今日の一言:人間万事塞翁が馬

今週の株式投資 R4.2.7-11 決算Week半ば・・・

東京ロイター

[東京 7日 ロイター] – 今週の東京株式市場は、米消費者物価指数(CPI)の発表を前に不安定な値動きが想定される。相場は2月入りし落ち着きを見せ始めているものの、米金融引き締めへの警戒感は依然、くすぶっている。今週は決算発表がヤマ場を迎える中、株式相場は好業績期待と引き締め不安の綱引きになりそうだ。

日経平均の予想レンジは2万6800円─2万7800円。

大和証券の末廣徹シニアエコノミストは、世界的な金利上昇の流れがある以上、株価は上値を追いづらいとの見方を示す。「実体経済の悪化も懸念されているため、決算や経済指標の内容を今以上に吟味する必要がある」という。

4日の東京株式市場で、日経平均は前営業日比198円68銭(0.73%)高の2万7439円99銭と反発した。週間では722円65銭(2.70%)上昇し、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが警戒され波乱商状となった1月の相場から回復の兆しが見え始めた。

米労働省が4日発表した1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比46万7000人増と、市場予想の15万人増を大幅に上回った。1月は新型コロナウイルスの感染拡大により消費者向けの事業活動が影響を受けたものの、労働市場の基調的な底堅さを示し、米連邦準備理事会(FRB)による3月利上げに向けた下地を整える内容となった。[nL4N2UF2EW]

雇用統計通過後、市場の関心は10日の米消費者物価指数(CPI)に向かう。米金融政策への思惑から、長期金利の動向への目配りも引き続き重要になりそうだ。国内の3連休を前に、10日はオプションSQ算出日でもあり、週後半にかけて神経質な相場展開になりかねない。

一方、今週は国内企業の決算がヤマ場を迎える。トヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>、日産自動車<7201.T>、SUBARU<7270.T>、いすゞ自動車<7202.T>といった自動車各社の決算が相次ぐ。挽回生産の動向や供給制約の来期への影響などに関心が寄せられる。

主力企業の発表も控えており、東京エレクトロン<8035.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>、ダイキン工業<6367.T>、ルネサスエレクトロニクス<6723.T>、資生堂<4911.T>など、決算内容を材料視した個別物色の動きが引き続き活発化しそうだ。

松井証券の窪田朋一郎投資メディア部長は、このところの相場について「流動性が低くなっており、少しでもネガティブな材料が出ると叩き売られる」と説明する。ボラタイルな相場は、今週以降も続くとみられている。

今週は、11日は建国記念日に伴い東京市場は休場となる。米国では、ウォルト・ディズニー、ウーバー・テクノロジーズなどの企業決算が公表される。

R4.2.7

[東京 7日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反落した。米国の金融引き締めへの警戒感が高まり、値がさハイテク株を中心に売られた。一方、決算を手掛かりとする物色は引き続き旺盛だった。

日経平均は反落して寄り付いた後も下げ幅を拡大し、一時354円67銭安の2万7085円32銭まで下落した。前週末の米雇用統計発表後に米10年債利回りは1.9%台に上昇し「市場の受け止めは、若干タカ派化した」(国内証券)とされる。半導体関連や電子部品、高PER(株価収益率)のグロース株の一角で売りが目立った。アマゾン・ドット・コムの好決算を受けて米ナスダック総合は上昇したが、事前に織り込みが進んでいた東京市場では「米金融引き締めを巡るショック安への警戒感の方が強まった」(国内運用会社)という。マザーズ総合は2.76%安となった。

売り一巡後は下げ渋りとなった。後場には米主要株価3指数の先物が持ち直して投資家心理を支援し、日経平均も下げ幅を縮める場面があった。米金利を巡っては「良い金利上昇との受け止めとみて良さそうだ」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用本部長)との声も聞かれた。銀行株が買われ、東証33業種の値上がり率で2位。「金利が上昇しても景気は腰折れせず、利ざやが稼げるとの
思惑があるのだろう」(藤原氏)とみられている。TOPIXは0.24%安の1925.99ポイントで取引を終了。東証1部の売買代金は3兆0141億8800万円だった。東証33業種では、海運業、精密機器、金属製品、化学工業など17業種が値下がりし、値上がりは保険業、銀行業、パルプ・紙など16業種だった。

東京エレクトロン<8035.T>やSUMCO<3436.T>といった半導体関連株のほか、村田製作所<6981.T>など電子部品が総じて軟調。ファーストリテイリング<9983.T>、リクルートホールディングス<6098.T>も安かった。一方、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など銀行株は買われた。ソフトバンクグループ <9984.T>もしっかり。企業決算を材料視した動きも目立った。オリンパス<7733.T>、太陽誘電<6976.T>が大幅安だった半面、日産化学<4021.T>、ダイフク <6383.T>、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684.T>は堅調だった。東証1部の騰落数は、値上がり783銘柄(35%)に対し、値下がりが1313銘柄(60%)、変わらずが87銘柄(3%)だった。1140

R4.2.8

[東京 8日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は小幅に反発した。米金融引き締めへの警戒感は引き続きくすぶるものの、日本株は割安感が意識され、自律反発を期待した買いが相場を支援した。決算などを手掛かりとする個別物色も活発だった。

日経平均は小高く寄り付いた後も徐々に上値を伸ばし、一時、前営業日比212円46銭高の2万7461円33銭を付けた。明確な買い材料があったわけではなく、日経平均のPER(株価収益率)が前日時点で13.04倍に低下し、割安感が意識されたという。今週後半に米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており「基本は様子見」(国内証券)とされ、買い一巡後は利益確定や戻り売りに上値を抑えられて伸び悩んだ。午前中に小幅高だった米株先物が後場には小安い動きとなって投資家心理の重しになり、日経平均は上げ幅を縮小した。引け後に発表されるソフトバンクグループ<9984.T>の決算を前に「内容次第では指数への影響が大きくなりかねず、見極めが必要」(別の国内証券)との声が出ていた。あすは場中にトヨタ自動車<7203.T>の決算発表が予定されている。

TOPIXは0.42%高の1934.06ポイントで取引を終了。東証1部の売買代金は2兆9978億1200万円だった。東証33業種では、海運業、水産・農林業、陸運業など23業種が上昇した一方、下落はパルプ・紙、精密機器、その他金融業など10業種だった。ロイヤルホールディングス<8179.T>や高島屋<8233.T>、エイチ・アイ・エス<9603.T>、ANAホールディングス<9202.T>といったリオープン(経済再開)銘柄は出遅れ感から物色され、プラスが目立った。決算を手掛かりにした売買もみられ、ダイキン工業<6367.T>やタカラトミー<7867.T>がしっかり。一方、バンダイナムコホールディングス<7832.T>、インターネットイニシアティブ<3774.T>は大幅安となった。東証1部の騰落数は、値上がり1256銘柄(57%)、値下がり833銘柄(38%)、変わらず93銘柄(4%)だった。1182

R4.2.9

[東京 9日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は続伸した。米株高を受けて高く寄り付いた後も、企業決算を手掛かりとした物色が支えとなり、堅調に推移した。場中に決算を発表したトヨタ自動車<7203.T>は営業利益予想を据え置き、上げ幅を縮小した。

日経平均は、米株高を支えに続伸で寄り付いた後、利益確定や戻り待ちの売りに押される場面もあったが、次第に上げ幅を拡大して一時、前営業日比348円58銭高の2万7633円10銭まで上昇した。半導体関連や電子部品といったハイテク株が買われ、指数の押し上げに寄与した。企業決算を手掛かりとした物色が継続。前日に決算を発表したソフトバンクグループ<9984.T>は6%近い大幅高となり、指数を60円超押し上げた。

このほか、シマノ<7309.T>やIHI<7013.T>、JFEホールディングス<5411.T>、AGC<5201.T>などが東証1部の上昇率上位に顔を出した。日産自動車<7201.T>もしっかり。一方、太平洋セメント<5233.T>やディー・エヌ・エー<2432.T>はさえなかった。トヨタは午前中に期待感から大幅高となっていたが、午後に発表した決算では営業利益見通しを据え置いて市場予想を下回り、株価は引けにかけて上げ幅を縮小した。一方、市場では来期に向けた期待も聞かれた。売上高予想は引き下げたが営業利益や純利益の予想を変えておらず、コスト削減などでカバーした様子がうかがえるとして「来期に売上高が伸びれば、利益も伸びやすい」(いちよしアセットマネジメントの秋野充成取締役)との指摘も出ていた。TOPIXは0.94%高の1952.22ポイントで取引を終了。東証1部の売買代金は3兆3824億9500万円だった。東証33業種では、精密機器、鉄鋼、ガラス・土石製品など22業種が上昇し、鉱業、石油・石炭製品、食料品など11業種が値下がりした。値上がりは1563銘柄(71%)、値下がりは544銘柄(24%)、変わらずは75銘柄(3%)だった。1229

R4.2.10

[東京 10日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は続伸して取引を終えた。朝方に高く始まった後、いったん300円超高に上昇したが、米消費者物価指数(CPI)の発表や国内の3連休を前にして手仕舞い売りが強まり、伸び悩んだ。日経平均は、前日の米株高を好感して高く始まった後、上値を伸ばして一時、前営業日比300円83銭高の2万7880円70銭の高値を付けた。米ハイテク株高を受けて、半導体関連や電子部品の買い戻しが強まった。好決算を背景とした物色も相場を支えた。
ただ、買い一巡後は米CPIや連休を前に手仕舞い売りが強まり、日経平均は上げ幅を削った。日経平均は一時マイナスに転じ、前日比4円80銭安の2万7575円07銭の安値を付ける場面もあった。
前日までに上昇した銘柄が売られ、売られた銘柄が買い戻される動きが目立った。米長期金利が低下する中、銀行や保険が振るわなかった。

 主力株では、前日に決算を発表したトヨタ自動車<7203.T>が軟調だったほか、前日の大幅高だったソフトバンクグループ<9 984.T>もさえなかった。米金融引き締めに対する過度な警戒感は足元で和らいでいるものの、払拭されてはおらず「当面は循環物色的な動きが継続しそうだ」(国内証券)との声が聞かれた。一方、決算を手掛かりにした売買は引き続き活発で、SUMCO<3436.T>やホンダ<7 267.T>、ルネサスエレクトロニクス<6723.T>、資生堂<4911.T>、旭化成<3407.T>などが高かった。ヤマトホールディングス<9064.T>は大幅安となった。テルモ<4543.T>も安かった。

 TOPIXは0.54%高の1962.61ポイントで取引を終了。東証1部の売買代金は3兆4508億3600万円だった。東証33業種では、建設業、電気機器、化学工業など25業種が上昇した一方、輸送用機器、ゴム製品、精密機器など8業種が値下がりした。東証1部の騰落数は、値上がりは1447銘柄(66%)、値下がりは636銘柄(29%)、変わらずは100銘柄(4%)だった。1246

R4.2.11

[10日 ロイター] –
シカゴ日経平均 清算値 前日大阪比 始値 高値 安値 コード
 ドル建て3月限 27395 -305 27875 27905 27350
 円建て3月限 27385 -315 27855 27885 27340

来週は・・・

[東京 10日 ロイター] – 来週の東京株式市場は、慎重に戻りを試す展開が想定されている。16日に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨への警戒感が強い一方、堅調な企業業績を背景に下値の堅さも意識されてきている。米金融政策のタカ派織り込みが進む中、イベント通過でいったんアク抜けとなるかが焦点になりそうだ。

日経平均の予想レンジは2万7200円―2万8200円。

米長期金利が上昇してもハイテク株比率の高い米ナスダックが上昇するケースがみられるようになってきた。米連邦準備理事会(FRB)のタカ派化を市場はかなり織り込んだ証拠との見方も出ている。
1月米消費者物価指数(CPI、10日発表)や、FOMC議事要旨(16日、1月25―26日開催分)への市場の関心は高いが、「よほど極端なタカ派の材料が出ない限り、大きな混乱はないのではないか」と、三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは予想している。
もっとも、資産縮小(QT)のスケジュールを含めて不透明感は払拭されていないとの見方も根強い。イベントを機に「利益確定売りの口実とされないか注意が必要」(国内証券)だという。

一方、国内の決算シーズンはヤマ場を越えた。「全体的には悪くない」(国内証券)と受け止められており、日経平均は2万7000円台前半で値固めを終えたとみられている。引き続き、決算を手掛かりとした個別物色が相場を支える可能性もある。
ただ、今年度の好決算は昨年落ち込んだ反動という面もあり、「ポジティブサプライズは大きくない」(同)という。日経平均の心理的節目である2万8000円付近では、足踏みする可能性もありそうだ。

国内では、15日に10―12月実質国内総生産(GDP)1次速報が発表される。オミクロン株感染拡大の影響は年明け以降に本格化しており、今回の指標は相場への影響は限定的とされる。18日発表の1月全国CPIも「伸びが続いたとしても、日銀は動きそうにない」(国内生保)との見方が多い。

市場では、北京五輪が終わるまでウクライナ情勢に大きな動きはなさそうだとの見方は多いが、緊張感は一段と高まっており、引き続き大きなリスク要因となっている。