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今週の株式投資 R4.5.16-20 決算が出そろってどうなるのか?

東京ロイター 強含み、下値不安和らぐ 好決算銘柄を物色=今週の東京株式市場

[東京 16日 ロイター] –
今週の東京株式市場は、強含みが想定されている。引き続き米金利の上昇懸念が強く環境面に不透明感が残るものの、日経平均で2万6000円以下の水準は底堅いことが確認された、との見方が出ている。下値に対する不安が徐々に和らいできており、下げた場面では買い優勢になるとみられる。3月期企業の決算発表が一巡したことを受け、好業績銘柄が物色されることになりそうだ。

日経平均の予想レンジは2万6200円─2万7200円。

米連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制に向けて、今後数カ月間で少なくとも3回、最低50ベーシスポイント(bp)の追加利上げを実施する見通しというのが、市場のコンセンサスとなっている。引き締め懸念から不安定な状態の米国株式市場に、今後も日本株が左右される場面がありそうだ。

ただ、下値模索を続ける米国株式市場に対して、日本株は3月安値を割り込まず、下値では底堅さを示すなど、明らかに米株と異なる動きとなっている。景気に対する不安が生じている米国と異なり、日本企業の業績見通しは円安も手伝い輸出関連企業を中心に好決算が目立つ。
「保守的な見通しが多い点を踏まえれば、企業業績は好調と言える」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)という。

テクニカル的にも底打ち感が生じているここからは、好調な企業業績を織り込む局面となりそうだ。東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏は「これまで下げ続けていたグロース株は、半導体を中心に業績上向きが確認されたため、上昇余地が大きくなった」と指摘する。

一方、引き続き懸念される材料としては、ロックダウンによって生じる中国の景気悪化に対する懸念だ。その意味で、当面のタイムテーブルでは、16日に発表される中国4月工業生産、同小売売上高などが注目を集めるとみられる。中国景気に対する不安が高まれば、相場はもうひと波乱ありそうだ。

 

R4.5.16 続伸 米株高を好感 外部環境不透明で伸び悩み

[東京 16日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比119円40銭高の2万6547円05銭と、続伸して取引を終えた。前週末の米国株式市場の上昇を好感して広く物色された。買い一巡後は、時間外取引で米株先物が軟化に転じる中で伸び悩んだ。朝方の日本株は、前週末の好地合いを引き継いで、上値を追う形で始まった。半導体関連などハイテク株やグロース(成長)株を中心に幅広く物色され、一時409円31銭高の2万6836円96銭に上昇した。ただ、買いが一巡すると、心理的節目2万7000円に接近する中で利益確定や戻り待ちの売りに押され、伸び悩んだ。米株先物が朝方のプラスから軟化し、投資家心理の重しになった。市場では、米連邦準備理事会(FRB)による金融政策引き締めで米経済がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念や、中国での新型コロナウイルスの流行を踏まえた行動制限の経済影響への警戒感がくすぶり「外部環境の不透明要因は払拭されていない」(国内証券)との声が聞かれた。中国で4月の経済指標が複数発表され、新型コロナウイルスの流行を踏まえた行動制限で消費、鉱工業生産などが大きな打撃を受けたことがわかり、改めて嫌気された。市場では「ショートカバーを誘発しながら上下し、基本的には上値が重そう。25日移動平均線(2万6756円87銭=16日)あたりで上値を抑えられ、下値を試す可能性も残されているのではないか」(松井証券の窪田朋一郎投資メディア部長)との見方が出ていた。

TOPIXは0.05%安の1863.26ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は3兆1759億3500万円だった。東証33業種では、値上がりは倉庫・運輸関連業やサービス業、情報・通信業など8業種で、値下がりは非鉄金属や鉄鋼、その他 金融業など25業種だった。個別では、リクルートホールディングス<6098.T>やエムスリー<2413.T>が堅調。上組<9364.T>が中期計画の上方修正や自社株買いを発表し大幅高となった。東京エレクトロン<8035.T>は、朝方に上値追いの展開だったが、次第に上げ幅を縮めた。決算を巡っては株価反応の明暗もみられた。営業利益の見通しが市場予想を上回ったマツダ<7261.T>が買われた半面、下回ったホンダ<7267.T>が下落した。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが634銘柄(34%)、値下がりは1172銘柄(63%)、変わらずは31銘柄(1%)だった。

 

R4.5.17 続伸、好決算銘柄の物色続く 上値追いには慎重

[東京 17日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比112円70銭高の2万6659円75銭と、続伸して取引を終えた。好決算の銘柄が物色され好地合いが継続した一方、世界景気の先行き懸念がくすぶる中で上値追いは限られた。日経平均は、前日までの好地合いを引き継いで朝方から堅調な展開となり、一時162円21銭高の2万6709円26銭の高値をつけた。原油高の基調を受けて、鉱業や石油・石炭製品が大幅高となったほか、好決算を発表した銘柄に対する物色意欲が継続し、相場を支援した。上海株や米ナスダックなどの米株先物が堅調に推移したことも、投資家心理を支えた。一方、米国の金融引き締めや中国経済の減速懸念など外部環境の不透明感が残る中で、積極的な上値追いは手控えられた。きょうは米国で4月の小売売上高や鉱工業生産の発
表を控えており、とりわけ後場は小動きとなった。米指標では、金融引き締めに対する経済の耐性の強さに関心が寄せられているという。市場では「決算が大方出尽くし、材料不足になってきた。海外で材料が出ても朝方の取引が一巡した後に膠着するといった展開は続くかもしれない」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用本部長)との見方が聞かれた。
TOPIXは0.19%高の1866.71ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆8190億2300万円だった。東証33業種では、値上がりは鉱業や海運業、石油・石炭製品など22業種で、値下がりは食料品や銀行業、小売業など11業種だった。INPEX<1605.T>やENEOSホールディングス<5020.T>、日本郵船<9101.T>が堅調だったほか、東京エレクトロン<8035.T>、任天堂<7974.T>もしっかり。一方、トヨタ自
動車<7203.T>や三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>がさえなかった。アサヒグループホールディングス<2502.T>は大幅安となった。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1019銘柄(55%)、値下がりは76
0銘柄(41%)、変わらずは58銘柄(3%)だった。

 

R4.5.18 続伸、一時2万7000円を回復 米株高を好感

[東京 18日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比251円45銭高の2万6911円20銭と、4日続伸して取引を終えた。前日の米株高を好感して幅広く買いが先行し、心理的節目の2万7000円を一時回復する場面もあった。ただ、外部環境の不透明感がくすぶる中で伸び悩んだ。日本株は、米国市場での株高を受けて、朝方にはハイテク株を中心に幅広く物色されて上値追いの展開になった。一時393円43銭高の2万7053円18銭に上昇した。その後は、心理的節目を回復した達成感や過熱感が警戒され、利益確定売りや戻り待ちの売りが優勢となり、短時間で上げ幅を削った。

日本株はこれまで上値の重い局面が続いただけに、目先の重要イベントが少なくなる中で短期的な反発を期待する投資家は多いとみられ「反発が強まるとそれがフォローされる。ただ、上昇が止まると逆方向になりやすく、投資家心理は振れやすい」(水戸証券の酒井一チーフファンドマネージャー)との見方が出ていた。米金融引き締めやインフレ、景気の先行きへの警戒感は払拭されておらず、上海市のロックダウン(都市封鎖)が緩和の方向となってきた中国経済も、他地域での感染拡大が懸念され、市場では「積極的には上値を追えない」(国内証券)との声が聞かれた。

日経平均は、25日移動平均線(2万6730円16銭=18日)を上回るなど、テクニカル面が好転してきたほか、好決算銘柄が引き続き物色された。後場は、時間外取引の米株先物や中国株が下げ幅を縮める中で、日経平均も堅調に推移した。TOPIXは0.96%高の1884.69ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆9698億1300万円だった。東証33業種では、値上がりはその他製品や電気機器、精密機器など29業種で、値下がりはパルプ・紙や鉱業、小売業など4業種だった。
東京エレクトロン<8035.T>やTDK<6762.T>といったハイテク株は総じてしっかり。パワー半導体の増産計画を発表したルネサスエレクトロニクス<6723.T>のほか、任天堂<7974.T>や川崎汽船<9107.T>も堅調だった。一方、INPEX<1605.T>やファーストリテイリング<9983.T>は小安かった。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1137銘柄(61%)、値下がりは646銘柄(35%)、変わらずは54銘柄(2%)だった。

 

R4.5.19 大幅に反落、米景気腰折れを警戒 一巡後は買い戻しも

[東京 19日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は、前営業日比508円36銭安の2万6402円84銭と、大幅に反落して取引を終えた。前日の米国市場で景気腰折れへの警戒感が高まり株価が大幅安となったことを嫌気し、主力株を中心に幅広く売られた。午後には米株先物が持ち直す中、買い戻しの動きが出て日経平均は下げ幅を縮めた。朝方の日経平均は、前日までの好地合いから一転して売り優勢の展開となった。米株が大幅安となったことが嫌気され、主力銘柄を中心に幅広く売られた。一時761円11銭安の2万6150円09銭円に下落した。売り一巡後は、いったん底ばいとなった。2万6000円台前半は割安との見方もあり、押し目買いが下値を支えた。午後にかけて中国株が底堅かったほか、時間外取引の米株先物が持ち直す中、日経平均も下げ幅を縮めた。ドル/円の朝方に比べた円安寄りの動きが支援材料となったほか、前引け段階でTOPIXが2%を超す下げとなり、日銀による上場投資信託(ETF)買いを期待する買いも観測された。市場では「日中の値動きからも、日本株は最悪期を過ぎ、戻りを試す過程にあるように見える。割安感のある日本株を評価する動きは続くのではないか」(岩井コスモ証券の林卓郎投資情報センター長)との見方が聞かれた。

TOPIXは1.31%安の1860.08ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は3兆0163億8800万円だった。東証33業種では、31業種が値下がりした。値下がり率上位には、海運業や保険業、サービス業、精密機器などが並んだ。値上がりは電気・ガス業、鉄鋼の2業種だった。東京エレクトロン<8035.T>やTDK<6762.T>などハイテク株が総じてさえなかったほか、トヨタ自動車<7203.T>、ソニーグループ<6758.T>といった主力株も軟調だった。ファーストリテイリング<9983.T>も安かった。一方、IHI<7013.T>や三菱重工業<7011.T>は年初来高値をつけた。東証プライム市場の騰落数は、値上がりが468銘柄(25%)、値下がりは1313銘柄(71%)、変わらずは56銘柄(3%)だった

R4.5.20 大引け=反発、米株に反発期待生じ幅広く物色

[東京 20日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反発。前日比336円19銭高の2万6739円03銭で大引けた。前日の米国株式市場は軟調だったものの、時間外取引で先物がしっかりとなるなど米株の反発期待が生じ、幅広く物色された。19日の米国株式市場は不安定な取引の中で続落して終了。市場ではインフレと利上げに対する懸念が払拭されていないという。シスコシステムズ<CSCO.O>のほか、ブロードコム<AVGO.O>やアップル<AAPL.O>などが売られた。ただ、日本株は前日に大幅安となりながらも、引け味が良かったことから、朝方から底堅い動きとなった。押せば買いが入ることが確認された格好となり、きょうは1日を通して日経平均がマイナスに沈むことはなかった。市場では「米国で投資家の不安心理を示すVIX指数が落ち着いたことが、安心感を誘っている。米株の反発を読んで買い戻しが活発化した」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声が聞かれる。底堅さを増してきた理由について、野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏は「現在のPER12倍台の水準は過去数年のトレンドで下限にあたり、その点から先行き企業業績の下方修正があっても、織り込んだ格好となっている」と指摘していた。

TOPIXは0.93%高。東証プライム市場の売買代金は、2兆9995億3200万円だった。東証33業種では、海運業、精密機器などが値下がりし、電力・ガス業は下落。個別では、ソフトバンクグループ<9984.T>が堅調だったほか、日本郵船<9101.T>、東京エレクトロン<8035.T>も高く、大阪チタニウムテクノロジーズ<5726.T>が一時ストップ高となったが、東京ガス<9531.T>がさえない。プライム市場の騰落数は、値上がり1270銘柄(69%)に対し、値下がりが492銘柄(26%)、変わらずが75銘柄(4%)だった。

 

来週は  値固め、世界景気の腰折れを警戒 押し目買いと綱引きに=来週の東京株式市場

[東京 20日 ロイター] – 来週の東京株式市場は、値固めの展開が想定されている。米インフレや金融引き締めによる景気の腰折れ、中国経済の先行きなどへの警戒感は根強く、相場の重しになりそうな一方、国内の主要企業の業績には大きな変調がみられておらず、過度に下押しするようなら割安感から押し目買いが入るとみられている。

予想レンジは2万6000―2万7000円。

国内の決算シーズンでは、堅調な見通しを示した企業や自社株買いなど株主還元に積極的な企業の個別物色がみられたが、株高は持続力を欠いた。ただ、好業績銘柄は下値で押し目買いが入り、底堅さもうかがえる。国内では新型コロナウイルスの水際対策緩和の動きがあることも、インバウンド需要回復などへの思惑を通じて支えになりそうだ。

日経平均の予想PER(株価収益率)は12倍台で、過去数年のレンジ12―14倍の下限寄りにあるとして、市場では「PERが12倍をやや割り込む水準となる2万6000円が目先の下値めどになりそうだ」(野村証券の澤田麻希ストラテジスト)との見方がある。

一方、足元では、インフレ高進によるコスト高や急速な金融引き締めによって世界景気が腰折れしないか警戒感がくすぶる。日本株は底堅さが意識される一方、世界景気の先行き懸念が重しになって「6月米連邦公開市場委員会(FOMC)までは明確な方向感は出にくいのではないか」(澤田氏)とみられている。

米国では24日に5月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI(購買担当者景気指数)が発表される。これまで5月のニューヨーク連銀景気指数などセンチメント指標は弱い数字が続いており「PMIも悪材料となるリスクがある」(国内証券)と警戒する声が出ている。

FRBによる金融引き締めを巡っては25日にFOMC議事要旨( 5月3・4日開催分)が公表されるが、FRBの引き締めに向けた積極姿勢は「概ね織り込みが進んだ」(国内証券)との見方が有力。これまでのスタンスを再確認するイベントとなって大きなサプライズはないとみられており「イベント通過でアク抜けすれば、上値が軽くなるかもしれない」(国内生保)との声もある。

週後半は27日に米4月PCEコア・デフレーターの発表を控え、模様眺めとなる可能性がある。

中国では新型コロナの流行を受けたロックダウン(都市封鎖)の経済的影響への懸念がくすぶる一方、行動制限を緩和する動きや政策面からのてこ入れへの思惑もある。中国株が堅調となれば、日本株は下値が支えられそうだ。

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