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今週の株 R5.2.20-24 波乱の一週間を終えて、日米ともに祝日を挟む今週。日経は下げにパラボリック転換。FRB,日銀を受けて市場は落ち着きを取り戻すのか?

東京ロイター

底堅い、強い米経済指標がマインド下支え=今週の東京株式市場

[東京 20日 ロイター] – 今週の東京株式市場は、底堅い展開が見込まれている。強い米経済指標で利上げ再加速の懸念がくすぶる一方、景気のソフトランディング(軟着陸)期待にもつながり綱引きとなりそうだ。企業決算シーズンを通過し手掛かりに乏しくなる中、連邦準備理事会(FRB)高官らの発言に振らされる場面もあり得る。日銀次期総裁候補の植田和男元審議委員の所信聴取が24日に予定され関心を集めているが、大きなサプライズは想定されていない。
日経平均の予想レンジは2万7000円─2万8000円。
<三菱UFJ国際投信 チーフストラテジスト 石金淳氏>
「底堅いだろう。円高が落ち着いてきており、外部環境がさほど悪くないとの認識が広がればもう一段高もあり得る。1月米卸売物価指数(PPI)は市場予想を上振れたが前年比での伸びは12月よりは小さく、インフレ鈍化の方向は変わらない。米利上げ再加速の思惑は株価の重しになるためFRB高官らの発言には注意が必要だが、小売売上高や雇用、景況感の指標が強いということは簡単には米景気が崩れないことも示しており、日本株にはプラスといえる。
連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は、会合自体が消費者物価指数(CPI)などの発表前でありあまり参考になりそうにない。日銀の次期総裁の所信聴取は、これまでにも大規模緩和への支持や継続といった考え方が伝わっており、大きなサプライズはないのではないか」
<ミョウジョウ・アセット・マネジメント 代表取締役 菊池真氏>
「国内の企業決算や米重要経済指標の公表を通過し、材料不足から小動きの展開となりそうだ。日銀の次期総裁候補の所信聴取が予定されているが、市場に大きなインパクトを与える発言が出ることは想定しづらく、無難通過を予想している。
一方、堅調な米国は経済指標の結果から、依然として金融引き締め長期化懸念と景気悪化のリスクはくすぶっている。国内企業の2022年10―12月の決算もさほど良い内容ではなかったため、業績の先行き不透明感も重しとなりそうだ。悪材料が出れば日本株は下振れリスクが高まり、2万7000円近辺まで下落する可能性もある」

 

R5.2.20 東京株式市場・大引け=小反発、イベント控え買い控え 材料難で方向感欠く

[東京 20日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比18円81銭高の2万7531円94銭と、小幅に反発して取引を終えた。今晩の米市場が休場となっているほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表や日銀正副総裁候補の所信聴取を控え、積極的な買いは手控えられた。新規材料も乏しく、終日方向感に欠く値動きとなった。

日経平均は寄り付きで16円安と、売りが先行した。一時、前営業日比約80円安まで下げ幅を広げる場面があったが、前場中ごろにはプラス転換し、小幅高の水準で一進一退の値動きとなった。前週末の米国市場で、ハイテク株比率の高いナスダック総合<.IXIC>が下落して取引を終えたほか、フィラデルフィア半導体指数(SOX)が1.6%安と続落したことから、東京市場でも日経平均への寄与度の高い半導体銘柄が売られ、指数の重しとなった。
後場に入ってからも明確な方向感はみられず、前営業日の終値を挟んでもみ合う展開が継続。日経平均の値幅は1日を通して105円程度にとどまった。

米国では、このところ発表された経済指標がインフレの高止まりと堅調な労働市場や個人消費を示したことを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)高官によるタカ派寄りの発言が相次いでいる。今週は22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されることから、投資家は動きづらい状況にいる。東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジストは、「足元の強い経済指標を受けて、年内の利下げ期待など、このところの市場の楽観論は後退しつつある」と指摘。その上で、「FOMCの議事要旨の内容や週後半のFRB高官発言を見極めたい投資家が多いので、積極的に買いづらい」(中村氏)との見方を示した。
加えて、24日には衆院で日銀次期総裁候補、植田和男氏への所信聴取を控えている。中村氏は「基本的には週内は狭いレンジでの値動きを想定しているが、発言内容によっては(日経平均)が大きく上下する可能性も排除できない」と指摘した。

TOPIXは0.39%高の1999.71ポイントで取引を終了。東証プライム市場指数は0.39%高の1028.97ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は2兆2925億7500万円だった。東証33業種では、証券業やパルプ・紙、その他金融業など26業種が値上がり。海運業や鉱業、電気機器など7業種は値下がりした。

個別では、東京エレクトロンは1.5%安と、終日軟調に推移した。一方、17日に有料動画配信サービス「Paravi(パラビ)」を運営するプレミアム・プラットフォーム・ジャパン(PPJ)と3月31日に経営統合すると発表したUSEN―NEXT HOLDINGS<9418.T>は堅調に推移し、4.5%高で取引を終えた。プライム市場の騰落数は、値上がり1310銘柄(71%)に対し、値下がりが467銘柄(25%)、変わらずが60銘柄(3%)だった。13918

 

R5.2.21 東京株式市場・大引け=反落、手がかり乏しく方向感欠く バリュー優位継続

[東京 21日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比58円84銭安の2万7473円10銭と、反落して取引を終えた。新規材料に乏しい中で方向感を欠き、2万7500円を挟んだ値動きとなった。割安や高配当利回りのバリュー株が優位の展開が続いた。

日経平均は45円安と小幅に反落してスタートした後、一時約170円安の2万7359円12銭に下落した。売り一巡後は値を戻し、プラス転換する場面もあったが勢いは続かず、方向感に乏しい値動きになった。
市場では「米金利の動向が警戒されるほか、日銀の次期体制の動きも読み切れない。個別ではバリュー株が物色されたが、指数の動きは限られた」(松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)との声が聞かれた。TOPIXバリュー指数は0.23%プラスとなり高値を更新した一方、同グロース指数は0.47%マイナスと、バリュー優位の地合いが継続した。
債券市場では1月の強い米経済指標で金利が上昇基調にあるが、きょうは欧米で2月の総合PMI速報値の発表があり、強い結果となれば米利上げ継続への警戒感が一段と強まりかねない。「PMIがきっかけになるかは分からないが、グロース株には予熱が残っており、いったんは調整があってもおかしくない」(窪田氏)という。
TOPIXは0.11%安の1997.46ポイント、東証プライム市場指数は0.11%安の1027.79ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は2兆2796億0600万円と低調だった。東証33業種では、値上がりは鉱業や繊維業、石油・石炭製品など20業種で、値下がりは空運業や陸運業、小売業など13業種だった。ファーストリテイリング<9983.T>や三菱UFJ FG<8306.T>は軟調。エムスリー<2413.T>は昨年来安値を更新した。一方、東レ<3402.T>や石油資源開発<1662.T>が昨年来高値を更新。住友金属鉱山<5713.T>は堅調だった。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが999銘柄(54%)、値下がりは756銘柄(41%)、変わらずは82銘柄(4%)だった。13945

 

R5.2.22 東京株式市場・大引け=続落、約1カ月ぶり安値 日米の金融政策不透明感が重し 

[東京 22日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比368円78銭安の2万7104円32銭と、続落して取引を終えた。米金融引き締め長期化への警戒感による米株安の流れを引き継いだほか、日銀の金融政策動向の不透明感も重しとなった。一時は400円超下げ、終値で約1カ月ぶりの低水準となった。
日経平均は200円安でスタートした後も下げ幅を拡大し、午前のうちに427円安の2万7046円08銭まで下落した。米ハイテク株安の流れで半導体や電子部品関連が売られたほか、値がさ株の下げも重しとなった。東証33業種のうち31業種が値下がりした。
売りが一巡すると2万7100円を挟んでもみ合い。きょうは米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(1月31日─2月1日開催分)の発表、あすは東京市場が祝日の休場を控えており、午後は様子見姿勢も強まった。
市場では、日米の金融政策動向の不透明感が相場の重しとなっているとの指摘もある。米経済の堅調さから連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続が意識されているほか、新しい日銀体制下での政策変更の思惑など「日本特有の不透明感も株価の上値を抑える要因になっている」(セゾン投信・ポートフォリオマネージャー、山本潤氏)という。山本氏は今後の日本株について「金融政策動向の不透明さに加えて(国内の)企業業績の弱さも目立っており、下押しリスクの方が高い」とみている。
24日に実施予定の日銀の次期正副総裁の所信聴取については「就任前で市場が動揺するような発言が出る可能性は低く、無難通過となるのではないか」(国内運用会社・ストラテジスト)との声が出ている。
TOPIXは1.11%安の1975.25ポイントで取引を終了。東証プライム市場指数は1.11%安の1016.36ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は2兆8131億3200万円だった。東証33業種では、海運業、医薬品以外の31業種が値下がり。特に、電気機器、繊維業、電気・ガス業の下落が目立った。個別では、ゆうちょ銀行<7182.T>が6.4%安と軟調。ロイターが前日夜、日本郵政<6178.T>が年度内の売却を想定しゆうちょ銀の株式を売却する方向で調整に入っており決定すれば規模は1兆円を超える可能性があると報じ、嫌気された。ファーストリテイリング<9983.T>が1.9%安、ソフトバンクグループ<9984.T>が2.1%安となるなど、指数寄与度の大きい銘柄群もさえない。プライム市場の騰落数は、値上がり375銘柄(20%)に対し、値下がりが1393銘柄(75%)、変わらずが69銘柄(3%)だった。13757

 

R5.2.23 祝日

 

R5.2.24 東京株式市場・大引け=反発、日銀緩和継続の思惑が支援 銀行株は下落

[東京 24日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比349円16銭高の2万7453円48銭と、反発して取引を終えた。米ハイテク株高を受けて小高く寄り付いた後、次期日銀総裁候補の植田和男氏が金融緩和を継続する趣旨の発言をしたことが伝わると上昇に弾みがついた。銀行株は軟調だった。

日経平均は前営業日比40円高と小反発で寄り付いた後、徐々に上げ幅を拡大。午前9時半過ぎに衆院で植田候補の所信聴取が始まり、現在の金融政策について「副作用をもたらしているが、経済・物価情勢踏まえると必要かつ適切な手法」と発言すると当面は金融緩和が継続するとの思惑が広がった。日経平均は一時361円高の2万7465円90銭に上昇した。
植田氏の所信を巡って市場では「もともと緩和継続の考えが伝わっており、想定の範囲内と言える。とはいえ、市場は身構えていた面もあったため安心感が株高につながった」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用本部長)との声が出ている。イベントの通過に伴い「少なくとも日銀サイドの要因で上値を抑える懸念は、和らいだとみていいだろう」(藤原氏)という。株価の上昇は午後には一服し、高値圏でのもみ合いが続いた。
市場の関心は再び米国の金融政策や景気に移る。目先では今晩、米連邦準備理事会(FRB)が重要視する1月コアPCE(個人消費支出)デフレーターなどが発表される。
米半導体大手エヌビディア<NVDA.O>が22日に発表した決算が好調だったことなどを支えに半導体関連株やハイテク株がしっかりで相場をけん引し、植田氏の発言後も上値を伸ばした。東京エレクトロン<8035.T>が7%超の大幅高。TDK<6762.T>やSMC<6273.T>も堅調だった。
一方、緩和修正への思惑が支えとなっていた銀行株は軟調に転じ、三菱UFJ FG<8306.T>は1%安。祝日前に堅調だった医薬品も弱く、第一三共<4568.T>は2%安だった。TOPIXグロース指数は0.99%高、同バリュー指数は0.36%高で、グロース株の優位が目立った。
TOPIXは0.67%高の1988.40ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.67%高の1023.12ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は3兆0339億9100万円だった。東証33業種では、値上がりは海運業や電気機器、不動産業など24業種で、値下がりは銀行業や医薬品、鉄鋼など9業種だった。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1333銘柄(72%)、値下がりは441銘柄(24%)、変わらずは61銘柄(3%)だった。13878

 

横ばい、強弱材料入り混じり値幅限定か=来週の東京株式市場

[東京 24日 ロイター] – 来週の東京株式市場は、横ばい圏の推移が想定されている。日銀の次期正副総裁候補の所信聴取を無難に通過し、株式市場には買い安心感が広がった一方、米国のインフレ動向や米金融政策を巡る不透明感は相場の重しとなりそうだ。来週も2万7000円台での値動きが予想され、値幅は限定的になるとみられている。物色動向としては、引き続き低PBR(株価純資産倍率)銘柄への買いが入るのではないか、との指摘が出ている。
日経平均の予想レンジは2万7000―2万7700円。
<SBI証券 投資調査部長 鈴木英之氏>
「来週は強弱材料が混じる中、日経平均は横ばいの値動きとなりそうだ。日銀の正副総裁候補の所信聴取を無難に通過し、底堅い展開が続くと予想される一方、米金融引き締めの長期化懸念は重しとなりそうだ。日経平均は2万7500円を超えると戻り売りが出る可能性もあるとみている。東証は今春にもPBRが継続して1倍を割っている企業に改善に向けた取り組みや進捗状況の開示を要請する方針で、物色面では低PBR株が引き続き買われそうだ。期末に向けた配当取りも予想され、銀行株を中心とした銘柄が上昇しやすいのではないか。ドル/円相場の円安基調も企業業績面では輸出株の支援材料となりそうだ」
<フィリップ証券 アナリスト 笹木和弘氏>
「足元では、時価総額の大きい銘柄がしっかりと推移しており、長期の機関投資家の資金が入っている印象を受ける。日銀の正副総裁候補の所信聴取で、しばらくは金融緩和が継続するとの見方が強まった点も踏まえると、下値を探り、軟調な展開は見込みづらい。ただ、2万8000円に向けて大きく上昇する可能性も低く、2万7700円程度では上値を抑えられそうだ。ロシアによるウクライナ侵攻から1年が経ち、地政学リスクの高まりには注意が必要だ。目先、ウクライナ情勢で緊張が一段と高まった場合は、リスクオフ姿勢が強まるとみられ、株価の下押し圧力がかかりやすいとみている」

 

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