NO IMAGE

今週の株式投資 R3.12.20-24 掉尾の一振にむけて・・・

東京ロイター

R3.12.20

[東京 20日 ロイター] -東京株式市場で日経平均は大幅続落した。米株安や中国の利下げなどが嫌気され、ほ
ぼ全面安商状となった。全体的に薄商いとなる中、短期筋による先物の売り仕掛けが目立ったという。日経平均は終値で6日以来となる2万8000円割れとなった。前週末17日の米国株式市場は下落。パンデミック(世界的大流行)下で実施した景気刺激策を早期に終了させるとの米連邦準備理事会(FRB)の決定が消化され、新型コロナウイルスのオミクロン変異株を巡る懸念が広がる中で大手ハイテク株が売られた。

これを受けて日本株も朝方から軟調なスタート。その後、中国で利下げの発表があった前後から中国株が下落すると、日本株も連れて下げを深める場面があったが「その実態は悪材料をきっかけとした短期筋のショートではないか」(国内証券)という。その後も、いいところなく下げ幅を広げた。市場では「個人投資家は追い証発生と年末を意識した損益通算の売りで、買いを入れる雰囲気ではない」(雨宮総研・代表の雨宮京子氏)との声も聞かれる。

ただ、2万8000円割れの水準では下げ渋る場面もあり、これまで下値のサポートラインとして意識されていた2万7000円台で下げ止まるかどうか注目されている。市場では「クリスマス休暇で薄商いとなるため、今後も先物主導による下振れに警戒したい」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)との指摘もあった。TOPIXは2.17%安。東証1部の売買代金は、2兆4541億7800万円と細り気味となっている。東証33業種では、全業種値下がりした。個別では、トヨタ自動車<7203.T>など主力株が総じて軟調だったが、任天堂<7974.T>がしっかり。東証1部の騰落数は、値上がり115銘柄に対し、値下がりが2051銘柄、変わらずが18銘柄だった。1024

R3.12.21

[東京 21日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は急反発した。前日までの大幅下落の反動もあって、自律反発狙いの買いが先行した。米株価指数先物が堅調に推移し投資家心理を支援、日経平均は2万8000円以下の水準での底堅さが意識された。一方、クリスマスを前に市場参加者は少なく、薄商いの中でボラティリティーの高まりへの警戒感も残っている。

日本株は直近の2営業日で1000円幅で大きく下げたほか、前日までに騰落レシオが70%近くに低下して売られ過ぎが意識され、朝方から買い戻しが活発化した。前日の米国市場では株安となったものの、米主要株価3指数の先物は時間外取引で堅調に推移し、買い安心感を誘った。

日経平均は前日に心理的節目2万8000円を下回ったものの、短期間で取り戻す形となった。市場では「8月に付けた安値を起点とするサポートラインが2万7600円付近を通る。これを維持する限り、戻り基調は継続しそうだ」(証券ジャパンの大谷正之投資情報部部長)との声が聞かれた。

一方、オミクロン株の感染拡大に対する警戒感は根強く、投資家心理を揺さぶるリスクがつきまとう。クリスマスを前にした薄商いとなる中で「先物に振り回されやすい面があり注意が必要」(大谷氏)という。

TOPIXは1.47%高で取引を終了。東証1部の売買代金は2兆3405億3200万円だった。東証33業種は、全業種が上昇。上昇率上位には、海運業、その他製品、証券業、ゴム製品、電気機器などが並んだ。

個別では、東京エレクトロン<8035.T>など半導体関連株が軒並み高となった。米マイクロン・テクノロジー<MU.O>が20日に発表した第2・四半期(2021年12月─22年2月)の収益見通しが市場予想を上回ったことが材料視された。塩野義製薬<4507.T>は大幅上昇、任天堂<7974.T>も高い。一方、電通グループ<4324.T>はさえなかった。東証2部に新規上場の湖北工業<6524.T>の初値は、公開価格を32.5%上回る5300円だった。ライフドリンク カンパニー<2585.T>の初値は、公開価格を7.0%下回る1427円だった。東証1部の騰落数は、値上がり1673銘柄(76%)に対し、値下がりが430銘柄(19%)、変わらずが81銘柄(3%)だった。1024

R3.12.22

[東京 22日 ロイター] -東京株式市場で日経平均は小幅続伸。前日の好地合いを引き継いだものの、市場参加者が少ないこともあって、方向感を欠く動きとなっている。東証1部の売買代金は7月27日以来の2兆円割れとなった。21日の米国株式市場は主要株価3指数が急反発。旅行関連株のほか、テクノロジー株が買われたほか、決算を受けてナイキ<NKE.N>とマイクロン・テクノロジー<MU.O>も上昇した。

朝方より、日本株は堅調に推移する時間帯が長かったものの、手掛かり材料難となったほか、海外勢がクリスマス休暇など参加者が少なく、小動きで推移。薄商いながらも、短期筋の売り仕掛けもみられず、急速にボラティリティも低下した。市場では「マーケット参加者が少なく、商いは急速に細った。ただ、閑散に売り無しと言われるように、多くの投資家が様子をみているのではないか」(SBI証券・投資調査部長の鈴木英之氏)との声が聞かれる。

TOPIXは0.09%高。東証1部の売買代金は、1兆9894億5200円と2兆円を割り込んだ。東証33業種では、空運業、鉱業、ゴム製品などが上昇し、パルプ・紙、食料品、電気・ガス業などが値下がりした。個別では、東京エレクトロン<8035.T>が小じっかりだが、トヨタ自動車<7203.T>はさえない。東証1部の騰落数は、値上がり1147銘柄に対し、値下がりが911銘柄、変わらずが126銘柄だった。1024

R3.12.23

[東京 23日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は3日続伸した。前日の米株高の基調を引き継いで堅調な推移となった。ただ、クリスマス・年末休暇前で薄商いの上、後場にかけて上げ幅を拡大し、高値引けとなった。東証1部の売買代金は、今年3番目の少なさだった。日経平均は、米株高を好感して続伸で寄り付いた。買い一巡後、午前中は小動きに終始したが、後場に入って徐々に上げ幅を拡大し、高値で引けた。

米国で経口治療薬の緊急使用が承認され、新型コロナウイルスを巡る警戒感がいったん和らいだほか、米株価主要3指数の先物や中国株、香港株がいずれも小幅ながらプラスで推移したことも、投資家に安心感を与えた。市場では「主要国の中銀会合といった年内の大きなイベントを通過し、年末モードになってきた。オミクロン株への懸念は根強いが、まだ過度に警戒する局面ではないだろう」(三木証券の北澤淳商品部投資情報グループ次長)との声が聞かれた。

TOPIXは0.91%高で取引を終了。東証1部の売買代金は1兆8853億4700万円で、2日連続で2兆円を下回った。東証33業種では、鉱業、空運業、海運業など30業種が値上がりした。一方、値下がりは医薬品、パルプ・紙、小売業の3業種だった。東京エレクトロン<8035.T>やリクルートホールディングス<6098.T>が堅調で、2銘柄で日経平均を約55円押し上げた。トヨタ自動車<7203.T>やソニーグループ<6758.T>といった主力株も総じてしっかりだった。一方、エーザイ<4523.T>が大幅に反落。東証1部の値下がり率トップとなり、日経平均を約23円押し下げた。米社と共同開発したアルツハイマー病新薬について、厚生労働省の専門部会が有効性の判断は困難としたことが嫌気された。ファーストリテイリング<9983.T>もさえなかった。東証1部の騰落数は、値上がり1421銘柄(65%)に対し、値下がりが646銘柄(29%)、変わらずが117銘柄(5%)だった。1024

R3.12.24

[東京 24日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は小幅に反落した。23日の米株高を好感して小幅高で始まった後は、手掛かり材料難から方向感に欠ける値動きが続いた。1日を通して狭いレンジに終始し、値幅は約96円にとどまった。東証1部の売買代金は今年最低を更新した。

日経平均は前日の米国株式市場で主要3株価指数が3日続伸した流れを引き継ぎ、小幅に続伸してスタート。海外勢がクリスマス休暇で市場参加者が少ない中、値動きに欠ける閑散相場となった。後場の取引時間中に、東京都で新型コロナウイルスのオミクロン株の市中感染が確認されたと伝わると、日経平均は小幅ながらマイナス圏に転落。その後は前日終値近辺での小動きが続いた。市場では「全体的に盛り上がりに欠けるが、一部では市中感染を嫌気したポジション調整の動きがみられたようだ。週末の感染動向次第では、年明けになんらかの形で行動制限が課される可能性があり、警戒されている」(国内証券)との声が聞かれた。

TOPIXも4日ぶりに反落し、0.13%安の1986.78ポイント。東証1部の売買代金は1兆6165億5200万円と今年1番の薄商いとなった。東証33業種では、保険業、陸運業、電気・ガス業、その他金融業などの25業種が値下がり。機械、ガラス・土石製品、電気機器、精密機器などの8業種は値上がりとなった。個別では、レーザーテック<6920.T>、東京エレクトロン<8035.T>、SCREENホールディングス<7735.T>が上場来高値を更新するなど、半導体関連株がしっかり。アドバンテスト<6857.T>、アルバック<6728.T>なども買われた。半面、ファーストリテイリング<9983.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>はさえなかった。東証1部の騰落数は、値上がりが884銘柄(40%)、値下がりが1173銘柄(53%)、変わらずが127銘柄(5%)だった。1024

来週は・・・

[東京 24日 ロイター] – 来週の東京株式市場は底堅い展開になりそうだ。年末に向けて株高のアノマリーが実現するかに関心が寄せられている。昨年は米国のコロナ追加経済対策をめぐりトランプ大統領(当時)が署名したサプライズ材料もあり、棹尾の一振(とうびのいっしん)がみられたが、今年も年末高を期待する関係者が多い。オミクロン株の動向など不透明要因がある中で、ネガティブな材料への警戒感もくすぶり、大きな株価変動はなさそうだ。

日経平均の予想レンジは2万8600円─2万9100円。

28日が12月末に権利確定日を迎える銘柄の権利付最終売買日となる。これをすぎれば、需給面のかく乱要因がなくなるとして「30日の大納会に向けて、掉尾の一振があるかどうか」(国内証券)に関心が向かう。2000年以降、大納会までの10日間の値動きを見ると75%が株高となっており、今年も株高の越年を期待する声は根強い。

一方、年内の主要イベントを通過したことで、市場のムードは「年末モード」となり、閑散相場が見込まれて、先物の動きなどに振らされやすいという。とりわけ、オミクロン株の実態に不明な点が多いほか、国内でも市中感染が確認されてきている。「ネガティブな情報への反応が大きくなりかねず、注意が必要」(別の国内証券)との声が出ている。

市場では「当面は上値が重く、下値が堅い状態が続く。売買代金が膨らまなければこう着感が晴れないだろう」(野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏)、「年末に2万9000円を回復できるかどうかがポイントになる」(東洋証券・ストラテジストの大塚竜太氏)など指摘があった。

国内では27日に日銀金融政策決定会合における主な意見(12月16・17日開催分)が公表される。主要中銀のタカ派傾斜が警戒される中、コロナ支援策縮小の議論の背景などに関心が寄せられる。このほか、28日に11月鉱工業生産が発表される。

企業決算では、小売業の9―11月期決算が始まっている。27日にはしまむら、28日にはJフロントリテイリング、スギホールディングスが発表する。

今週の株式投資(日々更新)の最新記事8件