今日の一言:人間万事塞翁が馬

今週の株式投資R3.11.29-12.3 11月はパフォーマンスが良い月って言ったのは誰や!

東京ロイター

R3.11.29

[東京 29日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は続落した。南アフリカで確認された新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」の感染拡大が引き続き警戒された。日経平均は一時プラスに浮上したが、午後には再び軟調となって下げ幅を拡大した。為替が円高寄りに推移したことも重しとなった。朝方の日本株は、前週末の米株急落を受けて下値を模索して始まった。米株先物が時間外取引で堅調に推移したほか、日本株は前週末に海外に先立って下落していたこともあって売り一巡後は前引けにかけて短期筋を中心に自律反発狙いの買い戻しが活発化し、一時プラスに浮上した。ただ、後場は徐々に水準を切り下げる展開となり、朝方につけたきょうの安値を更新して下げ幅を拡大。一時、前日比564円50銭安の2万8187円12銭まで下落した。市場では「まだオミクロンの全体像がはっきりしたわけではない。関連報道に振らされやすく、ボラティリティーの高い状況はしばらく続きそうだ」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長)との声が聞かれた。

為替が円高寄りに推移し、自動車株はさえない動きとなった。空運や陸運、旅行関連などリオープン(経済再開)関連銘柄も総じて軟調。コロナ禍の影響を受けにくいとされる半導体関連は、朝方に総じて堅調だったが、午後には一角がマイナスに転じた。TOPIXは1.84%安で取引を終了。東証1部の売買代金は3兆3942億9900万円だった。東証33業種では31業種が下落。下落率上位は、空運業、陸運業、繊維業、輸送用機器などが下落した一方、値上がりは海運業とその他製品の2業種だった。

JR東日本<9020.T>やANAホールディングス<9202.T>、エイチ・アイ・エス<9603. T>などが下落。トヨタ自動車<7203.T>やソニーグループ<6758.T>といった主力株も軟調だった。半導体関連は東京エレクトロン<8035.T>がマイナスとなった一方、アドバンテスト<6857.T>やレーザーテック<6920.T>はプラスでまちまち。一方、日本郵船<9101.T>は堅調に推移し、任天堂<7974.T>もしっかりだった。東証1部の騰落数は、値下がりが1989銘柄で全体の91%となった。値上がりは159銘柄、変わらずは32銘柄だった。1620

R3.11.30

[東京 30日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は大幅続落となった。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」への警戒感が強まり、心理的節目の2万8000円を10月13日以来、約1カ月半ぶりに割り込んだ。後半は売り急ぐ展開となり、ほぼきょうの安値で引けた。東証1部の売買代金は、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が定期銘柄入れ替えを行うのに伴ってリバランスが活発化したとみられることから、5兆4893億7600万円と今年2番目の大商いとなった。29日の米国株式市場は上昇。オミクロン株について、バイデン米大統領がロックダウン(都市封鎖)の再導入にはつながらないと述べ、安心感が広がった。

 これを受けて日本株も反発してスタート。ただ、買い一巡後は「引け後にMSCIが銘柄入れ替えを行うのに伴い2000億円超の資金流出が観測されていることから買いが手控えられた」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)といい、中盤から伸び悩んだ。さらに、後場に入ってから、米モデルナ<MRNA.O>の最高経営責任者(CEO)がオミクロン株について、ワクチンの効果が低下する可能性が高いと指摘したという一部報道を受け、時間外取引で米株先物が下げに転じた。日本株も急速に値を消し、相場全体が売り急ぐような展開となった。市場では「朝方から徐々に下げていたのはMSCIを警戒した動きに見えるが、午後の急落はモデルナCEOの発言がきっかけになった」(国内証券)との声が聞かれた。TOPIXは1.03%安。東証1部の売買代金は5兆4893億7600万円の大商い。東証33業種では、鉄鋼、海運業、非鉄金属などの下げが目立ち、値上がりは陸運業など3業種にとどまった。個別では、ファーストリテイリング<9983.T>が大幅安となり年初来安値を更新したほ
か、朝高だった東京エレクトロン<8035.T>など半導体関連株が後半に値を消した。半面、ソニーグループ<6758.T>が小じっかり。東証1部の騰落数は、値上がり572銘柄に対し、値下がりが1533銘柄、変わらずが79銘柄だった。959

R3.12.1

[東京 1日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は4日ぶりに反発した。新型コロナウイルスの新たな変異株オミクロン株に対する警戒感が依然として強いものの、短期的に急落した後だけに突っ込み警戒感から買い戻す動きが出ていた。時間外取引で米株先物が堅調だったことも好感された。ただ、これまでの下げ幅に対して戻りは鈍く、全体的に自律反発の域は出ていない。11月30日米国株式市場では、主要株価3指数は下落した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が次回の政策会合で大規模な債券買い入れプログラムの縮小加速を検討する可能性を示唆し、新たなコロナ変異株を巡り神経質になっている市場がさらに圧迫された。

日本株は先行して下げていたこともあって、一時は下値を模索する動きとなりながらも、自律反発に転じた。時間外取引で米株先物が堅調に推移したことも支援材料となり、主力の輸出関連株などを中心に引き戻す銘柄が目立つ。ただ、オミクロン株に対する警戒感が強いほか「上値で買った投資家が多く、戻り売りが警戒されている」(国内証券)との声が聞かれ、日経平均が2万8000円以上の水準まで上昇すると動きが鈍くなった。

市場では「オミクロン株は不透明で見極める段階。これに関して明確な判断が下されるようになるまで、市場はボラティリティーの高い状態が続きそうだ」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)との声も聞かれる。

TOPIXは0.44%高。東証1部の売買代金は3兆2144億5800万円だった。東証33業種は、パルプ・紙、海運業、機械などの上昇が目立ち、情報・通信業などが下落。個別では、トヨタ自動車<7203.T>、日本郵船<9101.T>、ダイキン工業<6367.T>などが高い。半面、ソフトバンクグループ<9984.T>が年初来安値を更新した。東証1部の騰落数は、値上がり1368銘柄に対し、値下がりが751銘柄、変わらずが65銘柄だった。1029

R3.12.2

[東京 2日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反落した。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」が引き続き警戒され、全般的に軟調に推移した。米国の金融政策正常化への警戒感も上値を重くした。日本株は、米株安の流れを受けて反落で始まった。米株先物が時間外取引でしっかりと推移して投資家心理を支援し、日経平均は一時、プラスに浮上する場面があった。ただ、持ち直せば戻り売りが上値を押さえるという展開が続いた。指数寄与度の大きいソフトバンクグループ<9984.T>が連日の年初来安値更新したことも、相場の重しとなった。

日経平均は、8月20日につけた年初来安値2万6954円81銭が視野に入る中、オミクロン株の全体像はまだ見えず不透明感は払拭されていない。ただ、底堅さも意識されてきている。市場では「足元の水準から1000円上ぐらいまでが今年の中心レンジ。ニュース次第で上方向があり得る一方、下は堅そうに見える」(岩井コスモ証券の林卓郎投資情報センター長)との声が聞かれた。米アップルのスマホ「iPhone」の需要鈍化との一部報道があり、午前中にソニーグループ<6758.T>やTDK<6762.T>、村田製作所<6981.T>などが売られる場面があったが、後場には持ち直しもみせ「ニュースへの耐性がついてきた」(林氏)との見方も出ていた。TOPIXは0.54%安で取引を終了。東証1部の売買代金は3兆1477億1400万円だった。東証33業種では、鉱業、空運業、精密機器など21業種が値下がりした一方、海運業、電気・ガス業、ゴム製品など12業種が値上がりした。個別では、日本航空<9201.T>が売られたほか、東京エレクトロン<8035.T>など半導体装置関連も下げが目立った。ドル/円が円高気味となり日産自動車<7201.T>やマツダ<7261.T>などが軟調だった。トヨタ自動車<7203.T>は変わらずだった。一方、川崎汽船<9107.T>が東証1部の値上がり率で一時1位になるなど、海運株も物色された。東証1部の騰落数は、値上がり667銘柄に対し、値下がりが1431銘柄、変わらずが86銘柄だった。

前日の米国株式市場は続落し、主要株価指数が1%超下げて取引を終えた。オミクロン株の感染者が米国内で初めて確認されたことで不安が広がったほか、インフレ高進を巡るパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を消化する中、午前の高値から押し戻されて引けた。1025

R3.12.3

[東京 3日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反発した。朝方の日経平均は値がさ株の下落が重しとなりマイナス圏に転落する場面もあったが、後場は値ごろ感から買い戻しが先行し、高値引けとなった。日経平均は前週末の11月26日から前日3日までの5営業日で1700円以上下落したこともあり、値ごろ感からの買いが優勢となった。日経平均は2日の米国株式市場の上昇を好感し、反発してスタート。ただ、ナスダック総合<.IXIC>がダウ工業株30種<.DJI>と比較して上昇が鈍かったことに加え、ニューヨークで州で新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」の感染者5人が確認されたことなどが伝わり、東京株式市場では日経平均の値がさ株を中心に上値の重い展開が続いた。一時2万7600円を割り込み、10月6日以来の水準まで下落する場面がみられた。ただ、売り一巡後は自律反発狙いの買いが優勢となり、上げ幅を拡大。日経新聞電子版などが、米製薬大手メルク<MRK.N>の日本法人MSDが3日、新型コロナウイルスの治療薬候補「モルヌピラビル」の製造販売承認を厚生労働省に申請したと伝えたことなども株価を後押しした。市場では「日経平均はオミクロン株の出現以降下落していたが、きょうは値ごろ感から買い戻しが優位となった。東証1部全体では9割超が上昇しており、実質的には強い相場」(国内証券)との声が聞かれた。

TOPIXは前営業日比1.63%高の1957.86ポイント。東証1部の売買代金は2兆9347億3600万円。東証33業種では、その他製品を除く32業種が値上がり。空運業、海運業、陸運業、繊維業、不動産業などが値上がり率上位となった。個別では、ダイキン工業<6367.T>、リクルートホールディングス<6098.T>、信越化学
工業<4063.T>などがしっかり。空運や陸運、旅行関連などリオープン(経済再開)銘柄も買われた。ファーストリテイリング<9983.T>、東京エレクトロン<8035.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>などの日経平均の値がさ株は総じて軟調だった。東証1部の騰落数は、値上がり2015銘柄(92%)に対し、値下がりが138銘柄(6%)、変わらずが31銘柄(1%)だった。1024

来週は・・・

[東京 3日 ロイター] – 来週の東京株式市場は、強もちあいが想定されている。引き続きオミクロン株への警戒感が強いものの、日本株はテクニカル面ではこれ以上の下げはないとされる「陰の極」にあるほか、日経平均でPER(株価収益率)が13倍台と割安感が生じる水準まで低下しており、徐々に底堅さが増していきそうだ。需給面でも、中間配当金の再投資が期待され、当面は値固めになるとみられる。

日経平均の予想レンジは2万7700円─2万8500円。

タイムテーブル上では、14日─15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで大きなイベントは見当たらない。パウエル連邦準備理事会(FRB)議長のタカ派発言以降、市場は米長期金利の動向に神経質な状態となっていたが、FOMC開催までブラックアウト期間に入りFRB幹部の金融政策に関する発言は出てこないことから「目先は金融政策は材料になりにくい」(大和証券・チーフテクニカルアナリストの木野内栄治氏)という。

そうなれば市場の関心はオミクロン株に集まり「ワクチンや治療薬なども含め、欧米のオミクロン株への対応が株価を上下に振らす材料になる」(野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏)とみられる。オミクロン株の状況次第では、相場全般はボラティリティーの高い状況が続きそうだ。

一方、株価は「騰落レシオが売られ過ぎの目安となる70%を下回り、過去の経験則では反転が見込める」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)ほか、企業決算との見合いで割安と言える水準まで下落し、底入れが期待できる状況となってきた。
さらに「先にOECD(経済協力開発機構)が公表した経済見通しで、各国地域の下方修正が目立つ中で日本のみ2022年の見通しが上方修正された」(大和証券の木野内氏)ことなど、海外勢の買いを誘いそうな材料もある。

需給面では「中間配当金が投資家に届く時期でもあり、その再投資の期待が株価を支える要因になる」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)という。ただ「マザーズを含めた直近の乱高下で個人投資家の懐が痛んだ」(東海東京調査センター)との声もあり、上値ではやれやれ売りが重しとなる可能性もある。個人に人気が高く、指数寄与度が大きいソフトバンクグループ<9984.T>が下げ止まるかどうかも注目点になりそうだ。