポジション調整の売りも出て、後場は方向感のない展開が継続した。
日経平均は前営業日比181円高でスタートした後も上げ幅を拡大し、275円高の3万9186円64銭で高値を付けた。一部のハイテク株が堅調だったほか、主力銘柄の一角がしっかりだった。ただ、為替の円安基調が一服したことや、週末を控えた調整の売りも出て買いの勢いは弱まり、後場にはマイナス圏に沈む場面もあった。大引けにかけては小幅高の水準で一進一退となった。
市場では「足元では大きなテーマが見当たらない上、衆院選や製造業企業の決算を控えて積極的に上値を追えるムードではない」(いちよし証券の投資情報部・銘柄情報課課長、及川敬司氏)との声が聞かれた。ただ、日経平均の下値は徐々に切り上がっており、地合いが弱いわけではないという。「需給面では、海外勢が現物株を買い越してきており、海外勢の買いが続けば上値を試す動きとなりそうだ」(及川氏)という。
為替相場ではドルが149円台後半で推移し、「企業の想定レートよりも円安水準のため、引き続き日本株の支援材料となりそうだ」(国内運用会社・チーフ・ストラテジスト)との声が聞かれた。
TOPIXは0.04%高の2688.98ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.04%高の1383.81ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は3兆6276億2500万円だった。東証33業種では、医薬品、機械、銀行など11業種が値上がり。石油・石炭製品、電気・ガス、ゴム製品など22業種は値下がりした。
きょうプライム市場に新規上場したインターメスティック<262A.T>は公開価格を25.03%上回る2038円で初値を付け、2087円まで上昇。1981円で取引を終えた。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.69%安の623.37ポイントと、3日続落した。
個別では、前日に決算を発表したディスコ<6146.T>が7%超高と大幅上昇。東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>は小幅安だった。電力株が売られ、東京電力ホールディングス<9501.T>、関西電力<9503.T>が軟調だった。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>が1%高、ソフトバンクグループ<9984.T>は1%超安だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり757銘柄(46%)に対し、値下がりが798銘柄(48%)、変わらずが89銘柄(5%)だった。
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