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今週の株式投資R4.7.19-22 動かない夏枯れ?相場

東京ロイター

[東京 19日 ロイター] – 今週の東京株式市場は、強もち合いが想定されている。米金融引き締めに対する懸念は残るものの、最近の日米株価動向から最悪期は織り込んだとの見方が出ている上、ドル高/円安、原油価格下落など日本株へのプラス要因があり、直近の好地合いを継続することになりそうだ。ただ、新型コロナウイルスが再び感染拡大傾向にあることが警戒されるほか、決算発表シーズン前で積極的買いも見込めず、上値は限定的になるとみられる。

日経平均の予想レンジは2万6700円─2万7500円。

40年ぶりの大幅な伸びを示した6月米消費者物価指数(CPI)がショック安につながらなかったことで「米金融引き締めについて日米ともに最悪期まで織り込んだ」(東洋証券・ストラテジストの大塚竜太氏)との声が聞かれ、日経平均は徐々に戻り歩調となってきた。

地合いの好転が感じられる中、外為市場ではドル高/円安が進行し輸出関連株の追い風となる一方、金利上昇圧力を強めるとともに企業業績の圧迫要因となっていた原油安が鮮明となった点が注目されている。市場では「原油価格の下落で環境面の景色が変わりそうだ。ロシアのウクライナ侵攻以前の水準まで下げれば、株高シナリオが描けるようになる」(大和証券・チーフテクニカルアナリストの木野内栄治氏)との声が聞かれた。

環境面が落ち着いてきたことで堅調な動きが見込める状況になり、物色面ではリオープン(経済再開)銘柄のほか、これまで調整を余儀なくされてきたグロース株にも出番が回るとの見方もある。ただ「グロース株は信用買い残が膨らんでいる銘柄が多いので需給に難があり、全体的に戻りに転じても上値は限定的になるのではないか」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)という。

テクニカル面では、6月28日、7月11日の両高値が2万7062円で合致し、強力なダブルトップ天井として意識されている。市場では「全体が薄商いとなる中、この両高値を抜けるかどうかが注目点。ブレークすれば、相場はかなり強くなる」(野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏)との指摘もあり、目先はチャート上で正念場を迎えることになりそうだ。

企業決算発表がまもなく本格化することから、その前の積極的な売買は見送られやすい。注目は20日の日本電産<6594.T>。このほか、国内では20日─21日の日銀政策決定会合、22日発表の6月全国消費者物価指数などが関心を集めそうだ。

R4.7.19 4日続伸、米引き締め警戒が和らぐ 伸び悩みも

[東京 19日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比173円21銭高の2万6961円68銭と、4日続伸した。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めに対する過度な懸念が和らぎ、幅広い業種に買いが入った。約1週間ぶりに一時2万7000円を回復した。ただ、テクニカル面で上値の重さも意識され、買い一巡後は伸び悩んだ。

日本が休日だった前日の米株市場は反落したが、前週末と合わせてプラスだったことを好感する形で、日本株も前週の好地合いを引き継いで始まった。寄り付きで200円超高となり、心理的節目の2万7000円を回復。その後は、前営業日比255円11銭高の2万7043円58銭に上値を伸ばした。
一方、買い一巡後は、上値を追う材料に乏しく、指数は伸び悩んだ。一時、前週末の終値付近まで上げ幅を縮める場面もあった。テクニカル面では6月28日と7月11日に付けた高値2万7062円がダブルトップの強力な節目として意識され、利益確定や戻り待ちの売りに上値を抑えられた。
半導体関連や電子部品といったハイテク株が下値の堅い値動きとなったほか、米WTI先物が底堅い中で、鉱業や石油・石炭製品などもしっかりだった。一方、医薬品や食料品は軟調だった。

米国で決算シーズンが始まっているほか、国内企業の決算シーズンも近いことから、市場では「あまり無理をしたくない局面」(証券ジャパンの大谷正之投資情報部部長)との声が聞かれた。ただ、このところ下向きだった25日移動平均線が上向きに転じそうだとして「地合いは悪くない」(大谷氏)ともみられている。
TOPIXは0.54%高の1902.79ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.55%高の978.99ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は2兆4278億6700万円だった。東証33業種では、値上がりは鉱業や海運業、ゴム製品など22業種で、値下がりは電気・ガス業やその他製品、医薬品など11業種だった。
ファーストリテイリング<9983.T>や三菱重工業<7011.T>が堅調だったほか、川崎汽船<9107.T>がしっかり。一方、東京電力HLDG<9501.T>や第一三共<4568.T>がさえなかった。エムスリー<2413.T>も軟調だった。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1161銘柄(63%)、値下がりは617銘柄(33%)、変わらずは60銘柄(3%)だった。15722

R4.7.20 5日続伸、700円超高 ハイテク株中心に買い戻し

[東京 20日 ロイター] – 東京株東京株式市場で日経平均は、前営業日比718円58銭高の2万7680円26銭と5日続伸して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)による過度な金融引き締めへの警戒感や米国のインフレ懸念が後退し投資家心理が改善、金利に敏感なハイテク株などに買い戻しが入り相場を押し上げた。日経平均は1日を通して堅調で、今年4番目の上げ幅を記録し6月10日以来の高値で引けた。

前日の米株高の流れを引き継ぎ、日経平均は朝方から堅調に推移した。米金融政策を巡りFRB高官から75ベーシスポイント(bp)の利上げを支持するコメントが出ており「(100bpの利上げなど)行き過ぎた金融引き締めへの警戒感が緩和されている」(国内証券)という。
これまで売られていた反動で半導体関連株を中心とした買い戻しが活発で、指数寄与度の大きい東京エレクトロン<8035.T>は4%超高、アドバンテスト<6857.T>、信越化学工業<4063.T>なども堅調に推移した。

日経平均は、上値が重かった2万7000円付近を明確に抜けたことで「上値追いの様相となっている」(国内運用会社)という。市場は米国の大幅利上げなどの材料をほぼ織り込み、「投資家心理もいったん陰の極を付けた」(同)と指摘されている。すでに市場では、米国の利上げよりもいつ利下げに動くの焦点になっているとの声も出ている。

一方で、ロシアとウクライナ問題に絡んだエネルギー供給の課題や新型コロナウイルスの感染再拡大がみられる中国の動向など、リスク要因もくすぶる。ソニーフィナンシャルグループのシニアエコノミスト・渡辺浩志氏は「米国のインフレや金融政策に関する警戒感は和らいだものの、市場はわずかな好材料に過剰に反応して
いる感じもある」として、日経平均は目先2週間程度は上下動を繰り返しながら2万7500円中心の推移が続くとみている。

TOPIXは2.29%高の1946.44ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比2.30%高の1001.48ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆8749億4000万円だった。東証33業種では、全業種で値上がりした。

個別では、指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>やソフトバンクグループ<9984.T>がそれぞれ2%高としっかり。北の達人コーポレーション<2930.T>、松屋<8237.T>なども堅調に推移した。半面、東京エネシス<1945.T>、リブセンス<6054.T>などはさえない。プライム市場の騰落数は、値上がり1727銘柄(93%)に対し、値下がりが88銘柄(4%)、変わらずが23銘柄(1%)だった。15722

 

R4.7.21 6日続伸、日銀緩和維持で安心感 上げ幅徐々に拡大

[東京 21日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比122円74銭高の2万7803円00銭と6日続伸して取引を終えた。日銀が金融政策の現状維持を決めたことで安心感が広がり、後場にプラス圏へと浮上した。前場の日経平均はマイナス圏で推移していたが、お昼休み時間に日銀の金融政策決定会合の結果が公表され、金融政策の現状維持と伝わると後場にはプラス圏に浮上した。「緩和継続が確認されたことで市場には安心感が広がった」(国内証券)という。

前日までの日経平均の上昇が急ピッチだったことから、日本株は小安く寄り付いた後、小動きが続いた。正午過ぎに日銀の緩和維持が伝わると、日経平均先物が上昇。「緩和継続が確認されたことで市場には安心感が広がった」(国内証券)との声が聞かれ、後場の日経平均はプラス圏で底堅く推移し、大引けにかけて徐々に上げ幅を広げた。方向感は乏しく、セクター別の物色など特徴はみられなかった。

市場では米国の金融引き締めに対する過度な懸念が和らいでおり、「金利上昇で株価が下がる逆金融相場から、業績相場へ移行する転換点にある」(国内証券)との見方も出ている。来週から本格化する日本企業の決算は、円安進行を受けて輸出型企業は好業績が見込まれる一方、コスト高の影響も注目される。SMBC信託銀行の投資調査部長・山口真弘氏山口氏は「業種ごとに業績が分かれる可能性があり、日経平均は上昇しても力強さが続くかは不透明」と語る。

TOPIXは0.21%高の1950.59ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.21%高の1003.61ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆5079億1900万円だった。東証33業種では、値上がりは水産・農林業、海運業、精密機器など19業種で、値下がりは鉄鋼や電気・ガス業、空運業など14業種だった。

個別では、指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>は小幅上昇した一方、東京エレクトロン<8035.T>は値下がりした。前日に新型コロナウイルス経口治療薬の緊急承認が見送られた塩野義製薬<4507.T>もさえない。プライム市場の騰落数は、値上がり1312銘柄(7%)に対し、値下がりが441銘柄(23%)、変わらずが85銘柄(4%)だった。15723

 

R4.7.22 7日続伸、決算への期待感から好地合いを維持

[東京 22日 ロイター] -東京株式市場で日経平均は、7日続伸した。前日比111円66銭高の2万7914円66銭で大引けた。朝方は高値警戒感から小反落したものの、来週からの決算発表シーズンで好業績銘柄が増えるとの期待感が強まり、好地合いを維持して上値を追う展開となった。

21日の米国株式市場は続伸。予想を上回る四半期決算を発表したテスラなど大型成長株への買いが通信株やエネルギー株の下げを相殺し、終盤にかけて値を上げた。好決算の話題は日本株にも出ており、前日は海運大手3社がそろって上方修正を公表。これが買い安心感を誘い、株価上昇を促す要因になった。

きのうまでの6日続伸によって高値警戒感が生じているものの「海運株の上方修正が示したように、ファンダメンタルズから売りにくい」(雨宮総研・代表の雨宮京子氏)との声も聞かれたほか、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)についても、ほぼ材料として織り込んだとの見方が出ており、株価は下振れしにくくなっているという。ただ、ここからの上値については「2万8300円台のダブルトップは強力で、ここから上値を追うには、強力な買い材料が必要」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との指摘もあった。

TOPIXは0.28%高。東証プライム市場の売買代金は、2兆6252億4500万円だった。東証33業種では、海運業、サービス業などが上昇し、電気・ガス業が下落。個別では、日本郵船<9101.T>など海運株がしっかりとなったほか、ファーストリテイリング<9983.T>が連日の年初来高値更新となり、東京エレクトロン<8035.T>も堅調に推移した。半面、東京電力ホールディングス<9501.T>が大幅安となった。プライム市場の騰落数は、値上がり1014銘柄(55%)に対し、値下がりが712銘柄(38%)、変わらずが112銘柄(6%)だった。15723

 

来週 FOMCこなし上値余地探る、堅調な企業業績への思惑も=来週の東京株式市場

[東京 22日 ロイター] – 来週の東京株式市場は、上値余地を探る展開が想定される。米連邦公開市場委員会(FOMC)などの重要イベントが控えるほか、日米で決算が本格化する。連騰を経て高値警戒感がくすぶる一方、堅調な企業業績が相場の支えになるとの思惑もあり、戻り基調の持続力が試される。

日経平均の予想レンジは2万7500円―2万8500円。

最大のイベントは26―27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)。市場では一時1%の大幅利上げの見方が強まったが、米連邦準備理事会(FRB)高官らが否定的な見解を示したことで足元では0.75%の利上げの織り込みが進んでいる。大きなサプライズは見込まれておらず、無難に通過すれば買い安心感につながりそうだ。

FOMCの翌日には4―6月の米実質国内総生産(GDP)が発表される。2四半期連続で成長率がマイナスとなる「テクニカルリセッション」入りへの警戒感がくすぶるが「そうなったとしても、足元の経済状況は不況とまでは言えない。利益確定の口実に使われかねないが、短期的ではないか」(国内証券)との声も聞かれる。

米国の金融引き締めへの過度な警戒感が和らぐ中、米国株が底入れムードとなり日本株の連騰につながった。ただ、足元の株高は売られ過ぎの買い戻しが中心とみられており「中長期の資金が上値を買っていける状況ではまだない。企業業績の見極めが重要」(水戸証券の酒井一チーフファンドマネージャー)との声もある。

米国では決算シーズンが山場を迎える。26日のマイクロソフト<MSFT.O>やアルファベット(グーグル)<GOOGL.O>をはじめ、市場のセンチメントに影響を与えやすい大手ハイテク企業群「GAFAM」各社の決算が相次ぐ。これまでの米企業決算は市場の想定ほど悪くないと受け止められており「GAFAMも堅調となれば、日本株も上値余地が広がる」(野村証券の澤田麻希ストラテジスト)とみられる。

国内でも決算シーズンが本格化する。キヤノン<7751.T>(26日)やファナック<6954.T>(27日)、アドバンテスト<6857.T>(28日)、ソニーグループ<6758.T>(29日)といった注目企業の発表が予定される。「主要企業で高い進捗率が相次ぐようなら、中間決算に向けて上方修正期待が高まり、相場の支えになる」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)という。

日経平均は足元では200日移動平均線を上回っており、高値警戒感もつきまとう。今年は200日線の維持は数日しかないだけに「持続力が試される」(別の国内証券)との声も出ている。

 

 

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