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今週の株式投資 R4.5.30-6.3 果たしてQTを織り込んだのか?

東京ロイター

ボックス圏、米株底打ちの思惑と反動安への警戒が綱引き=今週の東京株式市場

[東京 30日 ロイター] – 今週の東京株式市場は、ボックス圏での展開が想定されている。米国株の底打ちへの期待感が高まる一方で、日本株は戻り待ちの売りや円高に上値を抑えられやすい。月末月初で経済指標の発表が目白押しとなるが、日本株は見極めムードの中、レンジ内での上下を繰り返す展開となりそうだ。

予想レンジは2万6600―2万7100円。

27日の日経平均は4日ぶりに反発したものの、2万6996円70銭で高値を付けた後は利益確定売りに押され心理的節目2万7000円の壁が改めて意識された。市場では「最悪期は脱したものの、これといった好材料もない」(運用会社)との声が聞かれ、上値追いに消極的な投資家心理がうかがわれる。

米国株式市場は5月3週目までに8週連続で下落し1932年の世界大恐慌以来の最長を記録していたが、先週に入り地合いは一転し底打ちの兆しが見え始めた。5月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公開を受け、積極的な利上げに対する懸念が和らいだことが支えとなった。

ただ、このところの米株上昇の流れは弱気相場の一時的な株高(ベアマーケットラリー)とみる市場関係者は少なくない。株価の過度な下値不安は後退しつつあるものの先行きに対する不透明感は依然として強く、今週は反動による下落が警戒される。

みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは「米利上げや企業業績の動向に対する不透明感が残る中、経済指標がより注目されている」と指摘する。今週は6月1日に5月ISM製造業景況指数の公表を控えており、市場予想を下回ると株は売られやすいという。

投資家心理は、外為市場でのドル/円の動向にも左右されそうだ。9日に131.35円まで上昇したドル/円は円高傾向で推移しており、今週は125円まで下落するとの見方は少なくない。企業が開示している想定為替レートは保守的な傾向があることから、「企業業績に与える影響は限定的となるものの、為替の動き自体は材料となるため変動によって株価は上下しやすい」(SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長)という。

国内で4月の鉱工業生産、中国で5月の製造業PMI、米国で5月のISM非製造業景況指数、雇用統計などが公表される。トリプルアイズ<5026.T>は31日にグロース市場に新規上場する。30日の米国株式市場はメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)に伴い休場となる。

 

R4.5.30 大幅続伸、一時600円超高 過度なインフレ警戒和らぐ

[東京 30日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比587円75銭高の2万7369円43銭と、大幅に続伸して取引を終えた。前週末の米国市場でインフレ高進への過度な警戒感が和らいでハイテク株を中心に株高となり、日本株も幅広く物色された。戻りの節目に意識された2万7000円を大きく上回ったことで、買い戻しに弾みがついた。
日本株は、前週末の米国市場で株高となる中、幅広く買われてスタートした。このところ日経平均は、心理的節目の2万7000円付近で上値が抑えられやすかったが、寄り付きからこの水準を上回った。その後も徐々に上げ幅を広げ、午後には619円56銭高の2万7401円24銭に上値を伸ばす場面もあった。米株市場では大型のハイテク株やグロース系の銘柄がしっかりで、日本株も指数寄与度の大きい値がさの半導体製造装置関連株や電子部品株、高PER(株価収益率)銘柄が上昇し、指数を押し上げた。
時間外の米株先物が堅調だったほか、中国株もしっかりとなり、投資家心理を支援。中国・上海市当局が29日、企業活動の再開に向けて6月1日から多くの規制を解除する方針を発表したことも支えになった。きょうは米国市場がメモリアルデーで休場となることで、持ち越しのリスクが普段に比べて少ないとの見方もあった。
市場では「しばらく上値の重かった2万7000円を明確に上回り、買い戻しが強まった。短期的に、水準が上がるほど買い戻しの動きが出やすいかもしれない」(水戸証券の酒井一チーフファンドマネージャー)との見方が出ていた。大台をクリアしたことで、テクニカル面での底打ち期待も膨らんだ。TOPIXは1.86%高の1922.44ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は4兆3018億5200万円だった。TOPIXの浮動株比率見直しに伴うリバランスで売買が膨らんだ。東証33業種では、値上がりはサービス業や電気機器、
機械など30業種で、値下がりは海運業や電気・ガス業、保険業の3業種だった。トヨタ自動車<7203.T>やソニーグループ<6758.T>が堅調だったほか、リクルートホールディングス<6098.T>、キーエンス<6861.T>、エムスリー<2413.T>、ファーストリテイリング<9983.T>もしっかりだった。一方、日本郵船<9101.T>、東京電力ホールディングス<9501.T>はさえなかった。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1551銘柄(84%)、値下がりは253銘柄(13%)、変わらずは32銘柄(1%)だった。14247

 

R4.5.31 反落、手掛かり材料に欠き「月曜ボケ」商状に

東京株式市場で日経平均は反落した。前週末比89円63銭安の2万7279円80前で大引けとなった。 前週末の米国株式市場が休場だったこともあって、手掛かり材料に欠く状態となり、総じて動きに乏しい典型的な「月曜ボケ」商状。材料面では引き続き上海の規制解除が注目されたほか、国内では伝えられた「骨太の方針」の一部を材料視する動きがあったものの、相場全体を押し上げるまで至っていない。

日経平均がこれまで上値の目安として意識されていた2万7000円を大きく上回った後とあって、タイミング的に利益確定売りが出やすいとの指摘も出ており、前場中盤以降は弱もちあいに終始。「利益確定売りを消化しながら値固めする動きになった」(国内証券)という。

テクニカル面では、5日移動平均線、25日移動平均線を明確に上回ったほか、価格帯別出来高からみて、短期間での突破は難しいとみられた2万7000円前後の水準をクリアしたことで、基調転換は確認されたとの見方が広がった。ただ、連休明けの米国株式市場の動向を見極めたいとのムードから、売り買いともに積極的な仕掛けはみられない。

市場では「きょうのところは、小休止といった感じだが、次の節目となる2万8000円までは真空地帯となるので、その水準まであっさり戻しても不思議ではない」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との声が聞かれる。

TOPIXは0.51%安で終了。東証プライム市場の売買代金は、5兆5088億4200万円と膨らんだが、これは月末事情によるリバランスが活発化したためとみられる。東証33業種では、海運業、不動産業、空運業などが下落し、鉱業、保険業などの値上がりが目立った。

個別では、東京エレクトロン<8035.T>が軟調に推移したほか、日本郵船<9101.T>など海運株がさえない。ファナック<6954.T>、NTT<9432.T>も軟調に推移したが、INPEX<1605.T>が年初来高値を更新した。プライム市場の騰落数は、値上がり589銘柄(32%)に対し、値下がりが1184銘柄(64%)、変わらずが64銘柄(3%)だった。14245

 

R4.6.1 反発、円安や経済再開への思惑が支援

[東京 1日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比178円09銭高の2万7457円89銭と、反発して取引を終えた。連休明けの米国株式市場は反落だったが、為替の円安やコロナ禍からの経済再開(リオープン)への期待を支えに、しっかりとした値動きになった。
日経平均は寄り付きで反発した後も上げ幅を拡大し、一時200円超高に上昇した。為替が前日の取引時間中に比べて円安方向に振れたほか、時間外取引の米株先物が底堅い動きを続け、投資家心理を支えた。
値がさの半導体製造装置関連株はさえない値動きが目立った一方、自動車株は堅調な業績への思惑から軒並み高となった。日本株はこのところ、米国株との連動性の低下が意識されている。市場では「米株に対して相対的に底堅い5月以降の流れが続いた。輸出企業には円安が、内需企業には人流の回復とインバウンド再開の期待が、それぞれ追い風になっている」(三木証券の北澤淳商品部投資情報グループ次長)との見方が出ていた。
日本時間の今夜に米国で5月ISM製造業景況指数の公表を控えていることもあって、日経平均は心理的節目の2万7500円手前では伸び悩んだ。ただ、午後にかけてもプラスを維持し「日本株の底堅さを改めて印象付けた」(国内証券)との声が聞かれた。TOPIXは1.36%高の1938.64ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆8971億8700万円だった。東証33業種では、値上がりは輸送用機器や水産・農林業、海運業など28業種で、値下がりは鉱業や医薬品、精密機器など5業種だった。
個別では、トヨタ自動車<7203.T>や日産自動車<7201.T>、ホンダ<7267.T>といった自動車株が軒並み堅調だった。日本の自動車メーカーが今年、記録的な利益を計上する可能性が高いとJPモルガンが指摘したことが手掛かりになった。
デンソー<6902.T>、ソニーグループ<6758.T>もしっかり。一方、東京エレクトロン<8035.T>、第一三共<4568.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>はさえなかった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1546銘柄(84%)、値下がりは25
8銘柄(14%)、変わらずは33銘柄(1%)だった。14245

 

R4.6.2 反落、模様眺めムードが支配

[東京 2日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は前営業日比44円01銭安の2万7413円88銭と、小幅に反落した。米国での長期金利上昇が嫌気された。朝方の日経平均は一時200円超安となる場面があったが、後場は下げ幅を縮小し、小幅安でのもみあいに終始した。日本時間の今夜に5月ADP雇用統計、3日に米雇用統計の発表を控え、模様眺めムードが強かった。日経平均は寄り付きで小幅に反落後、一時206円65銭安の2万7251円24銭とこの日の安値をつけた。後場はプラス圏に接近し、7円42銭安の2万7450円47銭まで下げ幅を縮小する場面があったが、心理的節目の2万7500円手前では上値が重かった。TOPIXも反落し、前営業日比0.63%安の1926.39ポイント。東証プライム市場の売買代金は2兆5463億7300万円と薄商いだった。東証33業種では、鉱業、医薬品、精密機器、サービス業などの26業種が値下がり。石油・石炭製品、保険業などの7業種は値上がりした。

SMBC信託銀行の山口真弘投資調査部長は「インフレ加速懸念が強まる中、先行して積極的に売買できる雰囲気ではない。米雇用統計の結果や要人発言などの明確な材料が出るまでは、循環物色の様相が続くだろう」との見方を示した。個別では、アステラス製薬<4503.T>、テルモ<4543.T>、ソニーグループ<6758.T>、リクルートホールディングス<6098.T>などが軟調。ファーストリテイリング<9983.T>、TDK<6762.T>太陽誘電<6976.T>は値上がりした。プライム市場の騰落数は、値上がり579銘柄(31%)に対し、値下がりが1192銘柄(64%)、変わらずが66銘柄(3%)だった。14245

 

R4.6.3 反発、グロース株買い ファーストリテは5%超高

[東京 3日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比347円69銭高の2万7761円57銭と反発した。前日の米国株式市場が上昇した流れを受け、グロース(成長)株が買われた。個別ではファーストリテイリング<9983.T>が5%超高となり、日経平均を約131円押し上げた。日経平均は寄り付きで反発した後も上げ幅を拡大し、362円45銭高の2万7776円33銭で高値をつけた。米国市場で過度な金融引き締めに対する警戒感が和らぎ、ハイテク株高となった流れに反応し、半導体製造装置関連や電子部品をはじめ、高PER(株価収益率)銘柄を中心に買いが先行した。きょうは米国で5月雇用統計の発表を控えていることから、買い一巡後は模様眺めムードが強かった。日経平均はレンジ内での小動きが継続し、上下の値幅は161円47銭にとどまった。

市場では「米株高となったものの、雇用統計への警戒感は強く、株価は動きづらい。5月の平均時給など、インフレの加速を示唆する指数が注目されている」(国内証券)との声が聞かれた。TOPIXは小幅に反発し0.35%高の1933.14ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆6793億3800万円だった。東証33業種では、値上がりは鉱業、精密機器、非鉄金属、石油・石炭製品など21業種で、値下がりは保険業、空運業、その他金融業など12業種だった。個別では、ファーストリテイリングが5.86%高の6万6850円と大幅に続伸し、1銘柄で日経平均を約131円押し上げた。5月のユニクロ国内既存店売上高は前年比17.5%増加で2カ月連続の増加となったと2日に発表し、好感された。そのほか、個別では東京エレクトロン<8035.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>、テルモ<4543.T>、リクルートホールディングス<6098.T>がしっかり。一方、デンソー<6902.T>、トヨタ自動車<7203.T>は利益確定売りに押された。プライム市場の騰落数は、値上がり995銘柄(54%)に対し、値下がりが774銘柄(42%)、変わらずが68銘柄(3%)だった。14190

 

来週は 強含み、環境落ち着きとテクニカル改善から上値追いも=来週の東京株式市場

[東京 3日 ロイター] –
来週の東京株式市場は、強含みの展開が想定されている。米国の過度な金融引き締めに対する懸念が後退するなど環境面が落ち着いた一方、日経平均はテクニカル面で改善が目立っており、上値追いが期待できる状況になってきた。当面は3日に発表される米雇用統計の結果と、それを受けた米株の動きが注目される。

日経平均の予想レンジは2万7600円─2万8200円。

米雇用統計を控えて2日に発表された5月のADP全米雇用報告は、市場予想を大きく下回り、金利上昇や金融環境の引き締まりを背景に労働需要が減速し始めていることを示したことで、市場の金利上昇に対する警戒感が和らいだ。

市場では「6、7月の0.5%ずつの米利上げは織り込む中で、インフレがピークアウトしたと参加者は受け止めるようになっている」(野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏)との指摘があり、懸念材料の後退から米株の上昇、日本株の連れ高がシナリオとして描けるようになっている。

こうした環境面の好転に加え、ここからは「ボーナスシーズンで個人投資家の資金流入が期待できるほか、運用機関による3月期企業銘柄の配当金再投資が見込めるなど、好需給が株価を支える要因になる」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)という。

さらに「ヘッジファンドのロングポジションが目立つ中、直近の上昇相場で、それに向かって売った向きの踏み上げが見込める」(東洋証券・ストラテジストの大塚竜太氏)との声も聞かれ、チャート上で真空地帯とみられている2万8000円前後まで駆け上がる可能性も出ている。国内では外国人観光客の制限緩和、海外では上海の制限解除など、リオープン(経済再開)が材料面でのキーワードになりそうだ。

もっとも、2万8000円前後には200日移動平均線が位置するなど、改善が目立つテクニカル面でもマイナス要因の存在が目を引く。戻り売りの活発化も想定されることから、2万8000円を超すことがあれば、そこからは伸び悩む可能性もある。

 

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