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今週の株式投資 R3.10.11-15

東京ロイター

R3.10.11 

[東京 11日 ロイター] –
東京株式市場で日経平均は大幅続伸した。外為市場で、ドル高/円安が進行したことや、アジア株市場が堅調に推移したことなどが好感された。国内の新型コロナウイルス感染者数が減少傾向にあることも材料視されている。前週末の米国株式市場は反落。失望を誘う内容となった米雇用統計に反応した。米労働省が8日発表した9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比19万4000人増だった。9カ月ぶりの小幅な増加にとどまり、市場予想の50万人増を大きく下回った。失業率は4.8%と、8月の5.2%から改善し、18カ月ぶりの低水準となった。これを受けて日本株は軟調な始まりとなったが、売り一巡後は堅調な動きに変化し、日経平均は前営業日で一時500円を超す上昇。アジア株式市場がしっかりとなったことや、外為市場でドル/円が112円台後半まで円安に振れたことが好感され、輸出関連株を中心に幅広く物色された。後半は伸び悩んだものの、急落時に空けたマドの下限値である4日安値2万8343円28銭を上回ったことで、目先底入れムードが台頭している。

市場では「新型コロナ感染者数がひと頃に比べて激減していることも、株高の支援材料になっているのではないか」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との声も聞かれ、リオープン(経済再開)銘柄に堅調な銘柄が目立った。TOPIXは1.77%高。東証1部の売買代金は、2兆7085億4300万円とやや細っている。東証33業種では、海運業、空運業、鉱業などが上昇し、値下がり業種は電気・ガス業のみだった。個別では、ソニーグループ<6758.T>など主力の輸出関連株が総じてしっかり。日本郵船<9101.T>など海運株や、JR東海<9022.T>といった電鉄株も堅調に推移した。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>をはじめ銀行株や、ソフトバンクグループ<9984.T>も高いが、前週末に上方修正を発表しながら予想を下回った安川電機<6506.T>が軟化し、東京エレクトロン<8035.T>もさえない。東証1部の騰落数は、値上がり1834銘柄に対し、値下がりが295銘柄、変わらずが54銘柄だった。900

R3.10.12  

[東京 12日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は4日ぶりに反落した。前日の米国市場での株安を受けて、幅広く売りが優勢となった。値がさのハイテク株の軟調が指数の重しになった一方、円安進行を手掛かりに輸出関連株の一角は物色された。11日の米国株式市場は続落。第3・四半期の決算発表シーズンを前に不安定な値動きとなった。主要株価指数はプラス圏で推移した後、下落に転じ、引けにかけて下げ幅を拡大した。

これを受けて、日本株も下落して始まった。日経平均は前日までに1200円幅の上昇で、戻り一巡感が台頭したほか、10月後半から本格化する企業決算を見極めたいとのムードもあり、上値に対して慎重な動きとなった。東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>などの半導体関連は総じてさえない動きとなったほか、このところ株価の戻りが見られた外食や百貨店、旅行関連、空運、陸運といったリオープン(経済再開)関連でも下げが目立った。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>やソフトバンクグループ<9984. T>は、マイナス推移が続いた。市場では「米金利のアップサイドリスクが高い中で当面、株価には厳しい環境が続きそう」(水戸証券の酒井一チーフファンドマネージャー)との声が聞かれた。

外為市場でドル/円相場が113円台と円安が進んだことからトヨタ自動車<7203.T>など輸出関連株の一角は堅調だった。TOPIXは0.70%安で取引を終了し、3日ぶりに反落した。東証1部の売買代金は2兆5637億5500万円だった。東証33業種では、電気・ガス業、空運業、小売業など24業種が値下がりした一方、鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属など9業種が上昇した。

東証1部の騰落数は、値上がり375銘柄に対し、値下がりが1743銘柄、変わらずが65銘柄だった。931

R3.10.13  

[東京 13日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は続落した。米国株式市場が連日軟調な値動きとなる中、世界経済の減速懸念の高まりも重しとなった。日経平均は一時プラス圏に浮上する場面もみられたが、再びマイナス圏に沈み、その後は方向感に欠く展開となった。12日の米国株式市場は主要3指数が3日続落した。一連の企業決算のほか、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨発表を翌日に控えて警戒感が高まった。国際通貨基金(IMF)が12日に発表した世界経済見通し(WEO)では、米国、中国、日本など主要国の成長率予想を引き下げた。供給網の混乱と物価上昇圧力が新型コロナウイルス危機からの回復を阻害しているとした。[nL4N2R8373]

日経平均は続落スタートとなった後も下げ幅を拡大し、前営業日比237円15銭安の2万7993円46銭で安値を付けた。一時的に2万8000円を割り込んだ後は値ごろ感からの買い戻しが入り、プラス圏に切り返す場面があったが、再びマイナス圏に転落。米消費者物価指数(CPI)やFOMC議事要旨の発表を前に、次第に模様眺めが強まった。市場では「日経平均は世界経済に連動する銘柄によって構成されている部分が大きいだけに、減速懸念がくすぶると弱気ムードになりやすい。企業決算や衆院選前ということもあり、当面は動きづらいだろう」(国内証券)との声が聞かれた。TOPIXは0.45%安の1973.83ポイント。東証1部の売買代金は2兆4039億9400万円。東証33業種では、海運業、鉄鋼、ゴム製品、銀行業、保険業などの27業種が値下がり。半面、不動産業、水産・農林業、建設業などの6業種は値上がりした。個別では、太陽誘電<6976.T>が6%超安、村田製作所<6981.T>が2%超安と、米アップル関連と目される電子部品株が総じて軟調。世界的な半導体不足を理由に、新型スマートフォン「iPhone13」シリーズを最大1000万台減産する見通しと伝わったことが嫌気された。

そのほか、東京エレクトロン<8035.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>、信越化学工業<4063.T>も売られた。TOTO<5332.T>、ネクソン<3659.T>は買われた。東証1部の騰落数は、値上がり608銘柄に対し、値下がりが1491銘柄、変わらずが84銘柄だった。894

R3.10.14  

[東京 14日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は反発した。前日の米国株式市場でS&P総合500種とナスダック総合が上昇した流れを引き継ぎ、東京市場でも値がさハイテク株を買い戻す動きが活発化した。日経平均は400円を超す上昇となった。TOPIXは前営業日比0.67%高の1986.97ポイント。東証1部の売買代
金は2兆5647億1800万円。東証33業種では、水産・農林業、精密機器、電気機器などの21業種が値上がり。半面、海運業、鉄鋼、石油・石炭製品などの12業種が値下がりした。

日経平均は朝方に高く始まった後も上げ幅を拡大し、436円40銭高の2万8576円68銭で高値をつけた。東京エレクトロン<8035.T>などのグロース(成長)株の上昇が支援し、上げ幅を拡大した。一方、INPEX1605.T>などの石油関連株はさえない動きとなり、グロースとバリューで売り買いが拮抗する展開となった。市場では「米金利と米国株の落ち着きが好感され、軟調だったハイテク株を中心に短期的な買い戻しが入った。当面は米金利に左右される相場が続きそうだ」(ニッセイ基礎研究所のチーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏)との声が聞かれた。

個別では、東京エレクトロン<8035.T>が5.18%高となり日経平均を1銘柄で84円押し上げた。前日の米国株式市場でハイテク株が物色され、フィラデルフィア半導体指数(SOX)<.SOX>が上昇したことが好感された。ファーストリテイリング<9983.T>、アドバンテスト<6857.T>、ファナック<6954.T>などの値がさ株も買われた。そのほか、サイゼリヤ<7581.T>、吉野家ホールディングス<9861.T>などの外食チェーン銘柄もしっかり。前日に発表した業績見通しで先行きへの期待がまった。東証1部に新規上場したPHCホールディングス <6523.T>は公開価格を4%下回る3120円で初値を形成した後失速し、2651円で引けた。東証1部の騰落数は、値上がり1048銘柄に対し、値下がりが1037銘柄、変わらずが98銘柄だった。948

R3.10.15

[東京 15日 ロイター] – 東京株式市場で日経平均は大幅に続伸し、2万9000円を回復した。前日の米国株式市場が大幅上昇したことを好感して幅広く物色された。為替市場でドル/円が114円をつけたことで戻り相場に弾みがつき、大台の回復につながった。14日の米国株式市場は主要3指数がそろって上昇。好決算を発表した金融大手モルガン・スタンレー(モルガンS)<MS.N>や医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループ<UNH.N>などが買われたほか、この日発表された経済指標を受けて利上げ見通しを巡る懸念が後退した。日経平均は終始、堅調な動きとなった。米ハイテク株高の流れを受けて、東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>など半導体関連の上昇が日本株相場をけん引し、幅広い銘柄が買われた。半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が日本で工場を建設すると14日に発表したことを受け、半導体関連のほか、ファクトリーオートメーション(
FA)のファナック<6954.T>やキーエンス<6861.T>といった設備投資関連にも思惑が波及。政府が支援する構えであることも、幅広く地合いの改善につながった側面がありそうだ。岸田文雄政権による成長戦略への積極姿勢との受け止めも市場では聞かれた。後場には10月4日以来となる2万9000円台を回復。アジア株や米株価指数先物
が堅調に推移する中、ドル/円が114円台をつける動きとなり、上昇に弾みがついた。

市場では「直近の下落の半値戻しとなれば上昇に弾みがつきそうだ。ひとまず25日移動平均線(2万9310円97銭=15日)付近を目指す流れが出てくるのではないか」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長)との見方が聞かれた。きょうの上昇によりテクニカル面で底打ちを確認したとみる関係者は多い。9月14日の年初来高値(3万0795円78銭)から10月6日の安値(2万7293円62銭)への下落局面の半値戻しは2万9044円70銭。TOPIXは1.86%高で取引を終了。東証1部の売買代金は2兆8420億0500万円だった。東証33業種は、全業種が値上がりした。値上がり率上位には、機械、海運業、電気機器、金属製品、証券業と並んだ。

トヨタ自動車<7203.T>やホンダ<7267.T>、ソニーグループ<6758.T>といった主力株は総じて堅調。指数寄与度の大きいソフトバンクグループ<9984.T>もプラスだった。一方、ファーストリテイリング<9983.T>はさえなかった。前日発表した2022年8月期の業績予想が市場予想を下回り、嫌気された。東証1部の騰落数は、値上がりが1989で全体の91%となった。値下がりは155、変わらずは40だった。991

来週は・・・

[東京 15日 ロイター] – 来週の東京株式市場は、一進一退の値動きが想定されている。市場の関心は再来週から本格化する国内の2022年3月期第2・四半期(中間期)の企業決算に向いており、来週は様子見姿勢が強まるとされている。日本株は米市場の動向をにらみながら、方向感を探る1週間となりそうだ。

日経平均の予想レンジは2万8500円─2万9200円。

15日の東京株式市場で、日経平均は前営業日比517円70銭(1.81%)高の2万9068円63銭と大幅に続伸した。週間では4週ぶりに反発し、1019円(3.63%)上昇。日経平均は9営業日ぶりに2万9000円を回復したが、同水準では戻り売り圧力も根強かった。

来週は、中国で7─9月期実質国内総生産(GDP)、9月鉱工業生産、米国で地区連銀経済報告(ベージュブック)、10月マークイット製造業PMI(購買担当者景気指数)など、重要統計が相次いて発表される。

米国の景気・金融政策が転換点を迎える中、統計でインフレの加速の観測が再び確認されると、株価は左右されるとみる市場関係者は少なくない。東洋証券のストラテジスト、大塚竜太氏は「米国でのインフレ懸念は和らぎつつあるが、国内では25日から3月期の企業決算の本格化を控えやや材料不足。日本株は海外の統計など外部環境に左右されやすいだろう」との見方を示す。

そのほか「中国の恒大集団<3333.HK>の債務問題など懸念材料が多く残っているため、日本株がもう一段の上値を追うためにはさらなる材料がほしい」(東海東京調査センターのシニアストラテジスト、中村貴司氏)との声が聞かれる。再来週の企業決算の本格化を控え、来週は一進一退の展開となりそうだ。

国内の主なスケジュールでは、9月貿易収支、9月全国消費者物価指数などが公表される。19日は衆議院議員選挙の公示日となる。ディスコ<6146.T>、東京製鉄<5423.T>、中外製薬<4519.T>はそれぞれ企業決算を発表する。

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