今日の一言:人間万事塞翁が馬

今週の株式投資 R4.6.6-10 メジャーSQを控えてどう動くのか?

東京ロイター

もみあい、目先は神経質 下値固めから次のステップ探りに=今週の東京株式市場

[東京 6日 ロイター] –
今週の東京株式市場は、もみあいが想定されている。米国の過度な金融引き締めに対して強弱感が生じており、週末には金融政策に影響を及ぼす米CPIの発表を控えていることから、目先は神経質な展開となりそうだ。一方、日経平均はテクニカル面で改善が目立ち、上値追いが期待できる状況になっているため、下値を固めつつ次のステップを探るものとみられる。

日経平均の予想レンジは2万7300円─2万8000円。

米労働省が3日発表した5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比39万人増と、市場予想の32万5000人を上回る伸びとなった。失業率は3.6%と3カ月連続で横ばい。過度な金融引き締めに対する懸念が後退してた市場に冷水を浴びせるものとなり、日本株に影響を及ぼす米国株式市場の動向は不安定な状態となりそうだ。

市場では「この週末には米CPIの発表を控えているため、目先的には見送り気分が強くなる可能性もある」(みずほ証券・シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏)との声が聞かれる。

一方、ここからは「ボーナスシーズンで個人投資家の資金流入が期待できるほか、運用機関による3月期企業銘柄の配当金再投資が見込めるなど、好需給が株価を支える要因になる」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)という。

さらに「ヘッジファンドのロングポジションが目立つ中、直近の上昇相場で、それに向かって売った向きの踏み上げが見込める」(東洋証券・ストラテジストの大塚竜太氏)との声も聞かれ、需給面では下値を叩くような雰囲気にはならない可能性が高い。国内では外国人観光客の制限緩和、海外では上海の制限解除など、リオープン(経済再開)が材料面でのキーワードになりそうだ。

売りが後退して反転した場合、2万8000円前後には200日移動平均線が位置するなど、テクニカル面での節目が気にされそうだ。戻り売りの活発化も想定されることから、2万8000円を超すことがあれば、そこからは伸び悩む可能性もある。

 

R4.6.6 続伸、3月30日以来の高値 円安やアジア株高で

[東京 6日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は前営業日比154円32銭高の2万7915円89銭と続伸し、3月30日以来の高値で引けた。為替が円安に振れたほか、アジア株が高く推移したことが影響した。心理的節目の2万8000円は利益確定売りに押されて乗せることができなかった。

この日の日経平均は前週末の米株の流れを引き継ぎ、反落して始まった。下げ幅は一時200円を超え、2万7523円95銭まで下落した。その後は円安基調やアジア株高のほか、時間外取引での米株先物の値動きも支援し、プラス圏に転換。指数寄与度の高いグロース(成長)株も持ち直し、心理的節目2万8000円手前の2万7979円54銭まで上値を伸ばした。

市場では「今までさえなかった小売業などの内需株を中心に、見直し買いがみられる。今後は参院選の公示などで選挙相場入りするため、まだ戻り余地がある」(みずほ証券の中村克彦シニアテクニカルアナリスト)との声が聞かれた。TOPIXは0.31%高の1939.11ポイント。東証プライム市場の売買代金は2兆3223億7100万円だった。東証33業種では、石油・石炭製品、空運業、陸運業などの23業種が値上がり、海運業、証券業、サービス業などの10業種が値下がりとなった。個別では、ファーストリテイリング<9983.T>、東京エレクトロン<8035.T>などの高PER(株価収益率)株やハイテク株の一角が持ち直したほか、第一三共<4568.T>、中外製
薬 <4519.T>などの医薬品株もしっかりだった。観光需要喚起策GoToトラベルを再開する案が政府内で浮上しているとの報道を受け、オープンドア<3926.T>、エアトリ<6191.T>、エイチ・アイ・エス<9603.T>、ぐるなび
<2440.T>などの内需株も堅調だった。半面、リクルートホールディングス<6098.T>、TDK<6762.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>などはさえなかった。プライム市場の騰落数は、値上がり1029銘柄(56%)に対し、値下がりが713銘柄(38%)、変わらずが95銘柄(5%)だった。14207

 

R4.6.7 小幅に続伸、一時2万8000円回復 円安が支援

[東京 7日 ロイター] – 7日午前の東京株式市場で、日経平均が3月31日以来、約2か月ぶりに心理的節目の2万8000円を回復した。足元の日経平均は前営業日比100円ほど高い2万8000円台。外為市場での急速な円安傾向を受け、輸出関連株を中心に買いが広がっている。

[東京 7日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比28円06銭高の2万7943円95銭と、小幅に続伸して取引を終えた。3日続伸となる。約20年ぶりのドル高/円安を受けて、輸出関連株などが物色された。心理的節目の2万8000円を一時回復したが、買い一巡後は利益確定や戻り待ちの売りが上値を抑えた。
日本株は軟調なスタートとなったが、売り一巡後は上値追いに転じた。132円台に上昇したドル/円を追い風に、自動車など輸出関連株を中心に幅広く物色された。上値抵抗線として意識された200日移動平均線(2万7939円72銭=7日)を上抜けたほか、3月31日以来となる2万8000円の大台を回復し、上昇基調に弾みがつくとの思惑も相場の支えになった。市場では「3月高値(2万8338円81銭)を超えてくれば、目線がもう少し上がるかもしれない」(auカブコム証券の山田勉マーケットアナリスト)との声が聞かれた。
日経平均の上昇は午後も継続し、一時約180円高に上値を伸ばした。ただ、その後は利益確定や戻り待ちの売りに押され、大引けにかけて上げ幅を縮めた。時間外取引の米株先物が次第に下げ幅を拡大し、投資家心理の重しになった。米長期金利の上昇への警戒感もあり、米10年金利が3%台で推移する中、半導体製造装置関連はさえない値動きが目立った。
TOPIXは0.41%高の1947.03ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆6762億1700万円だった。東証33業種では、値上がりは鉱業や輸送用機器、石油・石炭製品など25業種で、値下がりは空運業や不動産業、陸運業など8業種だった。個別では、トヨタ自動車<7203.T>やTDK<6762.T>、三菱重工業<7011.T>がしっかりとなった。一方、東京エレクトロン<8035.T>、川崎重工業<7012.T>は軟調、ファーストリ
テイリング<9983.T>もさえなかった。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1031銘柄(56%)、値下がりは728銘柄(39%)、変わらずは79銘柄(4%)だった。14361

 

R4.6.8 4日続伸、円安が輸出関連を支援 基調強く高値引け

[東京 8日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比290円34銭高の2万8234円29銭と、4日続伸して取引を終えた。ドル高/円安が進む中、輸出関連株を中心に物色が広がり、前日までの強い基調が継続した。高値引けとなり、心理的節目2万8000円を終値でも上回った。日経平均は、前日の米国市場で株高となる中、買い優勢で始まった。機械や自動車といった輸出関連株が円安による業績改善期待で買われたほか、原油高を背景に鉱業など資源株も高かった。グロース(成長)株と目される銘柄も買いが先行した。米金融引き締めの織り込みが進み、国内や中国経済の正常化期待が出るなど、リスク要因に対する過度な懸念が和らぎ「これまで売られた銘柄のショートカバーが続いた」(国内証券)との見方が出ていた。

午後も日経平均は高値圏でのもみあいが続き、強い基調を維持。米株先物が軟調に推移する中、朝方に強かった半導体製造装置関連はさえない動きとなったが、指数は高値で引けた。市場では「日本株はドルベースでは右肩下がりで、海外勢からは割安にみえる。積極的ではないにしろ、カバーが入りやすい」(ピクテ投信投資顧問の糸島孝俊ストラテジスト)との指摘が聞かれた。3月25日につけた戻り高値2万8338円81銭は捉えきれなかった。この水準を上回れば上昇に弾みがつくとみられる一方、市場では過熱感への警戒感もくすぶっている。
TOPIXは1.18%高の1969.98ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は3兆0101億8900万円だった。東証33業種では、値上がりは鉱業や不動産業、卸売業など29業種で、値下がりは海運業や保険業、銀行業など4業種だった。
トヨタ自動車<7203.T>やファナック<6954.T>がしっかりだったほか、ソフトバンクグループ<9984.T>、INPEX<1605.T>も買われた。一方、東京エレクトロン<8035.T>、日本郵船<9101.T>はさえなかった。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1413銘柄(76%)、値下がりは356銘柄(19%)、変わらずは69銘柄(3%)だった。14673

 

R4.6.9 小幅に5日続伸、円安で 上値は限定的

[東京 9日 ロイター] – 東京株式市場で、日経平均は前営業日比12円24銭高の2万8246円53銭と小幅に5日続伸した。円安進行による輸出企業などの業績改善期待が相場を支えた。ただ、連日の株高を受けた警戒感に加え、明日のメジャーSQ(特別清算指数)算出や米国で5月の米消費者物価指数(CPI)の公表を控えた手控えムードもあり、上値追いには消極的だった。

日経平均は前日の米株安を嫌気しマイナス圏でのスタートとなったが、その後は外為市場での円安基調が支えとなり、節目として意識されていた3月25日の戻り高値2万8338円81銭を超えて上値を伸ばした。買い一巡後は、高値警戒感や達成感から徐々に下げ幅を縮小する展開となった。
市場では「円安を好感する動きと原油高を嫌気する動きが拮抗し、方向感が出づらい。ただ、経済再開期待は根強く、出遅れ銘柄の買い戻しも広がっている」(国内証券)との声が聞かれた。

TOPIXは5日ぶりに反落し0.05%安の1969.05ポイント。東証プライム市場の売買代金は3兆2139億8800万円だった。東証33業種では、値下がりは海運業、証券業、電気・ガス業、鉄鋼など21業種で、値上がりは鉱業、石油・石炭製品など12業種だった。

個別ではファーストリテイリング<9983.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>、アステラス製薬<4503.T>、ヤマハ<7951.T>がしっかり。半面、東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、信越化学工業<4063.T>などの半導体製造関連はさえなかった。米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)の下落や米長期金利の上昇を嫌気した。そのほか、商船三井<9104.T>、日本郵船<9101.T>などの海運株は軒並み大幅安。バルチック海運指数の低下や外資系証券のレポートの内容が嫌気された。プライム市場の騰落数は、値上がり786銘柄(42%)に対し、値下がりが966銘柄(52%)、変わらずが86銘柄(4%)だった。14767

 

R4.6.10 急反落、米金利への警戒感再び 売り優勢

[東京 10日 ロイター] -東京株式市場で日経平均は急反落。前日比422円24銭の2万7824円29銭で
大引けた。米金利に対する警戒感が再び高まり、相場全般はグロース株を中心に売り優勢となった。後半は米消費者物価指数(CPI)発表を控えて模様眺め気分が広がり、安値圏で小動きとなった。9日の米国株式市場は大幅続落。高止まりが予想される5月のCPI発表を翌日に控え、投資家が慎重姿勢を強め、主要株価3指数はいずれも5月半ば以来の大幅な下落率を記録した。

これを受けて日本株は軟調な展開。きょうは、6月限日経平均先物ミニ・オプションの最終決済に関わる日経平均のSQ(特別清算指数)の算出日だったが、これに絡んだ注文は売り超過だったとみられ、下値模索の動きとなった。米金融引き締めに対する警戒感が引き続き強いほか、週末とあって新規の買いが入りにくく、日経平均は終始さえない動きを余儀なくされた。後半は、米CPIの発表を控え見送りムードが強まり、安値圏での小動きとなった。市場では「インバウンドなどリオープン(経済再開)に対する期待の大きさなど、国内要因だけなら上値を追い続ける相場となるところだが、米金利の先行きに不透明感が残るうちは慎重にならざるを得ない」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声が聞かれる。TOPIXは1.32%安。東証プライム市場の売買代金は、3兆1449億5900万円だった。東証33業種では、全業種がマイナスとなっている。

個別では、東京エレクトロン<8035.T>、ファーストリテイリング<9983.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>など指数寄与度が大きい銘柄の軟化、トヨタ自動車<7203.T>など主力銘柄にさえない銘柄が多い。半面、太平洋セメント<5233.T>が逆行高となった。プライム市場の騰落数は、値上がり176銘柄(9%)に対し、値下がりが1634銘柄(88%)、変わらずが28銘柄(1%)だった。14525

 

来週 円安や経済正常化が支え 米イベントで試される底堅さ=来週の東京株式市場

[東京 10日 ロイター] – 来週の東京株式市場は、下値の堅さが試される週になりそうだ。米消費者物価指数(CPI)、米連邦公開市場委員会(FOMC)と大型イベントが相次ぐ中、米国株が軟化する場合でも、為替の円安や国内経済正常化への期待感が、引き続き日本株の支えになるとみられている。

日経平均の予想レンジは、2万7500―2万8500円。

週の前半は、10日発表の米CPIの結果を日本市場でも織り込むことになる。市場では、欧米の金融引き締めによる景気腰折れ懸念と、インフレのピークアウトへの思惑との間で揺れており「その時の心理によって、相場の振れ方が左右されやすい」(三木証券の北澤淳商品部投資情報グループ次長)という。14―15日に6月FOMCを控えているため、CPI後の相場反応は「短期的」(国内証券)とみられている。6月と7月FOMCでの0.5%の利上げは、市場で概ね織り込まれている。注目されるのは米国の政策金利FF(フェデラルファンド)レートの水準についてのFOMCメンバー予想の「ドットチャート」だ。「上振れていれば9月利上げへの思惑が強まり、米株の重しになる。変化がなかったり下振れなら、株価にはポジティブ」(国内証券)とされる。市場では、インフレのピークアウトへの思惑もあるが「完全に落ち着いたわけでもない」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)。FOMCで先行きへのヒントが示されなければ「9月の0.5%利上げへの警戒感が、引き続きくすぶることになりそうだ」(井出氏)という。

日本株は5日続伸を経た10日は、それまでの上昇の反動もあって反落となった。ただ、為替の円安による企業業績改善と、コロナ禍からの国内経済再開への思惑は、引き続き相場の支えになるとみられている。為替のドル高/円安基調が継続すれば、自動車や機械といった輸出関連株が支援され、コロナ禍からの経済再開(リオープン)やインバウンドの立ち上がりへの期待は、内需株を支えそうだ。市場では「米国株に比べ、日本株は相対的に堅調ではないか」(北澤氏)との声が出ている。日銀の金融政策決定会合の結果が17日に発表されるが、材料視される可能性は低いとみられている。一方、中国でのロックダウン(都市封鎖)などの行動制限が緩和される方向にあることも日本株の支えとなってきた。ここにきて、中国・上海市は中心部の閔行区で11日からロックダウンを再び実施すると9日に明らかにしており、その動向への目配りも改めて必要になりそうだ。