NO IMAGE

今週の株式投資 R3.10.18-22

東京ロイター

R3.10.18 

[東京 18日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は3日ぶりに反落した。朝方は前週末の米株高の流れを引き継ぎ小幅高で始まったが、その後マイナス圏に沈んだ。前週末の急な上昇を受けて利益確定売りが優勢となったほか、香港ハンセン指数や上海総合指数などのアジア株がマイナス圏での推移となったことも重しとなった。TOPIXは前営業日比0.23%安の2019.23ポイント。東証1部の売買代金は2兆5295円6200万円。東証33業種では、医薬品、サービス業、食料品などの21業種が値下がり。鉱業、非鉄金属、鉄鋼、石油・石炭製品などの12業種は値上がりとなった。取引時間中に発表された中国の2021年7─9月期のGDPは前年比4.9%増となり、4─6月期の7.9%増から鈍化した。ロイターがまとめた市場予想は5.2%増だった。フィリップ証券のリサーチ部長、笹木和弘氏は「警戒されていた中国での経済指標がさえなかったため、売りが先行した。今まではある程度指標が悪くても景気刺激策への期待で売られなかったが、政府が規制強化を進める中では難しい」との見方を示した。

個別では、トヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>、スズキ<7269.T>などの自動車株がしっかり。デンソー<6902.T>も買われた。外為市場でドル/円が114円台まで円安が進行したことが好感された。INPEX<1605.T>、ENEOSホールディングス<5020.T>、出光興産<5019.T>などのエネルギー関連株がしっかり。原油上昇を背景に買われた。そのほか、エムスリー<2413.T>、KDDI<9433.T>は軟調。半面、ファーストリテイ
リング<9983.T>、東京エレクトロン<8035.T>などは買われた。東証1部の騰落数は、値上がり1124銘柄に対し、値下がりが985銘柄、変わらずが75銘柄だった。994

R3.10.19  

[東京 19日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反発した。前日の米国株式市場でナスダックが上昇した流れを引き継ぎ、値がさハイテク株を中心に買いが優勢となった。警戒されていた米長期金利上昇や原油価格の高騰に一服感がみられたことも安心感を誘った。香港や上海などアジア株がしっかりだったことも支援し、日経平均は一日を通してプラス圏を維持した。日経平均は反発スタート後も上げ幅を拡大し、後場では247円03銭高の2万92
72円49銭の高値をつけた。ただ、その後は上げ一服となり、2万9200円近辺で一進一退となった。来週に企業決算発表が本格化することもあり、さらなる上値追いには慎重だった。松井証券の窪田朋一朗シニアマーケットアナリストは「原油高や中国不動産問題といった懸念材料が幾分後退し、日経平均はしっかり。短期的なインフレリスクもいったんは後退したが、11月上旬のFOMC(連邦公開市場委員会)までは様子を見たい」との見方を示した。TOPIXは前営業日比0.36%高の2026.57ポイント。東証1部の売買代金は2兆4409億円。東証33業種では、海運業、精密機器、その他製品などの15業種が値上がり。半面、鉱業、空運業、石油・石炭製品などの18業種は値下がりした。

個別では、ファーストリテイリング<9983.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>、東京エレクトロン<8035.T>ファナック<6954.T>などの値がさ株がしっかり。4銘柄で日経平均を約142円押し上げた。半面、第一三共<4568.T>、アステラス製薬<4503.T>などは軟調だった。そのほか、INPEX<1605.T>、石油資源開発<1662.T>などの石油関連株は大幅安。原油高に一服感が出始めたことから利益確定売りが加速した。円安基調を背景に前日には大幅高となったトヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>、SUBARU<7270.T>などの自動車株も反落した。東証1部の騰落数は、値上がり1115銘柄に対し、値下がりが962銘柄、変わらずが107銘柄だった。1085

R3.10.20  

[東京 20日 ロイター] -東京株式市場で日経平均は続伸して取引を終えた。前日の米国株式市場の上昇を好感して上値を追う展開となったものの、あと一歩まで迫った2万9500円より上値は重いと意識され、後半は伸び悩んだ。物色面では方向性が定まらず個別物色の動きに終始した。19日の米国株式市場は上昇。ハイテク株やヘルスケア株への買いが指数を押し上げた。S&P総合500種<.SPX>は5営業日続伸、9月初旬に付けた終値での最高値までわずか0.4%の水準に迫った。これを受けて日本株は前日までの好地合いを引き継ぐ格好となったが、時価水準よりも上値は「やれやれの売りなどがかさむと想定され、さらに上昇するには新たな材料が必要」(国内証券)との声が聞かれ、次第に値を消す動きとなった。円安は引き続き好感されているが、時間外取引で米株先物が軟化したことが重しとなった。

市場では「個別の値動きをみると調整入りと感じされるものの、指数が下がらないことで基調の強さを感じさせる。円安で業績見通しの上方修正が増えるとみられ、短期筋も売り込めないようだ」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭)との指摘もある。TOPIXは0.05%高。東証1部の売買代金は2兆7099億0400万円だった。東証33業種では、空運業、陸運業などが上昇し、海運業、その他製品などの値下がりが目立つ。個別では、ソフトバンクグループ<9984.T>が商いを伴って上昇。JR東海<9022.T>、TOTO<5332.T>などがしっかりだが、日本郵船<9101.T>、任天堂<7974.T>がさえない。東証1部の騰落数は、値上がり790銘柄に対し、値下がりが1280銘柄、変わらずが114銘柄だった。1125

R3.10.21 

[東京 21日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反落した。中国恒大集団<3333.HK>の債務問題の深刻化懸念や原油価格上昇に伴うインフレ圧力の警戒などの環境面、日本郵政<6178.T>の株式売却に絡んだ思惑など需給面に不透明感が強く、後半にかけて下げ足を速める展開となった。20日の米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が続伸。予想よりも好調な内容となっている企業決算が材料視され、ダウは8月半ばに付けた過去最高値を上回ったが、ナスダック総合<.IXIC>は小幅下落となった。一方、日本株については、中国恒大集団が不動産管理子会社である恒大物業集団<6666.HK>の株式売却が頓挫したと発表し債務問題が深刻化したとの印象を与えたほか、止まらない原油高によるインフレ圧力への懸念、国内要因では総選挙での自民党への支持が伸びないなど、環境面での不透明感が強くなっている。前半は弱もちあいの展開となっていたものの、後場に入ってから日経平均は急落。市場では、25日─27日の値決めを前にして「日本郵政株売却に伴う換金売りが出始めているようだ。目先は換金売りが需給面での不安材料になる」(別の国内証券)との声も聞かれた。市場では「恒大集団の債務問題がより厳しくなるなど環境が悪化した中、日々の商いも細る傾向にあるだけに、何かのきっかけで売りが出てくると抗しきれない」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との指摘もある。

TOPIXは1.32%安。東証1部の売買代金は2兆4488億9700万円と細り気味となっている。東証33業種はm全業種が値下がりした。個別では、東京エレクトロン<8035.T>など半導体関連株が売られたほか、指数寄与度が大きいファーストリテイリング<9983.T>も大幅安。トヨタ自動車<7203.T>など主力銘柄も総じて軟調だが、住友金属鉱山<5713.T>は小じっかりだった。東証1部の騰落数は、値上がり323銘柄に対し、値下がりが1786銘柄、変わらずが75銘柄だった。1092

R3.10.22

[東京 22日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反発した。朝方は安く始まったものの、中国恒大集団<3333.HK>の利払い履行報道など、これまでの不透明感が後退したことから、買い戻しが先行した。ただ、来週から本格化する企業決算を見極めたいとのムードもあり、積極的に上値を追う展開にはならなかった。日本株は前日の軟弱な地合いを引き継ぐ形で続落スタート。急な下げに対する警戒が生じるなか、中国恒大集団が利払いを履行したとの一部報道が好感され、買い戻しが活発化した。一時280円92銭高の2万8989円50銭で高値をつけた。2万9000円手前では利益確定売りが先行する格好となった。ニッセイ基礎研究所のチーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏は「来週の企業決算の本格化を控え、警戒するムードが広がっている。直近の原油価格の上昇や円安進行が、企業の収益をどの程度圧迫するか見極めたいとして、様子見姿勢が強まっている」との見方を示した。

TOPIXは前営業日比0.07%高の2002.23ポイント。東証1部の売買代金は2兆4303億0400万円とやや薄商い。東証33業種では、非鉄金属、鉱業、鉄鋼、証券業などの23業種が値下がり。精密機器、機械、電気機器などの10業種は値上がりした。個別では、直近の下げ相場を先導していた東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>などの半導体関連株がしっかり。2銘柄で日経平均を約86円押し上げる格好となった。21日の米国株式市場でフィラデルフィア半導体指数<.SOX>が1%超高となったことや前日にディスコ <6146.T>が発表した好決算を受け、買い戻しが先行した。そのほか、ソフトバンクグループ<9984.T>、エムスリー<2413.T>などもしっかり。ファーストリテイリング<9983.T>、KDDI<9433.T>は軟調だった。東証1部の騰落数は、値上がり933銘柄に対し、値下がりが1122銘柄、変わらずが129銘柄だった。  1148

来週は・・・

[東京 22日 ロイター] – 来週の東京株式市場は、強もちあいが想定されている。海外の環境面に不透明感が残るため、それによって株価が上下に振れる可能性が高い。しかし、これから発表される3月期企業の上半期決算の内容が明らかになり、上方修正が相次ぐなど好実態が確認された場合、相場全体は底堅さを増していくことになりそうだ。

日経平均の予想レンジは2万8500円─2万9500円。

環境面をみると、引き続き中国では恒大集団<3333.HK>の過剰債務問題や景気後退の懸念がくすぶるほか、原油価格上昇によるインフレ圧力への警戒感、米国金利上昇に対する不安など不透明要因が多い。さらに国内では、総選挙で与党が議席数を減らすという世論調査結果が嫌気された。輸出拡大期待につながる円安にしても、原材料高というマイナスの側面が注目されている。こうした不透明要因が警戒されるとともに、商いの減少が顕著となる中で日経平均は乱高下したが、「これら懸念材料の状況次第によって、引き続き株価が上下に振れやすい状況となりそうだ」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)という。一方、下振れリスクを緩和させる要因として、企業決算の発表が挙げられている。円安やコロナ禍の落ち着きによって業績見通しの上振れ余地が広がっているが、「外部環境が落ち着かない中でも企業業績が好調であれば、それが株価を押し上げる要因になる」(野村証券・ストラテジストの澤田麻希氏)との声が聞かれた。26日の日本電産<6594.T>、27日のファナック<6954.T>、28日のソニーグループ<6758.T>、アドバンテスト<6857.T>、JR東日本<9020.T>、29日立ち会い時間中の商船三井<9104.T>などの決算発表が注目される。31日には総選挙の投開票日を迎えるため、選挙戦終盤の情勢次第で株価が振れることもありそうだ。ただ、「一時は与党の議席減の世論調査を悪材料視したが、政権運営に支障がない程度の減少にとどまれば、株式市場に問題は生じない。むしろ、今後は経済対策への期待が高まってくると考えられる」(岡三オンライン証券・チーフストラテジストの伊藤嘉洋氏)との声も聞かれる。

今週の株式投資(日々更新)の最新記事8件