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今週の株式投資R3.12.6-12.10 オミクロンの影響が不明だから何もできない。

東京ロイター

R3.12.6

[東京 6日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反落した。前週末の米国株安が嫌気されたほか、米国のテーパリング(量的緩和の段階的縮小)加速への懸念や新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」を巡る警戒感も根強かった。個別では、指数寄与度の高いソフトバンクグループ <9984.T>が前営業日比8%超安となり、日経平均を約96円押し下げる要因となった。

日経平均は前週の下げの値ごろ感から小高く続伸でスタートしたが、直後に一転、主力株を中心に売り優勢となり、一時335円66銭安の2万7693円91銭で安値を付ける場面があった。その後は時間外取引で米株先物のしっかりとした値動きが支えとなり、徐々に下げ渋る展開となった。みずほ証券のシニアテクニカルアナリスト、三浦豊氏は「テーパリング加速懸念やオミクロン株への警戒に加え、中国企業のIT株の下落を受けたアジア株安など、売り材料が複合的に重なり合い、利益確定売りに拍車をかけた」との見方を示した。今週は米国で10日に発表される消費者物価指数(CPI)が市場で注目されており、下値模索の展開になりやすいという。

個別では、ソフトバンクグループが7日続落し、8.2%安の5103円。連日の年初来安値(5423円=3日)更新となった。保有するアリババ株の軟調な動きや、傘下の英半導体設計アームのエヌビディアへの売却計画の不透明感などの環境悪化に加え、足元で需給の悪化も意識された。そのほか、第一三共<4568.T>、中外製薬<4519.T>なども大幅安。ファーストリテイリング<9983.T>、東京エレクトロン<8035.T>、KDDI<9433.T>は1%超高と小じっかりだった。TOPIXも反落し0.53%安の1947.54ポイント。東証1部の売買代金は2兆5071億4900万円だった。東証33業種では、情報・通信業、医薬品、精密機器などの16業種が値下がり。鉱業、海運業、パルプ・紙などの16業種は値上がり。銀行業は変わらずだった。東証1部の騰落数は、値上がりが835銘柄(38%)、値下がりが1245銘柄(57%)、変わらずが104銘柄(4%)だった。1024

R3.12.7

[東京 7日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は急反発。オミクロン株に対する警戒感が和らぎ、景気敏感株を中心に幅広く物色され、ほぼ全面高となった。米国株式市場でアリババ株が上昇したことを受け、ソフトバンクグループ<9984.T>が急反発したことも投資家心理を改善させたとの見方も出ている。

6日の米国株式市場は反発。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」を巡る当局者の前向きなコメントを好感した。主要株価3指数ではダウ工業株30種<.DJI>の上昇率が最大となった。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は5日、オミクロン株について、さらなる研究が必要としながらも「現時点で重症化の度合いはそれほど高くないようだ」と述べた。これを日本株も好感して、主力銘柄を中心に上昇。値上がり銘柄数は2000を超えるほぼ全面高商状となった。

市場では「商いがそれほど膨らんでおらず、買い戻しが中心とみられるが、投資家心理は良好となり、戻りに対する期待が膨らんでいる。配当金の再投資など好需給が株価を支えることになりそうだ」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声も聞かれた。TOPIXは2.17%高。東証1部の売買代金は3兆1135億9700万円だった。東証33業種は、水産・農林業を除く32業種が上昇。とくに、空運業、海運業など
の値上がりが目立つ。個別では、ソフトバンクグループが急反発したほか、東京エレクトロン<8035.T>など半導体関連株もしっかり。トヨタ自動車<7203.T>など主力銘柄も総じて堅調だった。東証1部の騰落数は、値上がり2110銘柄に対し、値下がりが58銘柄、変わらずが16銘柄だった。1024

R3.12.8

[東京 8日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は続伸した。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」を巡る懸念が和らいで上昇した前日の米国株式市場の動きを好感し、買い戻しが継続した。ただ、戻り売りへの警戒感もあり、一段の上値追いには慎重となった。

 日本株は、米株高を好感し、前日の好地合いを引き続いで上昇した。「直近の下落で売られすぎた銘柄は多く、買い戻しの動きが続いた」(国内証券)といい、幅広く物色された。ハイテク株が相場を牽引。米株市場でフィラデルフィア半導体指数<.SOX>が一時5%超の大幅高となり、半導体装置関連は総じて堅調となった。一方、200日移動平均線(2万8903円63銭=8日)付近では戻り売りが警戒され、上値を抑えられた。今週末の11月米消費者物価指数(CPI)の発表や、14―15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えており、警戒感がくすぶる。ただ、直近の下落局面では8月や10月の安値をつけることなく反発しており、市場では「リバウンドの反動が今後、多少はあるかも知れないが、下値は固まってきたようだ」(証券ジャパンの大谷正之投資情報部長)との見方も聞かれた。TOPIXは0.62%高で取引を終了。終値ベースで2000ポイントを回復した。オミクロン株の出現が伝わる前の11月25日以来。東証1部の売買代金は3兆0620億9400万円だった。東証33業種では、精密機器、その他製品、医薬品など15業種が上昇した一方、不動産業、海運業、倉庫・運輸関連業など18業種が値下がりした。個別では、東京エレクトロン<8035.T>や信越化学工業<4063.T>、TDK<6762.T>などがしっかり。任天堂<7974.T>やソニーグループ<6758.T>も買われた。一方、トヨタ自動車<7203.T>や住友不動産<8830.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>がさえない動きとなった。商船三井<9104.T>などの海運株も軟調だった。東証1部の騰落数は、値上がりが1195銘柄(54%)、値下がりが904銘柄(41%)、変わらずが85銘柄(3%)だった。1024

R3.12.9

[東京 9日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反落した。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」への不安は後退してきたものの、前日までの大幅上昇への警戒感や、心理的節目2万9000円付近での戻り売り圧力が意識され、上値追いには慎重となった。
日本株は朝方から上下いずれにも大きく振れることはなく、日経平均は前日比小幅安の水準での小動きが継続。大引けにかけて、やや下げを広げた。200日移動平均線(2万8894円92銭=9日)に上値を抑えられたほか、心理的節目2万9000円付近には25日や75日といった主要な移動平均線が密集していることもあって、戻り売り圧力が警戒された。一方、日経平均は株価収益率(PER)が8日時点で13.85倍と、引き続き割安感が意識されており、足元で特段の悪材料が見当たらない中では下げも深まらなかった。あすのメジャーSQ(特別清算指数)算出を前に「先物は短期筋の売り方と買い方がにらみ合い、全体的に相場は膠着した」(水戸証券の酒井一チーフファンドマネージャー)との見方も聞かれた。

TOPIXは0.57%安で取引を終了。節目の2000を再び下回った。東証1部の売買代金は2兆3166億0900万円だった。東証33業種では、繊維業、精密機器、金属製品など28業種が下落し、倉庫・運輸関連業、ゴム製品、空運業など5業種が上昇した。個別では、トヨタ自動車<7203.T>やソニーグループ<6758.T>など主力銘柄にさえない銘柄が目立った。日立製作所 <6501.T>も売られた。半導体製造装置関連は、東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>がさえなかった一方、レーザーテック<6920.T>などの一角は堅調で、まちまちとなった。ANAホールディングス<9202.T>は小じっかり。東証1部の騰落数は、値上がりが735銘柄(33%)、値下がりが1362銘柄(62%)、変わらずが87銘柄(3%)だった。1024

R3.12.10

[東京 10日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は続落。米消費者物価指数(CPI)の発表を控えた週末とあって、終始見送りムードが強く、利益確定売りが先行する展開となった。短期的に下値の目安になると注目されていた5日移動平均線を終値で下回り、調整機運が一段と高まっている。9日の米国株式市場は下落。前日まで3営業日続伸していたことから利食い売りが出て軟化し、日本株もさえない始まりとなった。目先最大の注目点になるのは、日本時間の今晩に発表される米CPIだが、この内容を見極めたいとする国内の大口投資家が多い。日本株は朝方こそSQ(特別清算指数)算出後に持ち直す場面があったものの、その後は終始、買い手控えムードが強い中で安値圏で推移。大引けにかけて売り直され下げ足を速めた。

市場では「CPIの発表後も、来週はFOMC(連邦公開市場委員会)を控えるため、投資家の買い意欲は減退している。中国恒大集団<3333.HK>の問題やオミクロン株など環境面の不透明感が強いだけに、週末を意識して売り急ぐ動きも出ていたようだ」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声も聞かれる。

TOPIXは0.77%安。東証1部の売買代金は2兆6680億2300万円だった。東証33業種では、金属製品を除く32業種が値下がり。個別では、ソフトバンクグループ<9984.T>、東京エレクトロン<8035.T>などが下落したが、任天堂<7974.T>は高い。東証1部の騰落数は、値上がり481銘柄に対し、値下がりが1607銘柄、変わらずが95銘柄だった。1024

来週は・・・

[東京 10日 ロイター] – 来週の東京株式市場は、慎重に上値を探る展開が想定されている。ヤマ場となるのは週半ばに控える米連邦公開市場委員会(FOMC)だが、市場はすでに、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が直近の発言機会でタカ派寄りの姿勢を示したことを消化してきてもいる。FOMCを無難に通過すれば、年末に向けて株価上昇が見込めるとの思惑も出ている。

日経平均の予想レンジは2万8200―2万9200円。

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」への警戒感は足元で和らいでおり、市場の関心は、再び米国のインフレや金融政策の動向に向かっている。10日発表の11月米消費者物価指数(CPI)を消化すれば、14─15日に開催されるFOMCの結果とその後のパウエルFRB議長会見が、次のヤマ場となる。

米金融政策を巡っては、パウエル議長が11月30日の米上院銀行委での証言で、テーパリング(量的緩和の縮小)の加速を強くにじませる「タカ派」的な発言をし、オミクロン株への警戒感も相まって株式市場は揺さぶられた。

議長発言を受け、米金融政策を巡る市場の思惑は、テーパリング終了時期が年央から春先へと前倒しになり、利上げ開始時期も年央に早まってきている。市場では「タカ派のFOMCはかなり織り込まれた。市場の想定以上にタカ派色が強まらない限り、相場影響は限定的ではないか」(証券ジャパンの大谷正之投資情報部部長)との見方が優勢となっている。

先のパウエル議長の発言を巡っては「議会の場でもあり、政権への配慮があったのだろう」(三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト)との受け止めも聞かれる。FOMC後に米金利が落ち着いた動きなら「株価は年末に向けてポジティブな動きを期待し得る」(同)との見方が出ている。

もっとも、リスク要因も引き続きくすぶっている。オミクロン株への市場の警戒感は和らいだが、まだ解消されていない。既存ワクチンの有効性について近く、関係機関が見解を示すと見込まれている。このほか、週末には米国版メジャーSQ(特別清算指数)算出を控えており、相場の撹乱要因になるリスクがある。米株価は高値圏にあり、利益確定売りが強まりかねない危うさもつきまとう。

日本では13日に日銀短観、16―17日に日銀の金融政策決定会合が予定される。中国では15日に11月の小売売上高や鉱工業生産といった指標が発表される。

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