今日の一言:人間万事塞翁が馬

今週の株 R5.1.4~ キシダウンからの2023年度大発会そして・・・

東京ロイター

R5.1.4 東京株式市場・大引け=反落、米株安や円高を嫌気

[東京 4日 ロイター] – 2023年最初の取引となった東京株式市場で日経平均は、前営業日比377円64銭安の2万5716円86銭と、反落して取引を終えた。終値ベースでは22年3月以来9カ月半ぶり安値となった。前日の米株安が嫌気されたほか、為替が昨年末に比べ円高方向に振れて幅広い銘柄が売られた。下げ幅は一時、前営業日比で400円を超え「ご祝儀」相場とはならなかった。

日経平均は約260円安で寄り付いた後も下げを拡大し、一時約432円安の2万5661円89銭に下落した。前日の米国市場で米アップル<AAPL.O>などのハイテク株が売られ、東京市場でも値がさの半導体関連や電子部品が軟調となり、指数の重しになった。ドル/円は前日に一時129円台をつけ、昨年末から円高方向に振れたことが輸出関連株の売りを誘った。市場では、日銀が金融緩和政策をさらに修正するのではないかとの思惑から、円の先高観が意識された。
一方、利ざや改善期待で銀行など金融株は堅調に推移。日銀の12月会合での政策修正後の堅調な地合いが続いた。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など主要3行は昨年来高値をつけた。
昨年末の悪いムードを引きずり、大発会での仕切り直しとはならなかった。米国で12月連邦公開市場委員会(FOMC、13─14日開催分)議事要旨が公表されるほか、12月ISM製造業景気指数の発表を控えた警戒感も重しになった。

年末年始の需給要因に加え、日米の金融政策への思惑がくすぶり「例年の大発会より激しく動いた」(りそなアセットマネジメントの戸田浩司ファンドマネージャー)と受け止められた。きょうの弱い地合いが短期的か、今年の方向感を示すかは判断しにくいとして「来週の前半辺りまで見極めたい投資家は多いのではないか」(戸田氏)との声が聞かれた。
TOPIXは1.25%安の1868.15ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比1.24%安の961.23ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は2兆7628億7400万円だった。東証33業種では、値上がりは銀行業や保険業、証券業など3業種で、値下がりは海運業や鉱業、医薬品など30業種だった。アドバンテスト<6857.T>や三菱自動車工業<7211.T>が大幅安だったほか、商船三井<9104.T>も売られた。一方、みずほFG<8411.T>やT&D HLDG<8795.T>が大幅高となり、昨年来高値を更新。電気自動車(EV)向け充電器の規制緩和の思惑で東光高岳<6617.T>は大幅高となった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが213銘柄(11%)、値下がりは1584銘柄(86%)、変わらずは41銘柄(2%)だった。13523

終値 前日比 寄り付き 安値/高値 経平均 25716.86 -377.64 25834.93 25,661.89─25,840.68
TOPIX 1868.15 -23.56 1879.19 1,862.27─1,879.51
プライム指数 961.23 -12.10 966.55 958.19─966.55
スタンダード指数 986.17 -9.18 994.69 986.17─994.69
グロース指数 904.99 -22.88 922.69 904.80─922.83
東証出来高(万株) 124487 東証売買 27628.74代金(億円)

R5.1.5 東京株式市場・大引け=続伸、一時2万6000円回復 輸出関連や値がさ株が堅調

[東京 6日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比153円
05銭高の2万5973円85銭と、続伸して取引を終えた。為替が対ドルで円安に振れ
たことで輸出関連銘柄に買いが入ったほか、年末から売られてきた割安感から、値がさ株
の一角が買われた。上げ幅は一時200円超となり、節目の2万6000円を回復する場
面もあった。
日経平均は反落で始まった後、一時100円超下げたが、その後はプラスに転じた。
後場に入ると、一時200円超高となり、2万6000円を挟んでもみ合う展開が続いた

前日に続き、半導体関連銘柄がしっかりだったほか、自動車株など輸出関連も堅調。
このところ売られていた海運株が買われ、原油高を受けて鉱業もしっかりだった。一方、
金利先高観から不動産業は売られた。
午後には、日本銀行はイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)のさら
なる修正を急ぐ必要はないとみているとの一部報道を受けて、銀行株が上下する場面もあ
った。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは、「前
日の米国株は3指数下落したが、日本株はしっかりしている印象。年末から日本株はずっ
と売られてきたので、2万6000円を割り込むと割安感が出て、いったん買い戻しの動
きが出ているのだろう」との見方を示した。
日本時間の今晩、米国で12月の雇用統計の結果が発表されるため、結果を見極めた
い投資家も多く、積極的な売買は手控えられた。
TOPIXは0.37%高の1875.76ポイント、東証プライム市場指数は前営
業日比3.54%高の965.17ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金
は2兆5008億300万円だった。東証33業種では、値上がりは海運や鉱業など17
業種で、値下がりは不動産やその他製品など16業種だった。
個別では、値がさの東京エレクトロン<8035.T>やソフトバンクグループ<9984.T>が堅
調、トヨタ自動車<7203.T>はしっかりだった。一方、三菱地所<8802.T>や東京海上ホール
ディングス<8766.T>は軟調だった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1054銘柄(57%)、値下がりは69
6銘柄(37%)、変わらずは88銘柄(4%)だった。13580

神経質、米CPIが焦点 決算で個別物色も=来週の東京株式市場

[東京 6日 ロイター] – 来週の東京株式市場は、神経質な展開が想定されている。米国の金融政策の先行きを巡り、連邦準備理事会(FRB)と市場との間で見方に乖離(かいり)がある中、12月米消費者物価指数(CPI、12日)への警戒感がくすぶる。国内では、セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>やファーストリテイリング<9983.T>、安川電機<6506.T>などの決算発表が予定されており、個別物色が活発化するとみられる。

日経平均の予想レンジは2万5600円―26400円

<野村証券 投資情報部ストラテジスト 沢田麻希氏>

「上値は重いが下値も固い、レンジ推移を見込んでいる。週内に米CPIの発表があるほか、月末には連邦公開市場委員会(FOMC)が控えていることもあって上値は引き続き重そうだ。一方、株価収益率(PER)はレンジ下限にあり、買い戻しの動きもある。為替が急速な円高を調整する動きとなれば、輸出株を中心に下支えになるだろう。小売企業の決算発表が相次ぐ週でもある。月次統計で堅調な動向が確認されており、個別物色は活発化しそうだ」

<岩井コスモ証券 投資情報センター長 林卓郎氏>

「米CPIに向けて今週以上に動きにくくなるのではないか。日本を含め、経済指標の発表を受けた金利を巡る思惑で、株価の上下もあるだろう。ただ、この2週間ほどは日銀の動向や円高が意識され、日本株は世界の中でも弱めの動きだったが2万5000円台では買われることが確認された。売られ過ぎの修正があってもおかしくない。中国経済の正常化への期待や、株価が復調気味となっていることは支えになるだろう」
*イベントダイアリー[M/DJP]
*経済指標予測 [JP/FOR]